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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年06月12日

インターハイ東京1回戦 早稲田実業×修徳@駒沢補助

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sojitsu syutoku.jpg第3試合はT1に所属する早稲田実業と、T2所属ながらも実力は十分T1クラスの修徳という顔合わせ。頂点を狙え得る両チームの対戦です。
昨年度は選手権予選でファイナルまで勝ち進むなど、ここ数年は各大会でコンスタントに上位へ顔を出している早実。1次トーナメントでは、こちらも上位進出の常連校・都立駒場を倒してきています。
一方の修徳も選手権予選では成立学園を13-12という壮絶なPK戦で下し、優勝した東久留米総合とも延長までもつれ込む接戦を演じるなど、都内有数の実力をアピール。昨年度の主力がほとんど残った今年度は、久々の全国を間違いなく狙っているはず。勝者は現在都内最強との呼び声も高い関東第一と対戦するだけに、そういう意味でも注目の一戦になりました。
開始10分前後までは、お互いになかなかチャンスを創り切れない展開の中、先にシュートを放ったのは修徳。9分、中盤でのルーズボールを左SBの井上照規(3年・ラルゴFC)が強引にミドル。ボールは大きく枠を越えましたが、ファーストシュートが記録されます。12分には早実に好機。直江健太郎(1年・大宮アルディージャJY)、野田絋暉(2年・東京ヴェルディJY)と繋ぎ、天引航(2年・ベガルタ仙台JY)のミドルはわずかにバーの上へ。こちらはファーストシュートで、あわやというシーンを創出しました。
4-2-3-1気味のシステムを敷いた両チームで、中盤3枚の中央を務めるのはどちらも背番号10。「本当はもう1つ前で使いたい選手」と森泉武信監督が話した早実の野田と、「去年から出ているので、やってくれないと困る選手」と岩本慎二郎監督が評した修徳の大塚竜太(3年・フッチSC)は、共にボールを引き出してリズムを創る役割を担っていましたが、より広範囲に動いて捌いた野田の奮闘で、徐々にリズムは早実へ。
21分には、左から鈴木崇文(3年・東京ヴェルディJY)が上げたクロスに、舟橋祐哉(3年・さいたま原山中)の叩きつけたヘッドは修徳GK野口博輝(3年・ヴェルディSS調布)がファインセーブで阻止。23分、1本のフィードで抜け出した舟橋の左足シュートは枠の右へ。30分、曽我巧(2年・大宮アルディージャJY)の縦パスを受けた天引は、寄せた2人の間を擦り抜け、わずかにバーを越えるミドルにトライ。惜しいチャンスが続きます。
ところが、城ケ瀧大地(3年・フレンドリー)と池田晃輔(2年・FCフェスタ)のドイスボランチを軸に「中盤のプレッシャーが良くなった」(岩本監督)修徳は、守備での好リズムが少しずつ攻撃にも伝播。32分には、その城ケ瀧がドリブルから早実ゴールを強襲するシュート。早実GK岸浪卓志(3年・大宮アルディージャJY)が何とか凌いだものの、直後のCKも決定機に。一度は跳ね返されたボールを、野澤克之(3年・FC東京U-15深川)が左から鋭く中へ。ファーで三井田陸(3年・南ヶ丘SC)が打ち下ろしたヘッドは、ここも岸浪が足を伸ばしてブロック。さらに40+1分、大塚が直接狙った約25mのFKはいいコースに飛びましたが、岸浪が三たびファインセーブ。30分以降は修徳に流れが移った格好で前半は終了しました。
後半も勢いは修徳。47分、佐藤悠輝(2年・FC東京U-15深川)が強烈なミドル。詰めた小野寺和也(3年・フッチSC)のシュートは岸浪が鋭い出足でブロックするも、判定は小野寺のオフサイド。55分には早実も西村秀樹(3年・日大三中)の左FKを、投入されたばかりの米澤直也(1年・大宮アルディージャJY)がニアで合わせ、わずかに枠を逸れるシーンを創りましたが、流れを変えるまてには至りません。
58分も修徳。池田の縦パスから、小野寺がうまいトラップで抜け出し、打ち切ったシュートは右ポスト直撃。60分も修徳。またも池田のフィード。落下点に入った小野寺は絶妙のループヘッドでゴールを陥れると、ここもオフサイド。「小さいけれどボールを蹴れるし献身的」と指揮官も評価する池田の高精度パスから、ジワジワと早実を浸食していきます。
苦しい展開が続く早実は65分、カウンターから西村が左に流れてヒール。途中出場の玉置英史(3年・早稲田実業中)が枠へ飛ばすも野口がキャッチ。66分、右から直江がカットインしながら左足で打ったシュートは枠を捉え切れず。続く修徳ペース。
69分、大塚が左から放った高速シュートは岸浪が執念のファインセーブ。78分、完全にディフェンスラインの裏へ抜け出した小野寺のシュートは、しかしゴール左へ。「80分で決めなくてはいけないゲーム」と岩本監督。守護神の奮闘もあって、何とかゼロで乗り切った早実。2試合目に続いて、このゲームも延長へ突入することになりました。
迎えた延長は逆に早実ペース。83分、西村が右サイドをヒールリフトで抜け出し、繰り出したシュートは野口がファインセーブ。87分、谷翔太郎(3年・杉並荻窪中)が思い切って狙ったミドルは枠に収まり、野口が何とかキャッチ。残った力を振り絞ります。
90分に訪れた修徳の決定機。後方からのフィードに走り、フィフティの競り合いを制した小野寺がフィニッシュ。しかしこのシーンもボールは枠の右へ。いわゆる「Not his day」。突き放せません。延長後半も早実が押し気味にゲームを進めながらスコアは動かず、鳴り響いたタイムアップのホイッスル。11メートルの果たし合いに、ベスト8への切符は託されることになりました。
少し雨足が強まる中でスタートしたPK戦。先攻の修徳は大塚が難なく成功。すると、早実1人目のキックを野口は鋭い反応でストップします。修徳2人目の城ケ瀧も沈めると、なんと早実2人目も野口がスーパーセーブ。連続ストップで俄然修徳が優位に立ちます。
3人目は修徳が三井田、早実が曽我とお互いに決めて、迎えた修徳4人目は再三のチャンスを逃していた小野寺。左に蹴ったボールがようやく揺らしたゴールネット。最後は9番を背負ったエースストライカーが幕を引き、修徳が次のラウンドへ勝ち進む結果となりました。
このゲームはお互いのGKが非常に目立ったゲームだったと思います。早実の岸浪は数々のファインセーブもさることながら、100分間途切れなかった"声"が秀逸。トータルで見ても、都内屈指のGKではないでしょうか。一方、修徳の野口も反応は抜群。21分や83分のシュートセーブはレベルが高く、当然2本を止めたPKも見事でした。実は、前述した昨年の選手権で成立と壮絶なPK戦を繰り広げた時のGKは野口ではなく、このゲームはベンチに入っていた高橋太郎(2年・すみだFC)。ハイレベルな守護神を2人擁しているというのは、チームにとっても心強いポイントでしょう。次の関東第一戦も非常に楽しみです。      土屋

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