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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
FUJI XEROX SUPER CUP 2012 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜×日本高校サッカー選抜@国立
mas o menos今回で3回目を迎えるNEXT GENERATION MATCH。U-18Jリーグ選抜と日本高校サッカー選抜、すなわちクラブユースと高体連のトップレベルに位置する選手たちが激突する舞台は、FUJI XEROX SUPER CUPの前座とはいえ、サッカーの聖地。「プレーできる選手も限られている、凄いスタジアム」と高校選抜の鈴木武蔵(3年・桐生第一)も話した国立競技場です。
「U-17の代表を中心に攻撃的な選手がほとんど」と高田哲也監督が言及したJ選抜は、高校1年と2年からの選出ですが、ざっとスタメンを見ただけでも世代屈指のメンバー構成。一方の高校選抜は「3年生が中心で練習量が不足している」(山下監督)中での一戦ということもあってか、ゲームはスタートからJ選抜が攻勢に。1分も経たない内にいきなり南野拓実(2年・C大阪U-18)が枠内シュートで高校選抜のGK積田景介(3年・市立船橋)を急襲。3分にも左サイドから野津田岳人(2年・広島ユース)が上げたクロスに、北川柊斗(1年・名古屋U18)がダイビングヘッド。ボールはわずかに枠の左へ外れましたが、早速2トップが共に惜しいシュートを繰り出します。
高校選抜も4分には「左膝は治ったけど、昨日の練習で右足を傷めた」という鈴木が、そんな状況を感じさせないドリブルから2度の切り返しを交えてフィニッシュ。ここは鈴木にとってU-17ワールドカップに出場した日本代表のチームメイトでもある、J選抜のGK中村航輔(2年・柏U-18)が確実にセーブすると、以降は「相手にポゼッションされてしまった」と高校選抜のキャプテンを務めた國吉祐介(3年・四日市中央工業)も話したように、J選抜がペースを奪取。即席チームにもかかわらず、きっちりパスを繋ぎながらチャンスを窺います。
そんな中で目立っていたのは、トップチームでの開幕スタメンも噂される野津田。14分に中川寛斗(2年・柏U-18)と川口尚紀(2年・新潟ユース)の右サイドコンビが崩した流れからミドルを放つと、23分にはまたもミドルにチャレンジ。24分には北川とのワンツーから左サイドを崩すと、積田にファインセーブを強いるシュートまで。ボール回しの中心としての役割のみならず、積極的に前線へ飛び出しシュートシーンにも関与。さすが高円宮杯チャンピオンシップのMVPという存在感を発揮していたと思います。
35+1分には再びJ選抜にビッグチャンス。左サイドでパスを受けた森勇人(1年・名古屋U18)が、狙いすまして右隅へシュート。積田が驚異的な反応で触り、ボールは右ポストを直撃しましたが、8対2というシュート数の比較を見るまでもなく、J選抜優勢で最初の35分間は終了しました。
J選抜が3人、「まだ選手の選考が終わっていない」(山下監督)高校選抜が7人を入れ替えてスタートした後半は、まず38分に高校選手権得点王の浅野拓磨(2年・四日市中央工業)が枠へ収めたシュートで幕開け。さらに浅野同様、後半から投入された和泉竜司(3年・市立船橋)や菊池将太(3年・浦和東)がボールをうまく引き出しながら、前に運ぶことを最優先にプレーして、攻撃にリズムを生み出します。
ところが、少し盛り返されたJ選抜は45分に逆襲。中島翔哉(2年・東京Vユース)が左へ最高のスルーパス。受けた南野のシュートはかろうじてDFが触ってCKになりますが、そのCKを野津田が右から蹴り入れると、GKの前に飛び込んだ岩波拓也(2年・神戸U-18)が完璧なヘディングをゴールネットへ突き刺します。「点が欲しい時間」(岩波)での先制ゴール。J選抜がリードを奪いました。
さて、ビハインドを追い掛ける展開となった高校選抜も反撃。46分には和泉が中央をドリブルしながら、右足アウトでループ気味に放ったミドルは枠の右へ。48分にサイドチェンジを受けた寺尾俊祐(3年・四日市中央工業)が右サイドから打ち切ったシュートは、DFがブロックしてわずかにバーの上へ。そのCKを國吉が入れると、菊池が頭で合わせましたが、中村がファインセーブで何とか回避。高校選抜の時間が続きます。
しかし、「前半はゴール前の所でちょっと時間がかかっていたので、後半はどんどん行こう」(高田監督)という指示を受けたJ選抜のシンプルなアタックが52分に結実。中島の短いパスを南野は素早く左へ。石毛秀樹(2年・清水ユース)は寄せたマーカーを軽くいなすと、ニアサイドにズドン。リードは2点に広がりました。
こうなると、やはり学年は下とはいえ、基本技術の高いJ選抜が確実にゲームをコントロール。53分には高校選抜も右サイドを佐保昂兵衛(3年・大分)が切り裂き、中へ折り返すも浅野のヘディングは当たらず、以降はチャンスらしいチャンスを創れません。逆に65分にはJ選抜がトドメの一撃。石毛が野津田とのパス交換を経て左へ展開すると、中島は切れ味鋭くマーカーを振り切り、豪快にゴール。「Jリーグのアカデミーでやっている以上、しっかり勝たなければいけない」と岩波も言い切ったJ選抜が、3-0で見事な勝利を収める結果となりました。
高校選抜にとっては「試合内容は完敗」と國吉が振り返ったように、厳しいゲームになってしまいました。ただ、「惜しいシーンも結構あった」という鈴木の言葉には頷ける部分も。「まだまだ潜在能力は高いと思っていますので、ヨーロッパに期待して頂ければ」と山下監督。ベリンツォーナ国際ユースでの活躍に期待したいと思います。
J選抜は「日本代表だなと思った」と敵将も言及したように、かなりのタレント集団。野津田や岩波、中島、石毛、川口らはおそらく今シーズン中のトップチームデビューも可能性は十分。ハーフナー・ニッキが所属する名古屋も確かに選手層は厚いものの、試合数が多いことを考えると、トップデビューもあるかもしれません。今日のメンバーは間違いなく今後の日本を背負っていくような逸材揃いなので、是非彼らの動向に注目したいですね。 土屋
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