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このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年12月21日

天皇杯4回戦 名古屋×柏@瑞穂

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mizuho.JPG天皇杯も4回戦7試合は17日に終了。最後に残った延期分の1試合が、今日行われます。レギュラーシーズンを2位で終わり、既にACL出場権を手中に収めている名古屋。ケネディ、闘莉王と攻守の要が負傷により離脱しており、主力を欠いての一戦となります。一方、12月3日に劇的なリーグ制覇を成し遂げてから、中4日、中2日、中2日、中3日でクラブワールドカップを戦ってきた柏。「強いチームになってきた証拠」(北嶋)であることは間違いないものの、コンディションの厳しさは改めて説明するまでもなく、18日間で6試合目となるゲームに臨みます。会場は瑞穂。平日ナイターの天皇杯ながら、リーグ1位と2位の激突とあって5618人の観衆が集結する中、ベスト8を懸けた一戦がキックオフされました。
開始1分経たない内にレアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルでチャンスを創ると、10分くらいまでは名古屋もボールを持つ時間がありましたが、以降は両サイドをしっかり使った柏がペースを掌握します。15分にはレアンドロが右へ送り、酒井のアーリークロスを田中が頭で落とし、最後はレアンドロがミートしたボレーは楢崎がファインセーブ。16分にもレアンドロが右へ振り、酒井が中へ送ると田中のシュートはDFがブロック。とりわけ右サイドはレアンドロが中に絞って受けるシーンが多く、その空いたサイドのスペースに酒井が積極的に上がってくるパターンが頻発。21分には酒井とレアンドロが右サイドでタメを創り、田中が左へ送ったボールをワグネルが叩いたシュートは枠の右へ外れましたが、「攻撃はバリエーションもボリュームも多く、相手を上回れた」(ネルシーニョ監督)柏のペースは続きます。
一方の名古屋はケネディ不在で空位となっていた最前線に金崎を玉田と並べたものの、「金崎は本来ウイングなのであまりうまくいかなかった」と指揮官も認めたように、玉田は少し低い位置に下りて触ってでリズムを創ろうと奮闘していたものの、金崎は受けるポイントを見つけられず、なかなか攻撃に絡んでいけません。あとは多少ピッチコンディションの部分はあったにせよ、「パスミスが多かったと思う」とストイコビッチ監督も苦い顔を浮かべた通り、攻撃に入ろうとするタイミングで味方と呼吸が合わず、ボールロストを重ねてしまいます。
31分のチャンスも柏。レアンドロ、工藤と繋いで、ワグネルのミドルは楢崎が何とか素早い反応でしのぎましたが、40分には工藤が右へ送ったボールを、上がってきた酒井はリターン。再び受けた工藤のシュートはゴール右へ。41分、レアンドロ、工藤と繋がり、田中のミドルは枠の左へ。
そして42分、瑞穂の一角を染めた黄色い集団に訪れた歓喜。レアンドロが右へ展開し、ここも酒井の上げたクロスがDFに当たってこぼれると、真っ先に反応して拾ったレアンドロのシュートはゴール左スミを一直線に貫きます。「エクセレントな内容」とネルシーニョ監督も言及した前半の、しかも残り3分という最高のタイミングで生まれた先制弾。柏が1点のリードを奪って、ハーフタイムを迎えました。
さて、45分間をシュートゼロで終えた名古屋は「得点する機会もなかなか創れず、何かを変えなくてはいけない状況」(ストイコビッチ監督)の後半開始から小川を下げて、永井を投入。金崎を中盤に落として、「相手に対して危険なプレーができていなかった」(同)チームに、攻撃面でのてこ入れを図ります。
50分には右サイドの高い位置でその金崎がボールを奪うと、中央へ折り返し。ところがシュートレンジで受けた藤本はフィニッシュを選択せず、左へ流すと味方に合わず、千載一遇のチャンスを逃してしまいます。51分には柏が右サイドから対角線上に送った栗澤のフィードを田中が豪快なボレーで枠へ飛ばすシーンもありましたが、60分には名古屋も好機。シンプルな縦パスを永井が受けて仕掛けると、2人のDFの間をぶち抜いて中へ。金崎のシュートは大きく枠を外れましたが、「永井を入れて、よい方向に回った」とストイコビッチ監督。シンプルにスピードスターを使うわかりやすい形で、名古屋にも少しずつ得点の匂いが漂い始める中、次にスコアボードの数字を動かしたのも柏。
66分、右サイドでボールを持った酒井は縦に走ると、レアンドロが柔らかいパスでリターン。そのまま酒井が上げたグラウンダーのクロスに、走り込んでいた工藤はスライディングで確実にゴールへと流し込みます。0-2とアウェイの柏が点差を広げました。
苦しくなった名古屋は72分、永井の投入以降はボールタッチが激減した玉田に替えて、吉村を投入。永井が1トップ気味に構え、その下に右から橋本、藤本、金崎が並ぶ4-2-3-1にシフトして、勝負に出ます。73分には右サイドからショートで始めたCK。藤本のクロスを大外にいた増川が至近距離から頭で捉えますが、ボールが捉えたのは左のポスト。ツキもありません。
しかし、77分に突如として呼び覚まされたストライカーの本能。ダニルソンのパスを受けた永井は、左サイドからカットインしながら「コースが空いてたので」エリア外から右足を振り抜くと、ボールは菅野の手を弾いて豪快にゴールネットに突き刺さります。
1点差となり、にわかに活気付く赤いホームゴール裏。ネルシーニョ監督も79分には田中と澤を、84分にはワグネルと水野を入れ替え、ミドルエリアでの強度を高めてゲームを終わらせようとしましたが、止まらない赤鯱の荒波。86分、最終ラインからドリブルで運んだ千代反田のスルーパスに、抜け出した永井のシュートは菅野がキャッチ。87分、藤本の右CKは菅野が何とかパンチング。ゴールへにじり寄る圧力。そして88分、三都主のロングスローは柏DFも懸命にクリアしようとしたものの、こぼれ球の先に待っていたのは増川。「転んで残ってたら目の前にボールが転がってきた」と振り返った元FWのシュートは、ゴール右スミに飛び込む同点弾。「諦めない気持ちはウチに根付いている」と楢崎も語る名古屋の底力。決着の時はさらに30分先延ばしされることになりました。
迎えた延長で真っ先に輝いたのは、やはりこの男。96分、自陣からのカウンター。増川のフィードをセンターライン付近にいた藤本がダイレクトで落とすと、永井はスライディングをかわして独走状態に。菅野との1対1も「浮かせば入るかなと」冷静に頭上を破るループ。とうとう柏を完全に飲み込んだ名古屋が逆転。このゲームで初めてリードを奪いました。
今シーズン初めて逆転を許したネルシーニョ監督は、3枚目のカードを即決。98分、栗澤を北嶋にスイッチ。ボランチには大谷と澤を並べて、攻撃的な姿勢を打ち出します。するといきなり到来したビッグチャンス。99分、水野が右へ展開すると、酒井のクロスは工藤にドンピシャ。ヘディングは楢崎がスーパーセーブで防いだものの、ボールはこぼれて北嶋の前へ。しかし9番のシュートは枠の上に外れ、追い付けません。
それでも何かが起こりそうな空気感は十分にある中で、112分に起こった何か。右サイドから水野が上げたクロスを、ファーで収めた工藤に田中がアプローチ。両者がもつれて倒れると、高山啓義主審の判定はPK。加えて田中は2枚目のイエローカードで退場処分と、風雲急を告げる展開に。キッカーのレアンドロは確実に楢崎の逆を突いて一刺し。3-3。またもスコアは振り出しに戻されました。
こうなると勢いは柏。115分、水野の左クロスを最後は工藤が狙ったシュートはDFがブロック。116分、水野の左CKからレアンドロのシュートに工藤が触ったボールは枠の左へ。117分、レアンドロの右CKがこぼれると、増嶋のシュートはクロスバー直撃。さらに北嶋のシュートは増川が果敢に体でブロック。「ワクワクするような内容」(ストイコビッチ監督)の死闘は120分間で決着付かず。とうとうPK戦で勝敗を決することになりました。
5人目までは双方が確実に決め合うハイレベルなPK戦は、先攻の柏が6人目で失敗。工藤のキックを完全に読み切った楢崎がセーブし、準々決勝進出に王手が懸かります。名古屋の6人目は2ゴールを挙げている永井。しかし、右に蹴ったキックは菅野が完璧なセーブでストップ。双方譲りません。
名古屋の7人目では、一旦スポットに進みかけたダニルソンが足の痛みを訴え、増川とキッカーを替わる珍しいシーンも。その増川は見事に成功。8人目は増嶋に千代反田とお互いCBが確実に沈め、9人目にはGKの楢崎が「練習よりうまく蹴れた」と豪快に成功。とうとうキッカーは全員にその順番が回ります。
柏の10人目は菅野。思い切り蹴ったキックはクロスバーを叩いて、ピッチに戻ってきます。名古屋の10人目は「右足が攣って、左足は張りがあった」というダニルソン。足を引き摺りながら短い助走を取って左足を振り抜くと、ボールは右スミに収まり、菅野動けず。「負ければ終わり」(楢崎)のサバイバルマッチは名古屋に凱歌。24日のクリスマスイブに、再びホーム瑞穂で横浜FMと戦う権利を得る結果となりました。
柏は最後に力尽きたとはいえ、この過密日程でここまでのパフォーマンスを発揮したのは見事の一言。特に名古屋をシュートゼロに抑えた前半は、「今シーズンはレイソルにとって大きな財産」(北嶋)「1年を振り返ればレイソルは勝利の年にできた」(ネルシーニョ監督)という2人の言葉にも頷けるホンモノの強さを見せてくれました。来シーズン出場する各コンペティションにも是非期待したいと思います。
敗色濃厚の後半終盤から一転、勝ち名乗りを上げた名古屋は「ネバーギブアップの精神」(ストイコビッチ監督)を逞しく体現。一部主力を欠いて臨んだゲームでしたが、実に"らしい"勝ち方だったのではないでしょうか。戴冠まではあと3勝。2年連続のタイトル獲得が視界に入ってきました。      土屋

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