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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年04月22日

関東高校大会東京都予選準々決勝 東海大菅生×帝京@駒沢補助

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komazawahojyo0422.jpg今日は駒沢に行けば、6試合の中から2試合ないし3試合をチョイスできる"駒沢フェスタ"。最初に足を向けたのは駒沢補助。関東高校大会の東京予選準々決勝が行われます。
昨年の選手権では準決勝で早稲田実業に0-1で競り負けたものの、西が丘進出を果たした東海大菅生。当時のレギュラーには新3年生も少なくなく、一層の飛躍を期す1年になります。対するは、2回戦で昨年は夏冬共に東京王者となった東久留米総合を下して勝ち上がってきた帝京。昨年はT1でも関東第一に優勝をさらわれ、選手権でも西が丘の舞台を前にして伏兵の都立東大和に完敗。名門復活を懸け、今年から荒谷守氏が監督に就任しています。
さて、キックオフ直後からまず勢いを持ってゲームに入ったのは菅生。5分、右サイドでルーズボールを収めた鈴木悠生(3年・FC VIDA)がファーストシュートを枠内へ。7分、高い位置でボールを奪った山崎晧大(3年・小平第三中)が独走。GKとの1対1はループが浮き切らず、帝京のゴールマウスを守る細田龍太(3年・浦和レッズJY)にキャッチされましたが、2つの好機を創ります。
11分には帝京に初めてのシュートシーン。右から山中洸貴(3年・横河武蔵野JY)が上げたクロスに、大野耀平(3年・浦和レッズJY)がダイビングヘッドを敢行するも枠の上へ外れると、13分には再び菅生。橋本遼平(3年・FC BRANCO八王子JY)のミドルはわずかに枠の右へ。帝京を攻め立てます。
この菅生ペースの要因は、「個人の差は歴然なので、どうにかハードワークして、走って、穴を作らないようにしようと」 (東海大菅生・手塚弘利監督)いう共通理解に基づいたボールと人への速いアプローチ。とりわけ、私市一樹(3年・東海大菅生中)と諸星匠(3年・FC GRORIA)で組んだドイスボランチは抜群の反応でことごとくセカンドを回収。加えて「もう少し潰しに来るかと思ったが、前半は随分フリーでボールをもらえていた」と手塚監督も話したように、比較的自由にスペースを泳いだ私市が"受けて捌いて"を繰り返しながら、時折鋭い勝負パスを見せるなど、中盤で躍動。これには帝京もたまらず、15分過ぎに右SBの藤田将(3年・グランデFC)とボランチの林洸太朗(3年・FC渋谷)を入れ替える処置を施しています。
そんな中、帝京が20分に大野のダイビングヘッド、21分にも伊藤遼(3年・岐阜VAMOS)の1対1と、個の力で2度創出した決定機を逃すと、26分の歓喜は菅生。右から私市が蹴り入れたCKを、綺麗なボレーで叩き込んだのは「シュート精度が高いんです」と指揮官も認める諸星。ドイスボランチコンビで完結させたセットプレーでの先制弾。菅生が1点のアドバンテージを得ました。
追い掛ける展開となった帝京は、早くも33分に1人目の交替カードとして深井翔太(3年・FRIENDLY)を切りましたが、リズムを引き寄せるまでには至りません。39分には大野、吉良光稀(3年・帝京FC)と繋ぎ、伊藤が狙ったシュートは菅生GK小林直矢(3年・東京久留米FC U-15)がしっかりキャッチ。同じく39分には深井がラインの裏へ抜け出し掛けるも、戻った諸星がボールカット。40分、伊藤が巻いて右隅を狙ったシュートも枠外へ。1-0は変わらず、菅生のリードで前半は終了しました。
迎えた後半はスタートから帝京が2枚替え。右SHに柳下大樹(2年・浦和レッズJY)を、ボランチに桶谷亮太(2年・帝京FC)を送り込み、中盤の再編成に着手します。すると、開始13秒で伊藤が放ったミドルを号砲に帝京が猛ラッシュ。42分、林の右クロスへ大野が頭から飛び込むも、ボールは枠の右へ。45分、菅生ゴールキックのクリアボールが一転してカウンターに。大野と小林の1対1は、小林がビッグセーブ。46分、桶谷のスルーパスに抜け出した柳下のシュートは、わずかにゴール左へ。息を付けない菅生。
そして、決壊の時は48分。知念将太(3年・住の江キッズ)のロングスローから、伊藤がエリア内で倒されると、主審はPKを指示。知念のキックはゴール右上ギリギリに突き刺さり、スコアは振り出しに戻されました。
前半はある程度繋ぐ場面もあった菅生は、どうしても受け続ける圧力の影響でクリアに近いロングボールが増加。「蹴り合いになってしまった」(手塚監督)ことで、私市のボールタッチも激減し、守る時間が長くなっていきます。55分には伊藤のCKを、混戦から帝京が押し込むも、CBの宮地建樹(3年・FC渋谷)がライン上でスーパークリア。61分にはまたも知念のロングスローから、最後は深井が惜しいシュート。押し込まれる菅生。
ところが、次のゴールが記録されたのは劣勢のタイガー軍団。67分、右サイドを縦に鋭く仕掛けた橋本が突破。中への折り返しを諸星は確実にゴール左スミへ流し込みます。「チーム事情でボランチをやっているが、本当は1列前で使いたい選手」と手塚監督も評した諸星の2点目。またもスコアの秤は菅生の側に傾きました。
リードを許した帝京。とはいえ、基本の戦い方は後半開始時から変わらず。相手陣内の深い位置へ早めにボールを送り、ロングスローを含めたセットプレーを獲得したら、160センチのGK小林が待つゴール前へハイボールを送り込むことが第一目標。このやり方を徹底します。
その結実は71分。ここも左サイドから知念が入れたロングスロー。こぼれを大野がボレーで狙うと、小林もよく触りましたが、ボールはポストの内側を叩いて、ゴールへ転がり込みます。2-2。同点。76分、大野の左スミギリギリを狙った強烈なミドルを、超人的な反応で小林が弾き出し、生まれたCK。深井が蹴ったボールを知念が頭で合わせると、またも小林が抜群の反応でストップしましたが、こぼれ球を大野がプッシュ。両チーム合わせて3ゴールと激しく動いた10分間の攻防で、スコアは引っ繰り返りました。
諦めない菅生。終了間際の82分に絶好の同点機。後方からのフィードを山崎が収めると、左サイドからカットインしながらシュートチャレンジ。細田が弾いたボールはゴール方向へ転がりましたが、その行く先は惜しくも左のポスト。終わってみれば、3つのセットプレーをゴールに結び付けた帝京が、シーソーゲームを制して準決勝へ駒を進める結果となりました。
最後は「ウチのサイズを見れば一番的確な」(手塚監督)力技に屈した格好の菅生でしたが、「反応の速さと的確な指示でゲームを創れる」(同)GKの小林は印象に残りました。また、後半はボールの行き交う展開にやや埋没してしまった感はありますが、私市は東京高校界では屈指のプレーメーカーではないでしょうか。あとはチーム全体でゲームの流れをある程度コントロールする力が付いてくれば、今年の東京に旋風を巻き起こしてくれそうな魅力的なチームに私の目には映りました。      土屋

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