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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2012年04月08日

J2第7節 東京V×徳島@味スタ

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ajista 0408.jpg前節の"東京クラシック"は前半の内容に川勝良一監督のカミナリが落ちた影響もあってか、後半に新加入の杉本健勇が決勝ゴールを挙げて、2連勝の4戦負けなしと2位に浮上した東京V。チームとして貫くスタイルにブレはなく、苦手の開幕ダッシュにも成功するなど、好調をキープしています。
対するは開幕2連勝と最高の滑り出しから一転、4試合勝ちなしの連敗中と苦境に立たされている徳島。前節の岡山戦は、先制しながら後半に逆転を許した上、2人の退場者まで出してしまうなど、後味の悪い敗戦に。まだ序盤戦とはいえ、そろそろしっかり勝ち点を上積みしたい所です。会場はまだまだ寒さの残る味スタ。徳島のキックオフで時計の針は動き出しました。
ゲームはいきなりアクシデントからスタート。開始早々に東京V不動のCB土屋征夫と、徳島の斉藤大介がバッティング。両者とも包帯を巻いてピッチへ戻りましたが、特に土屋はかなり治療に時間が掛かってしまいます。
この一連もあってか、少し展開がフワッとした形になる中で、先に続けてチャンスを掴んだのは東京V。9分、小林祐希の右CKは徳島GK榎本達也にパンチングで防がれましたが、その流れから右サイドに開いた高橋祥平が中へ入れると、飯尾一慶は右に流れてクロスを上げるも、ボールはクロスバーの上へ。13分、強いプレスから高い位置でボールを奪った西紀寛が、そのまま左足で狙ったミドルは榎本がキャッチ。2つの好機を生み出します。一方の徳島も14分に右SBの花井聖がフィードを入れると、ジオゴが収め、徳重隆明を経由して最後は津田知宏が放ったシュートは大きく枠外へ外れましたが、ファーストシュートを繰り出しました。
ところが、前述の負傷の影響から16分で土屋が中谷勇介との交替を余儀なくされると、ここから両チーム共に25分以上もまったくシュートシーンを創り出すことができません。これに関しては「慎重過ぎてボールを奪った後の運びが停滞した」と川勝監督が話せば、「無理して繋ごうという意識でミスが増えた」と小林祐希。徳島がある程度「前狙いでロングボール中心」(川勝監督)のスタイルを採った相対関係から、ボールは東京Vが回す展開になりましたが、そこに阿部拓馬と杉本健勇で組んだ2トップが有機的に絡めず、攻撃の迫力を出せません。
また、徳島も「衛藤(裕)がギャップでボールを受けられていたので、左サイドはうまく創れていた」(小林伸二監督)ものの、そこからこちらもジオゴと津田の2トップにうまくボールを付け切れず、結局アバウトなロングボールが増えてしまいます。それには「バウルさんが抜けたからダメだとは絶対に言われたくなかった」と話した、土屋の交替後に左SBからCBへスライドした高橋と、パートナーの深津康太がしっかり対処。攻撃の基点を潰し続けます。
かなりゲームが膠着する中、久々に訪れたシュートシーンはいきなりの決定機。43分、右サイドから花井が入れたクロスはファーへ。衛藤のシュートはDFがブロックしたものの、こぼれは西嶋弘之の目の前へ。「ダイレクトでガチコンいってやろうと」巻いて狙ったミドルはいい軌道を描きましたが、ボールが選んだのはクロスバー。徳島は絶好の先制機を生かせません。
45+1分にも衛藤がウラヘ入れたボールを、津田がダイレクトで当てた左足ボレーは枠の右へ。全体としては「主導権を握れない時間帯に失点しないというのは良くやってくれている」と指揮官も一定の評価を与えたように、前半はなかなかリズムの出ない東京Vが45分間をうまくやり過ごした印象のスコアレスで終了しました。
ハーフタイムを挟むと、流れは「セカンドも拾えていたし、反応の一歩二歩が速かった」(西嶋)徳島に。55分には衛藤が左へ振ると、流れた津田がクロス。飛び込んだ衛藤はまったくのフリー。先制かと思われた瞬間、衛藤の目前でボールに触り、チャンスを阻んだのはなんとジオゴ。悔しがる衛藤に、頭を抱える小林監督。ゴールを奪えません。
続く57分にも徳島にチャンス。西嶋の高速アーリーを津田は胸で確実に落とすと、そこにいたのはジオゴ。シュートも打てるタイミングに見えましたが、もう一度持ち出すと、コントロールを失って最後はオフェンスファウル。2度に渡って決定機が潰れてしまいます。
すると、61分に飛び出したファインゴールはホームチーム。西のパスを受けた小林は絶妙の間合いで縦へ。走り込んだ西は最高のダイレクトパス。うまくトラップした杉本健勇が素早く右足を振り抜くと、ボールは右スミに突き刺さります。「高い位置に顔を出すのは自分の課題としていた所」と話す19歳のキャプテンを起点に、ベテランの技と若武者の思い切りが融合。東京Vが1点のアドバンテージを奪いました。
さて、「一瞬の隙をやられてしまった」(小林監督)徳島。失点前後には比較的ボールを収めていたジオゴもキープ力が低下し、エリア付近に迫るシーンが減少していきます。70分には徳重と宮崎光平、72分にはジオゴとドウグラスをそれぞれ入れ替え、勝負に出る姿勢を見せますが、ドウグラスはもう1つ持ち堪えればチャンスという場面での転倒が目立ち、正直物足りないパフォーマンス。交替カードとしての役割を果たし切れません。
対照的に飯尾との交替で74分から投入された小池純輝も右サイドで躍動した東京Vが、トドメの一刺しを打ち込んだのは88分。左サイドで阿部が粘って中へ折り返すと、ここへ飛び込んだのは小池。ホームの緑がゲームを決定付ける2点目を奪い、迎えたタイムアップ。「決定機を多く創れない時でもゴールを奪えたのは、ポジティブな捉え方ができる」と川勝監督も話した東京Vが粘り強さを発揮して、着実に勝ち点3を積み上げる結果となりました。
「内容的にはどちらに転んでもおかしくない試合」と西嶋が言及した通りのゲームだったと思います。実際にシュート数は徳島の方が3本多く、決定機の数も互角でした。ただ、「点が取れない時に、焦れずにキッチリ守備をやることが大事」と小林監督が話したように、いい流れの中で相手が見せた一瞬のテンポアップに付いていけなかったのが今日の徳島。逆に土屋の負傷交替にも「ロングボールで基点を創らせないようにとか、よくセカンドを拾えるポジションを取ってくれたりとか、(土屋の)抜けた穴はよくやってくれたと思います」と川勝監督も評価したように、集中力を切らさなかったのが今日の東京V。勝敗を分けたのは守備面におけるディテールの差だったように感じました。      土屋

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