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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年12月24日

インカレ準々決勝 専修大学×同志社大学@夢の島

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写真[1]yumanoshima2.jpg第2試合は激戦の関東を1部昇格年度に制する離れ業をやってのけた専修大学と、こちらも強豪揃いの関西で2位に入り、9年ぶりのインカレ出場となった同志社大学の一戦。ベスト8屈指の好カードです。1回戦は専修が中国を制した福山大学に9ゴールをぶちこむ衝撃の大勝。同志社も北海道王者の札幌大学を1-3で破り、共に危なげなく勝ち上がってきています。地域的に行っても日本大学最高峰クラスの一戦は、やはり寒さが堪える中でキックオフされました。
先に攻撃の時間を長く創っていくのは専修。5分には長澤和輝(2年・八千代)のパスから、中川輝人(1年・川崎フロンターレU-18)の鋭いミドルが枠に飛び、同志社GK安井豪(4年・作陽)がファインセーブ。6分、長澤がエリア内へフリーで持ち込んで放った決定機もシュートはバーの上へ。9分、長澤が左へ振るとSBの位置から上がってきた松本陽介(4年・清水商業)のシュートは枠の右へ。同志社を攻め立てます。
専修は色々と噂は聞いていたのですが、実際に見てみると確かに他とは少し異質。システムは4-3-3で、「向こうは右SBが前に来ると聞いたので、北斗に守備を頑張って欲しいかなと」いう源平貴久監督の意図もあり、中盤の形を庄司悦大(4年・清水商業)をアンカーに、右は千葉内定の町田也真人(4年・埼玉栄)、左は庄司北斗(2年・大清水)を並べた逆三角形にシフト。「後ろでボールを回すのに時間が掛かってしまった」とは指揮官ですが、時折庄司はCBの間まで下りてビルドアップの起点になるなど、非常に"ボール"へ重きを置いた、スタイルのある攻撃を披露します。
19分には専修に決定機。右サイドを駆け抜けたSB北爪健吾(1年・前橋育英)のクロスを、190センチのCF大西佑亮(3年・鹿島アントラーズY)が体を捻って当てたヘディングは、わずかにゴール左へ。頭を抱える応援団。しかし、やはりと言うべきか、流れそのままに先制したのは専修。25分、右サイドから町田が上げたアーリークロスは逆サイドへ流れたものの、拾った松本は鋭く縦に持ち出して中へ。こぼれに反応した仲川が短く繋ぐと、最後に蹴り込んだのは町田。エースの一撃で、専修がアドバンテージを握りました。
畳み掛ける緑。29分には相手のミスパスをかっさらった北爪が右へ展開。町田のクロスは飛び出したGK、クリアしようとしたDF、飛び込んだ大西のちょうど中央辺りに落ち、次の瞬間には同志社のゴールへボールが吸い込まれます。少しオウンゴールのようにも見えましたが、記録は大西のゴール。稲葉圭吾(2年・帝京第三)の不在を受けて、最前線を任されている大西の2戦連発弾。4分間で2点差が付きました。
さて、「ウチは後半でも攻撃力を持ってるんで、前半は不利な状況の風下でやろうと。コイントスで風下を取ったのに、相手があまり出てこなかったので少し拍子抜けした」と源平監督が話した通り、風上にも拘らずなかなか前へのパワーを表出できなかった同志社。ただ、否が応でもビハインドを追い掛けることになると、35分過ぎからはSHの東矢尚仁(4年・国見)を中心に少しずつ縦への仕掛けが増加。39分にはSBの諸隈巧基(4年・真岡)からFWの堤隆裕(4年・熊本工業)にパスが通り、矢野亮(2年・滝川第二)が枠の右へ逸れるシュート。42分には警戒されていた右SBの三浦修(4年・青森山田)がドリブルから果敢なミドル。互角に近い流れが生まれてきます。
すると44分、堤が左へ流したボールを東矢尚仁はカットインしながらシュート。ここは庄司がよくブロックしましたが、浮いたこぼれを石津令門(3年・丸岡)は豪快にボレーで叩き、ネットを揺らします。ゲームの波をしっかり掴んだ同志社が1点差に詰め寄り、45+3分に専修が松本のクロスから大西が頭で合わせたシュートもクロスバーにヒット。2-1でハーフタイムへ入りました。
後半はスタートから同志社の出足に勢い。50分には松本のパスを町田がヒールで繋ぎ、長澤のクサビを大西が落とすと、再び長澤のシュートが安井を強襲するシーンを創られますが、「ボランチに拾われて、ボールを回されてしまった」と源平監督が話したように、ボールを持つ時間も長くなってきた中で、東矢尚仁と杉山和毅(4年・清水商業)を配したSHが"矢"としての推進力を発揮し、にわかにゲームの行方は不透明なものへ。
ところが、同志社が2枚の交替カードを用意していたタイミングで、輝きを放ったのはやはり10番。63分、中央でボールを持った町田は前にいた庄司にクサビ。DFともつれたルーズボールを収めたのは、しっかり"当てて走って"を実行していた町田。右へ流れながら、確実にゴール左スミへボールを送り届けます。千葉の監督に就任する木山隆之氏も視察に訪れる中で、貫禄の2ゴール。再び点差は2点に戻りました。
勝負に出ようとした矢先に追加点を許してしまった同志社。矢野と堤を下げて、村上慎(2年・帝京大可児)と辻智人(4年・ヴィッセル神戸U-18)を投入し、最前線に石津と辻。中盤は宮本龍(1年・山梨学院大附属)をアンカーに、右が村上、左が東矢尚仁、頂点に杉山を置くダイヤモンドにシフトして、何とか流れを引き寄せようと画策します。
とはいえ、やはり重くのしかかる2点の差。73分には浮き球を長澤が最高のトラップで運び、町田が右へ繋ぐと、仲川はマーカーを切り返して置き去り、フィニッシュは安井のファインセーブに阻まれましたが、専修が決定機を創出。同志社は前に出るパワーを見せられません。
そして90分、専修がトドメの4点目。右サイドで松本のスローインを受けたのは1分前に投入されたばかりの池田裕樹(3年・清水商業)。中にかなり高いボールを放り込むと、大西が頭でチョコンと流し込みます。「もう少しスピードのある攻撃ができないと。あんまりよくなかったが結果が大事」とは源平監督ですが、終わってみれば大西に町田が揃って2ゴール。危なげないゲーム運びで同志社を打ち砕いた専修が、初めてのインカレで堂々のベスト4進出を勝ち獲る結果となりました。
専修は源平監督こそあまりこの日のパフォーマンスに納得行かない様子でしたが、前述したようにハッキリした"スタイル"があって面白かったです。メンバー表を見てみると、フィールドプレーヤーで180センチを超えているのは、ベンチを含めても大西のみ。この辺りからも専修の目指している形の一端が垣間見れるかもしれません。ちなみに次に対戦する中京大の西ヶ谷隆之監督は、源平監督にとって高校の1年後輩。「西ヶ谷監督もいい監督なので、打ち合いに出てきてくれると思います」と笑顔を見せてくれました。この監督対決も準決勝の大きな見所と言えそうです。       土屋

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