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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

マッチレビュー 2012年05月06日

J1第10節 名古屋×川崎マッチレビュー

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J1第10節 名古屋グランパス×川崎フロンターレ@豊田スタジアム
解説:三浦淳寛 実況:西岡明彦 インタビュアー:高木聖佳

toyota0506.jpg


【三浦淳寛氏によるマッチレビュー】
Q、ゲームの全体的な印象を教えて下さい。


A、前半と後半でチームの良さが入れ替わった印象です。
前半はフロンターレがボールを持って、
いい攻撃の時間帯が多かったというのと、
攻められてもしっかりブロックを作って
グランパスの縦パスにもちゃんとアプローチして、チェイスして、
そこからカウンターでいい形を何本も創っていました。
それが実際に得点へ繋がっていますよね。
前半は完全にフロンターレのペースだったと思います。
で、逆にグランパスはハーフタイムの時に西岡さんと
「2人替わるんじゃない?」という話をしていて、
案の定、その話をしていたポジションの2人を替えてきたんですけど、
後半は闘莉王を前線に上げて「点を取りにいく」という意識、
「このままじゃホームでヤバいぞ」という意識を
選手がみんな持ったことで、完全に押してましたよね。
逆に風間さんは、たぶんそういう時でも
もっとボールを持って自分たちの時間帯にして、
守備の時間を減らしたかったはずなんですけど、
「グランパス、点を取りに来てるな」っていう意識を
フロンターレの選手が持ち過ぎたような気がします。
だから、フロンターレの選手の気持ちが
「今は勝ってるし、守備をしよう」という側に動いて、
それがそのまま現れたような試合展開だった気がしました。


Q、グランパスのゲームの入り方が良くなかった要因はどこでしょう?


A、ボールを持たせていて、
逆にそれでフロンターレの選手にリズムができましたよね。
グランパスがプレッシャーに来なくて、フリーで持てるから、
「ああ、いける」と思ったんじゃないかなと。
逆にグランパスは行かな過ぎたんじゃないですか。
最終ラインはしっかり守っているものの、
中盤でもう少しディフェンスに行った方が
相手にとっては嫌な試合展開になると思ったんですけど、
そこを行かないから、フロンターレのリズムに必然的になったような感じです。


Q、グランパスのサイドバックが全然前に行けなかった印象です。


A、特に前半はサイドバックというか、中盤と前線もですよね。
ボールを持って攻めている時も、ボールの失い方が凄く悪かったです。
サイドバックは失い方が悪いと、そんなに前へ行けないんですよ。
だから、フィニッシュで終わることを考えた方がいいし、
失い方が悪くて、カウンターも結構食らっていたと思います。
後半は「点を取りに行くぞ。攻めるぞ」という指示もあったと思いますし、
選手交替もあったので、三都主とか高い位置を取りましたよね。
だから、アレを前半の内に、後半くらいまでとは言わないですけど、
もっとああいう割合で攻めた方がフロンターレも嫌だったんじゃないかなと。


Q、グランパスがフロンターレにリズムを創らせてしまった印象ですか?


A、そう思います。
他のチームだとリズムを創らせないようにもっとチェイシングしてきて、
自由にさせないようなやり方で来るんですけど、
グランパスはどちらかというと
「いつでも点は取れるぞ」みたいな形で
相手にゆっくりボールを持たせることも多いので、
フロンターレみたいなパスサッカーにはそこでリズムを創らせて、
かえってやられてしまうというような状況になるような気がします。


Q、後半はグランパスらしさが出たなあという感じですか?


A、本当に高さも生かして、
闘莉王も前で点を取りそうな雰囲気がありましたよね。
あの高さは本当に脅威だし、
闘莉王が前に上がったことで他の選手にスイッチが入ったような気がします。
前半はそのスイッチがまったく入っていなくて
フロンターレの方が好きにゲームを支配していたので、
後半は「このままじゃヤバいぞ」と闘莉王を前に置いたことで、
他の選手に点を取りに行くスイッチが入ったような気がします。


Q、後半はフロンターレが引き過ぎた印象でしょうか?


A、そこのバランスは凄く難しいですね。
リードしているから、守っちゃえば勝てる訳ですよ。
だから、前半と同じような形は難しいと思います。
でも、あまりにも引き過ぎるといずれやられてしまうよと。
選手の中に、もう少しボールを持った時は
前に出て行くという意識があれば、
あそこまで攻め込まれなかったんじゃないかなと思います。
ラインをもう少しプッシュアップすれば、
闘莉王も下がらざるを得ないですよね。
確かにアレだけ高い選手がいたら脅威は脅威ですけど、
闘莉王に好きにやらせないためにも、
もう少しDFラインと中盤のラインアップをしたいなと。
アンカーの稲本だけじゃなくて、他の選手も引いてしまっているので、
その細かいラインの上げ下げをした方がいいと思います。


Q、相手のスカウティングをほとんどしないというフロンターレからすると、
ゲームの中での対応力はもう少し必要ですか?


A、相手のことをあまり考えないというのは、
自分たちのサッカーができて、初めて言えることですよね。
だから、風間さんにすれば「ウチの方がゲームを支配していれば、
相手が上がってこようが関係ない」というのはあると思うんですけど、
それができなくなった時にはああいう状況に陥ると思います。
後半はほとんどグランパスがボールをキープしていましたし、
それを跳ね返すのでいっぱいいっぱいでしたから。
後半はリードしていた訳だし、
相手が取りに来ても自分たちがしっかりボールを回して、
ボールを持っている時間を長くしたいはずなんですよね。


Q、風間監督のやりたいサッカーはどれくらいできていると思いますか?


A、半分くらいじゃないですか。
前半は良かったですけど、
後半は息切れしてしまってできていなかったですから。
ただ、やっていることは凄くいいことだと思いますし、
前半のようなサッカーを1分でも長くやっていくことが課題ですよね。
風間さんは「修正とかはしない」と話していましたが、
自分たちの"やっているもの"を長くしていくことが、
逆に修正に繋がると思うんですよね。


Q、少し白星から遠ざかっているグランパスが
勝利を手にするには何が一番のポイントですか?


A、チーム全体の連動するような動きを
もう少し試合の中でやった方がいいような気がします
永井と金崎と玉田が絡んだ時は動き出しも速いですし、
判断も速いから、ボールがスムーズに回ると思います。
そういうシーンを増やしていけば、
決定力のある選手はいるし、高さも個の能力もありますから、
より結果は付いて来そうな気がします。


再放送スケジュールは
5月6日(日)25:30~27:45 J SPORTS1
5月8日(火)11:45~14:00 J SPORTS1

となっています。
是非このマッチレビューと共に再放送もお楽しみ下さい!


土屋

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