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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2012年04月04日

ACLグループマッチ第3戦 柏×広州恒大@日立台

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kashiwa ACL0404.jpg日立台のアジアデビューゲームとなった前節の全北現代戦に5-1と快勝し、2試合消化時点ながらグループ2位に浮上した柏。ホームでは熱い"柏バカ一代"たちのサポートを後ろ盾にして、勝ち点3を確実に奪取したい所です。
今日の対戦相手は柏と1勝1敗で並んでいるものの、得失点差で3位となっている中国王者の広州恒大。明らかに応援慣れしていないとはいえ、アウェイのゴール裏をジャックした赤い集団の数は、Jリーグでも多い時のアウェイサポータークラス。まだ3試合目とはいえ、お互いにグループ突破を考えれば負けたくない一戦は、平日ナイターにもかかわらず、8780人を集めた日立台です。
まず、先にチャンスを創ったのは広州。2分、注目のダリオ・コンカが中央にスルーパス。受けたクレオは打ち切れなかったものの、ガオ・リンを経由して、最後はムリキが放ったシュートはゴール左へ。6分も広州。スン・シアンが左へ流し、コンカがクロス。こぼれをスン・シアンが狙ったボレーはバーの上へ。7分も広州。左からコンカが蹴ったFKにクレオが合わせるも、DFが何とかブロック。立ち上がりから広州が攻め込みます。
一方の柏は、「セカンドボールが拾えずに押し込まれた」とネルシーニョ監督も振り返るなど、ボールアプローチのスピードで後手を踏む場面も少なくなく、「相手も自分たちのクリアする所を狙っている感じ」と移籍後初出場がいきなりスタメン起用となった左SBの福井諒司も話すなど、クリアを拾われては二次攻撃をモロに食らうシーンが多発。ようやく11分にワグネルのCKから、最後は福井が強引に狙ったミドルがチーム初シュート。守備に追われ、攻撃の手数を繰り出せません。
17分には広州に決定機。エリア内で増嶋竜也のクリアが小さく、コンカが至近距離からボレー。何とかDF数人が体を投げ出してブロックしましたが、柏は流れも引き寄せ切れず。24分には福井のサイドチェンジをレアンドロ・ドミンゲスが頭で触り、DFとの1対1を制した酒井宏樹が右からクロス。田中順也が頭で落とすと、ジョルジ・ワグネルが右足で狙ったボレーは枠の右へ。このゲーム一番のいい崩しも、広州ゴールを脅かすまでには至りませんでした。
30分にはコンカがゴールまで約30mの距離から無回転で狙ったFKを菅野孝憲がパンチングで弾き出すと、この辺りから柏は最終ラインや中盤でボールが落ち着き始め、少しずつポゼッションも高まっていきます。これについて、ボランチに入っていた栗澤僚一は「11番(ムリキ)と15番(コンカ)へ奪いに行く所で、マークをハッキリさせた所からウチに流れを持ってこられた」と守備面について言及。確かにコンカやムリキが自由に泳ぐシーンは少なくなり、実際30分以降で広州には1本のシュートも記録されていません。
ただ、柏も24分にワグネルが打ったのが前半最後のシュート。「相手のCBがたぶん本職じゃなかったんで、裏を突いていけたらというのはあった」とは栗澤ですが、工藤壮人も田中もオフサイドに掛かるシーンが多く、2トップと周囲の連携もうまくハマらず。前半はスコアレスで終了しました。
後半は柏に勢い。46分にレアンドロがタイミングを図って出したスルーパスは、しかし工藤がまたもオフサイド。51分、福井がグラウンダーで入れたクサビを、工藤は田中と入れ替わりながらフィニッシュまで持ち込みましたが、広州DFがブロック。同じく51分、酒井の右クロスをワグネルが拾い、福井の狙ったミドルは味方に当たってオフサイドの判定。チャンスは創出します。
アウェイで苦しい時間帯を強いられた広州も59分に反撃。チャオ・シュリー、コンカと繋いで、チョ・ウォンヒが右クロス。空いたファーでガオ・リンの放ったシュートは、近藤直也が執念でブロック。61分、中央をムリキがイージーに抜け出しましたが、シュートはここも近藤がブロック。スコアは動かず。
すると、「前半よりもスペースができて、セカンドボールも拾えるようになった」(大谷秀和)状況下でネルシーニョ監督が決断。66分、田中を下げて、「前を向いてパスを出すことができるので、リンクマンとして働いてもらうことを期待して」(ネルシーニョ監督)茨田陽生を1トップ下へ投入します。
さらに、73分には工藤とリカルド・ロボもスイッチ。1点を奪いに行く柏。この交替で「タニくん(大谷)やバラ(茨田)と、"2人"じゃなく"3人"でサイドを崩すことができた」と福井が話したように、茨田がうまくボールをスペースで受けることで、右に偏りがちだった攻撃に、左も追随する形で活性化。「バスを回す判断も速くなった」(福井)こともあり、再びチャンスの芽が。
77分にはチョ・ウォンヒの右クロスをクレオが合わせ、DFに当たって枠の左へ逸れるシーンを創られましたが、78分には一転して好機到来。ワグネルが右へ展開すると、酒井はニアへ高速クロス。飛び込んだロボのヘディングはゴール左へ。81分、大谷のパスから福井はシュート気味のクロス。ボールはDFの手に当たったように見えましたが、ホイッスルは鳴らず、こぼれをワグネルはクロス気味にシュート。ファーで詰めたロボは一歩及ばず。惜しいシーンは迎えるものの、1点がなかなか入りません。
87分にも柏にチャンス。福井の果敢なシュートチャレンジで獲得したCK。ワグネルの蹴ったボールがこぼれた先にはレアンドロ。しかし、右足から放たれたボールはクロスバーの遥か上へ。両者譲らず。「私の捉え方では両チームが勝ち点2を落としたのではなく、勝ち点1を取り合った」とネルシーニョ監督。ゲームはスコアレスドローという結果で終了しました。
「非常に拮抗して競い合ったゲーム」とネルシーニョ監督が振り返ったように、なかなか動きの少ない堅い90分間になった印象です。柏で1つ気になったのは、やはり2トップと周囲の連携。スタートからピッチに立った田中と工藤は共にシュートゼロ。「FW2人の関係だけじゃなく、相手の4バックのスペースをいかに突いて崩していくかを考えなくては」と栗澤は話しましたが、今日に限らず、特にチームの生命線とも言うべきレアンドロから、FWを活かすようなパスがなかなか見られないのは懸念材料です。
ただ、結果に関しては相手を考えても「決して悪い勝ち点1ではない」(大谷)のも確か。この勝ち点1の意味は、2週間後に広州で行われるリターンマッチで問われることになります。     土屋

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