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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。
一昨日からの連載企画となる"欧州各国弐部事情"。
今日は【スペイン・リーガアデランテ】です。
レギュレーションはセリエB、チャンピオンシップとまったく一緒。
1位と2位が自動昇格で、
3位から6位までは昇格プレーオフに進出。
まずは3位と6位、4位と5位が対戦し、
勝ったチーム同士のさらに勝者のみが昇格できるという流れです。
現在、21節まで消化。
首位は42ptsのデポルティーボ。
2位は39ptsのバジャドリー。
3位は同じ勝ち点でエルクレス。
4位のエルチェと5位のセルタが37ptsで続き、
6位が36ptsのアルメリアとなっています。
強者の落陽。最終節でサラゴサに追い抜かれ、
まさかの降格という憂き目に遭ったデポルティーボ。
21シーズンぶりとなるセグンダでも圧倒的な力を発揮するかと思いきや、
ようやく今月になって首位を奪取するなど、意外に苦しんでいます。
ただ、現在8ゴールでチームトップスコアラーのアンドレス・グアルダード、
守護神のダニエル・アランスビア、FWのラサド・ヌイディ、
そして"スーペル・デポル"の生き残り、
ファン・カルロス・バレロンと、マヌエル・パブロはいまだ健在。
特にバレロンはここまで全21試合中20試合に出場して、チームを牽引。
ラ・コルーニャは個人的に初めて行ったヨーロッパなので、
1年でプリメーラに戻ってきて欲しいなあと思います。
2位は2シーズン目のセグンダとなるバジャドリー。
負け数は2とリーグ最少ですが、引き分けが9とこちらはリーグ最多。
勝ち切れなさが少し気になる所です。
監督はデポルやバレンシアでプレーしていた元セルビア代表のミロスラフ・ジュキッチ。
元バルサでスペインU-19代表ではピケとCBを組んでいたマルク・バリエンテ、
元レアル・マドリーのスペインU-19代表で前述の2人とヨーロッパを制したアルベルト・ブエノと
再起を期したい選手も揃っています。
あとは接戦をモノにできるかどうかが、昇格の鍵を握ってきそうですね。
3位は降格組のエルクレス。
プリメーラ挑戦に伴い大型補強した
ダヴィド・トレゼゲやネルソン・バルデス、
ロイストン・ドレンテたちはいなくなってしまったものの、
あまり試合には出ていませんが、トテやフランシスコ・ルフェテは残留。
10月には6連勝を飾り、その内の5試合が1-0と勝負強さを発揮しています。
ただ、ここ10試合は3勝2分け5敗とやや低迷。
果たして1年でのプリメーラ復帰はあるのでしょうか?
4位は1988-89シーズン以来、23シーズンぶりのプリメーラを目指すエルチェ。
ここ2シーズンは6位、4位と着実にステップアップ。
昨シーズンはグラナダに敗れ、あと一歩で昇格を逃しましたが、
気は熟している感があります。
昨シーズンも16ゴールを記録しているストライカーのアンヘルは、
今シーズンもここまで9ゴールと結果を出しています。
ちなみにエルチェはバレンシア州のアリカンテ県。
つまり、エルクレスとはアリカンテダービーということになりますね。
エルクレスホームでは1-2でアウェイのエルチェが勝利。
2度目の対戦はラスト7節に組まれています。
このゲームが昇格争い直接対決になっていたら面白いですね~
エルチェとは同じ勝ち点で5位に付けているセルタ。
90年代後半から00年代前半までは
アレクサンドル・モストヴォイやヴァレリー・カルピン、
グスタボ・ロペス、フアンフラン、シウヴィーニョなど、
スター選手を揃えてUCLなどでも好成績を残していました。
ところが近年では低迷が続き、セグンダも気付けば5シーズン目となります。
このチームで欠かせない存在はボルハ・オウビーニャ。
2007-08シーズンはバーミンガム・シティにレンタルされていましたが、
セルタB時代から数えると、在籍11シーズン目となる生え抜き。
平畠さんも大好きだというこの男が、
昇格のキーマンと言えるかもしれません。
プレーオフ圏内ギリギリの6位は降格組のアルメリア。
プリメーラで4シーズン健闘しましたが、セグンダに帰ってきてしまいました。
ここもジエゴ・アウヴェスやパブロ・ピアッティなど、
代表クラスの選手が引き抜かれてしまったのは仕方ない所。
それでも25歳のアルゼンチン人レオナルド・ウジョアが
既に16ゴールで得点ランクトップと大ブレイク。
デンマーク代表のミカエル・ヤコブセン、
アルメリアでの試合出場が200を超えそうなペルーの重鎮サンティアゴ・アカシエテ、
スウェーデン人FWヘノク・ゴイトムなど国際色豊か。
ベティスはアンダルシアダービーの復活を待っていますよ!
その下は7位が34ptsのコルドバ、8位が33ptsのムルシア、
以下、9位がヌマンシアで30pts、10位がラス・パルマスで28pts、
11位は同じく28ptsでアルコルコンとなっています。
7位のコルドバは15失点とリーグ最少失点。
32歳のガスパル、29歳のダビド・プリエトのベテランコンビが
守備陣を支えているようです。
昇格すれば41シーズンぶりのプリメーラ。
サポーターの期待に応えることはできるでしょうか。
8位のムルシアは2007-08シーズンにプリメーラで戦いながら、
昨シーズンは3部での戦いを余儀なくされたものの、
1シーズンでセグンダへカムバック。
プリメーラ復帰に向けては悪くない位置に付けていますね。
9位のヌマンシアは
2000-01シーズン以降、プリメーラとセグンダの間で
3度の昇降格を繰り返すエレベータークラブっぷり。
現在の監督は36歳のパブロ・マチン。
2007-08シーズンから4シーズンに渡って助監督を務め、
満を持して今シーズンから指揮を執っている青年監督です。
10位のラス・パルマスはおなじみカナリア諸島のクラブ。
2007-08シーズンには福田健二が在籍していました。
ここも一時は3部まで落ちていましたが、現在は6シーズン目のセグンダ。
35歳のハビ・ゲレーロに29歳のハビエル・ポルティージョと
レアル・マドリーのカンテラーノ2人がFW陣に名前を連ねています。
そして、ちょっと注目株なのは11位のアルコルコン。
1971年の創設以降、30年近く4部や5部を彷徨い
2000-01シーズンからは3部に在籍していたクラブが、
一躍脚光を浴びたのが2009-10シーズンのコパ・デル・レイ。
ホームでほぼベストメンバーのレアル・マドリーを衝撃の4-0というスコアで下すと、
サンチャゴ・ベルナベウでも0-1で切り抜け、白い巨人に勝ってしまいました。
このトピックスは覚えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そのシーズンは3部優勝で昇格すると、初めてのセグンダとなった昨シーズンも9位と躍進。
さらなる奇跡を虎視眈々と狙っているようです。
他に思わずグッと来るような選手をご紹介すると、
16位のシェレスにはカピ、イスラエル、アントニオ・ドブラスの元ベティス勢に加えて、
アトレティコ・マドリーやミラン、ビジャレアルでも活躍したホセ・マリの名前が。
(ホセ・マリも元ベティスですけど)
18位のカルタヘナには、
2004-05シーズンのリヴァプールがUCL決勝でミラン相手に
奇跡の優勝を飾ったゲームでベンチに入り、
たぶんビッグイヤーを触っているホセミが。
20位のウエスカには、
イバン・エルゲラの実弟でイタリアで長くプレーしていたルイス・エルゲラが。
22位のヒムナスティックには、
マジョルカで大久保嘉人とチームメイトだったトゥニが在籍しています。
全42節なのでようやく先週末が折り返し地点。
6月2日の最終節まで、まだまだ長い戦いが待ってますね。
こちらも終盤に差し掛かった頃、再び現状をお伝えしようと思います。
写真はエルクレスとエルチェのホームタウン、アリカンテ。
土屋
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