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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年12月05日

高円宮杯プレミアリーグイースト第17節 三菱養和SCユース×FC東京U-18@西が丘

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写真[1]tokyo.jpg関東プリンス3連覇。高円宮杯とJユースカップは共に全国準優勝という昨年度の成績を受け、当然頂点のみを目指して臨んだはずの高円宮杯プレミアリーグ。しかし、待っていたのはまさかの残留争い。前節のドローによって最下位にまで転落したFC東京U-18が苦しんでいます。それはこちらも東京をホームとする三菱養和も同じ。近年は毎年のようにJリーガーを輩出するなど、強豪クラブとしての地位を確立させてきましたが、関東プリンス5位に滑り込んで勇躍乗り込んだステージは茨の道。前節を終えて9位と降格圏に沈んでいます。昨年度の高円宮杯ではベスト4で顔を合わせた両者が、1年後に再会したのは残留争い直接対決というシチュエーション。それでも"負けたくない一戦"という位置付けは不変。東京ダービーは言うまでもなく聖地・西が丘です。
まず先にシュートを打ったのは養和。2分、油井翔吾(2年・三菱養和調布JY)のサイドチェンジを、秋田翼(1年・柏レイソルU-18)がダイレクトボレー。積極性を打ち出します。ただ、以降は東京がペースを掌握。5分、福森健太(2年・FC東京U-15深川)がエリア内へ侵入してのフィニッシュは養和の右SB横山道一(1年・三菱養和巣鴨JY)が体でブロック。15分には相手との接触で傷んだ二瓶翼(2年・FC東京U-15深川)が、冷岡幸輝(3年・つくばFC)と交替を余儀なくされるアクシデントがありましたが、17分にも福森の右CKからトップ昇格が決まっている橋本拳人(3年・FC東京U-15深川)のボレーはバーの上へ。19分、相手GKとルーズボールを奪い合って収めた岩田拓也(2年・FC東京U-15むさし)が枠へ飛ばしたシュートは、またも横山がブロック。東京の攻勢が続きます。
この好リズムを生み出していたのは、「あそこで基点が創れてたんで、周りがサポートできていた」と倉又寿雄監督も認めた、野沢英之(2年・FC東京U-15深川)の存在。「最初は岩田と縦関係だったけど、相手のCBも少しもたついていたので2トップ気味に行かせた方がいいかなと思って」と倉又監督が話したように、15分過ぎからは完全に2トップへ移行した中で、受けて収めて裁いてを高次元で遂行。チームに推進力を与えるパフォーマンスを披露してみせます。
ところが、突如として訪れた養和のビッグチャンス。22分、右サイドをドリブルで持ち上がった島田雄平(2年・三菱養和調布JY)が思い切り良く繰り出したミドルは、クロスバーへ激しくヒット。こぼれを狙った油井のシュートは東京GK谷俊勲(3年・FC東京U-15むさし)がキャッチしたものの、一発の怖さを見せ付けます。
そんな変わりかけた流れを断ち切ったのは、やはり15番。24分、高い位置でのボール奪取から岩田がラストパス。受けた野沢はGKを引き付けて引き付けて、右スミへ優しくゴールへのラストパスを転がします。揺れたネット。野沢の先制弾で東京が1点のリードを奪いました。
以降もペースは変わらず、東京が手数で圧倒。31分、鴨池陽希(1年・FC東京U-15むさし)の縦パスに抜け出した岩田のシュート気味クロスは味方に合わず。33分、冷岡のパスから粘ってキープした橋本のシュートは養和GK永井堅梧(2年・三菱養和巣鴨JY)がファインセーブ。こぼれを押し込むだけだった野沢のシュートはバーの上へ。35分、橋本が左へ展開すると、福森はダイレクトボレークロス。飛び込んだ野沢のヘディングは枠の左へ。チャンスを連続させます。
一方、守備陣は「蹴ってくる印象があった」(倉又監督)相手に、破綻なく対応。CBの石原良将(3年・FCK MARRY GOLD KUMAMOTO)も「蹴ってくる相手はショーヤ(小林聖弥・3年・FC東京U-15むさし)と跳ね返せるのでやりやすい」と言及した通り、22分のシーン以外はほとんどピンチを迎えることなく、1点のアドバンテージを持ってハーフタイムへ入りました。
敗戦はすなわち入れ替わりの最下位転落となる養和も、後半はスタートから2枚替え。負傷を抱える田鍋陵太(3年・三菱養和巣鴨JY)と川崎圭亮(3年・三菱養和調布JY)をピッチへ送り込み、何とか反撃の糸口を探ろうと勝負に出ます。47分には横山のドリブルで得た右CK。島田のキックを田鍋が頭で繋ぐと、油井のシュートは谷がビッグセーブで阻止。同点ゴールとはいきません。
すると、東京もセットプレーから絶好機。49分、左サイドから福森の蹴ったFKは、エアポケットのようなスペースへ。ここへ走り込んでいたのはCBの石原。丁寧なボールコントロールから、冷静にゴールへ流し込みます。「練習で話していたのとまったく同じような形」とは倉又監督。大きな2点目が東京に入りました。
止まらない東京。52分、54分、55分といずれもセットプレーのチャンスを掴むと、56分にも好機到来。長めのフィードを諦めずに追った野沢が、少し飛び出しの遅れたGKと入れ違いでシュート。ボールは無人のゴールわずか右へ外れたものの、まだまだ貪欲に追加点を狙う姿勢は衰えません。
さて、2点を追い掛ける養和は頼みの田鍋がワイドに張り出す時間が長く、なかなかそこから仕掛けて崩すようなシーンを創れません。これに関しては、対面になった1年生左SBの鴨池が奮闘。左のCBを務めた石原も「最初はアイツも「イシくん、ちゃんとカバーして下さいよ」とか言ってちょっとビビってたけど、実際はガツガツ行ってしっかり抑えてた。よくやったと思う」と言及。名古屋内定が決まっている超高校級のアタッカーをうまく封じ込めます。
67分には養和も安藤裕麻(3年・三菱養和調布JY)のフィードに油井が抜け出しかけましたが、飛び出した谷が落ち着いてクリア。73分には左サイドから油井が上げたアーリークロスに、全力で走り込んでいたCBの冨田将司(3年・三菱養和巣鴨JY)が合わせたボレーは枠外へ。経過する時間。焦る養和。いなす東京。
そして決着の時は81分。左サイドから福森が蹴り込んだFKに、大外で待っていたのはまたも4番のCB。「不思議とボールがアイツに来る。自分の所に来ると信じて行ってるんだろうね」と指揮官も話し、「よく来ますね。自分でもわかんないけどボールを呼び寄せてるのかな」と本人も笑った石原のドッピエッタが飛び出し、0-3。東京ダービーに完勝した東京が、養和と尚志をかわして8位へ浮上。一気に降格圏を脱出する結果となりました。
「残り2試合で今シーズンも終わる。ここで意地を見せなきゃいけない」と倉又監督も言及した土壇場で、今シーズンベストに近い内容の勝ち点3を獲得した東京。なかなか例年のようにメンバーを固定できず、厳しいゲームが続いてきた中で、ここに来てようやくチームとしての形ができつつあります。最終節は優勝争いの渦中にいる2位札幌U-18とのリターンマッチ。「1、2年生のためにもこのゲームは大事。3年生にしか出せない味がある」と石原。未来を懸けた東京の今シーズンラストゲームは11日。13時からホーム深川にて、その幕が上がります。     土屋

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