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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2012年03月25日

J2第5節 千葉×徳島@フクアリ

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jef0325.jpg2勝1分け1敗、勝ち点7、5得点2失点。4節終了時でまったく同じ数字を記録し、7位につける千葉と徳島の対峙。昇格候補同士の直接対決です。
木山隆之監督を新指揮官に迎え、"奪還×脱甘"をスローガンに4年ぶりのJ1復帰を狙う千葉。注目の新戦力である山口智、兵働昭弘、藤田祥史らが早々にフィット。こちらも昇格の有力候補と目されている京都には敗れたものの、悪くない開幕スタートを切っています。
一方、昨シーズンの4位という成績を受け、大分と山形をJ1昇格へ導いた小林伸二監督を招聘。明確かつ唯一の目標を掲げる徳島は、開幕連勝を飾るも、栃木に惜敗。とはいえ、戦力も大幅に変わったことを考えれば、勝ち点7は決して悪くない数字。お互いにこの5試合目で勝ち点を二桁に乗せたい一戦は、徳島のキックオフで幕が上がりました。
まず、先にチャンスを創ったのは「入りは悪くなかったと思う」と小林監督も振り返った徳島。2分、鈴木達也の左CKをファーでジオゴが拾い、花井聖、那須川将大と繋いで、鈴木の放ったミドルはバーの上へ。8分、自らの仕掛けで獲得したCKを、鈴木はゾーンで守る千葉が付き切れないマイナスに蹴り入れ、那須川のヘディングは千葉ディフェンスの人垣に防がれましたが、セットプレーに可能性を感じさせます。
対する千葉は「DFラインとボランチを含めて、まずボールを持つ」(木山監督)ことで、攻撃のリズムを創りにかかりますが、確かにボールこそ回ったものの、決定的なシーンまでは繋げられません。ただ、効果的だったのは高い位置からのプレス。これには小林監督も「CBの2枚とボランチは思った以上にプレッシャーを感じたかな」と話し、そのCBの福元洋平も「相手のプレッシャーを掛けるタイミングに勢いがあって、かわし切れなかった」と認めたように、徳島はなかなか後ろからボールを回せず、攻撃の手数が増えていきません。
すると16分、「千葉は前からプレスに来るので、バイタルが空くのは意識していた」という福元が縦へクサビを入れると、ここを狙っていた千葉はボールカット。拾った兵働が左へ流すと、深井正樹は独走。エリアに差し掛かった辺りで左足を振り抜くと、徳島GK榎本達也もよく触りましたが、ボールはゴール右スミを捕獲。徳島からすれば、「ちょっともったいない失点」(小林監督)でしたが、そこを巧みに突いた千葉の先制弾。ホームチームがリードを奪いました。
以降も千葉は「相手に蹴らせてセカンドボールを拾っていこう」(木山監督)という狙いを、ハイプレスとセカンドへの速い反応で体現。1点のアドバンテージもあって、ボールをしっかり回しながら主導権を握ります。24分には山口智の高精度フィードを右サイドで受けた大岩一貴が繋ぎ、今日がデビュー戦となるレジナルドがクロス。25分にもやはり右サイドから積極的に駆け上がった大岩がクロス。どちらも藤田はシュートまで持ち込めなかったものの、サイドからのいい形を創出すると、追加点は31分。伊藤大介が左から蹴ったCKを、中央で合わせたのは大岩。ボールは緩やかな軌道を描くと、カバーに入ったDFの頭上をフワリと破り、ゴールへ吸い込まれます。「合わせたら入ってました」と笑うルーキーのJリーグ初ゴール。点差が広がりました。
早くも2点のビハインドを負った徳島も「2失点してからボールを持てる時間があった」と福元も話したように、35分過ぎから反撃。鈴木を中心にサイドアタックもハマり出し、CKを続けて獲得。40分には高い位置でボールを奪った津田知宏がドリブルで運び、シュートはDFに当たったものの久々にフィニッシュを取ると、45+1分にも細かいパスワークから宮崎光平がシュートまで。「2点目以降は少しリズムを相手に渡すことになった」と木山監督も認めたように、やや徳島が押し返す格好でハーフタイムを迎えました。
後半に入り、先にシュートを放ったのは千葉。47分、福元のパスミスを拾った深井が左から中へ切れ込み、思い切り良く打ち切ったシュートは枠の左へ。55分も千葉。兵働の絶妙スルーパスに反応したのはレジナルド。ここはタイミング良く飛び出した榎本が間一髪でクリアしましたが、再び勢いは千葉へ。
この状況で、前半よりはボールも動くようになってきたチームを見て、小林監督が施したのは守備陣の修正。58分、福元との連携にスムーズさを欠いたエリゼウを下げて、「コンディションが上がってきた」大久保裕樹をそのままCBへ投入します。
62分には藤田が左へ展開し、武田英二郎のクロスをファーでレジナルドがシュート。枠の左へ逸れ、千葉がチャンスを逃すと、以降はかなり膠着状態に。徳島は68分に宮崎と衛藤裕をスイッチ。一方の千葉も69分に前線で体を張っていた藤田に替えて、オーロイをピッチへ。73分にも「初めての試合の割にはよくやってくれたかな」と指揮官も及第点を与えたレジナルドを下げて、田中佑昌を送り込みます。
79分は千葉。伊藤が左へ振り分け、兵働が上げたクロスにファーへ飛び込んだ田中のヘディングは枠の右へ。84分は徳島。後方からのフィードをジオゴが頭ですらすと、拾った鈴木のミドルは枠の右へ。お互いに単発ながら繰り出す手数。
そして、ゲームを決めるゴールが生まれたのは85分。右サイドで伊藤からボールを受けた大岩はまったくのフリー。「前節はちょっと尻すぼみのようなプレーが多かったので、『しっかり前に行くことでプレーの質も上がってくるし、君自身の可能性も広がるんだから、行ける時はしっかり行け』と言った」という木山監督の言葉を受けて、「今日は思い切りやろうと思っていた」という大岩は躊躇なくミドルにチャレンジすると、ボールはゴール左上へ一直線に突き刺さります。ロンドンへの期待も高まる22歳が、2ゴールと躍動。「ゲームに入る戦略も非常に良かったし、それを実行した選手たちも素晴らしかった」と木山監督も評価した千葉が徳島を一蹴する結果となりました。
千葉は早い時間に先制、前半の内に追加点、終了間際にダメ押しと、いわゆるサッカーの理想的な展開で快勝。「立ち上がりにしっかりボールを握って、相手に『もう今日はボールを取れないぞ』というスタンスを抱かせたことが、勝利に大きく近付いたかなと思う」とは木山監督。負傷欠場した佐藤勇人の不在を感じさせない、見事なチーム全体での構成力は圧巻。"千葉強し"を強烈に印象付ける90分間だったのではないでしょうか。
徳島は「ジェフに対して全体的に受けてしまっている感じがしたので、それが残念」とキャプテンの鈴木が話したように、1失点目の前後から受けに回ったような流れの中で2点目を奪われてしまい、勝利は難しくなった印象です。また、「相手が早く寄せてくるのは想定通り」(鈴木)とのことでしたが、「ちょっとした丁寧さが欠けたり、判断のミスがあった」(同)ために、攻撃の連動性がほとんど出てこない展開を強いられてしまいました。とはいえ、まだ開幕から5試合を消化した段階。「こういうゲームを経て、どう成長していけるかが長いシーズンで大事になる」と鈴木。今後チームがどう変わっていくか、小林監督の手腕も含めて注目していきたいと思います。        土屋

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