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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年11月06日

高校選手権東京A準決勝 東久留米総合×修徳@西が丘

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IMG_3768[1]higashi.jpg成立学園、帝京と全国への出場経験を有している強豪が相次いで敗退するなど、波乱含みという印象の強い東京Aブロック。ただ、帝京を破った都立東大和は確かにサプライズでしたが、東久留米総合、修徳、関東第一とここまで残っている3チームは、おそらく今シーズンの東京でもトップ5には入るであろう実力者揃い。ある意味、順当とも言うべき顔触れのベスト4となりました。
東京サッカーの聖地・西が丘を舞台に行われる第1試合はインターハイの東京王者・東久留米総合と、プリンス関東を戦う成立学園を13-12という壮絶なPK戦の末に下して、勝ち上がってきた修徳。バックスタンドからは水色と白の応援団が左右に分かれて大声援を送る中、修徳のキックオフでファイナルを懸けた一戦は幕を開けました。
ゲームは開始5分にいきなりアクシデント。3-3-3-1を敷く修徳は、1トップ下に並ぶ3枚の左ワイドに入った野澤克之(2年・FC東京U-15深川)にトラブルが発生したのか、本橋瑞基(2年・クリアージュ)との交替を余儀なくされてしまいます。早くも切られた1枚目のカード。少し嫌な流れでゲームへ入ったかのように思われた修徳。ところが6分、大塚竜太(2年・フッチSC)のパスを受けた選手が、DFを1人かわして左足を振り抜くと、ボールは右スミへ突き刺さる先制ゴール。その選手とは、なんと本橋。アップする間もなく、突然ピッチへ送り込まれた選手が貴重な一発。まずは修徳がリードを奪います。
痛烈な先制パンチをお見舞いされた東久留米も、すぐさま迎えた同点機。8分、エリア内へ西田絋崇(3年・練馬FC U-15)がドリブルで侵入すると修徳DFが足元へタックル。微妙なプレーではありましたが、主審がPKを宣告すると、キッカーのキャプテン佐々木翼(3年・東京久留米FC U-15)は確実にGKの逆を突いてみせます。お互いにファーストシュートがゴールへ結び付く展開。1-1とスコアはタイに引き戻されました。
点を取り合う、動きの激しい立ち上がりとなったゲームでしたが、先にペースを掴んだのは縦への推進力で上回った修徳。全体的にボールアプローチも相手より速く、成立戦同様に最前線の間島朋之(3年・志村第四中)と右ワイドに入るキャプテンの西野隼人(3年・バリエンテ)を生かしたカウンターは、大きな武器。18分には大塚、西野、大塚と繋いで、最後は西野がわずかに枠の右へ外れるミドルを放つなど、東久留米ゴールを脅かします。
すると今度は東久留米にアクシデント。19分、腰の辺りを押さえていたCB松本亮祐(3年・中野五中)のプレー続行が難しく、森田渉(2年・Forza'02)と交替。前半で双方が負傷によって交替カードを切るという、珍しい事態となりました。
20分を過ぎると、今度は東久留米に攻撃のリズム。少しずつボールがスイッチ役となる佐々木と西田に収まり始め、サイドへの展開も増加。27分には収めた佐々木が右へ振ると、鈴木雄大(3年・東京久留米FC U-15)のカットイン左足ミドルは、修徳GK高橋太郎(1年・すみだSC)の正面を突いたものの、1つやりたい形を垣間見せます。
とはいえ、このゲームリズムが続いたのは10分間程度。2列目の池田晃輔(1年・FCフェスタ)や3列目の大塚と、センターポジションの2人が懸命にセカンドを奪取すると、再び修徳の時間到来。30分、右サイドに潜った西野のアーリークロスは、大塚へ届く一歩手前で森田がクリア。39分、西野のFKをGKが弾いたこぼれに本橋が反応してボレーを放つと、ここは鈴木が体でブロック。さらに40分には間島が左サイドからロングスローを連発。"頑張れる"チームの本領を発揮した修徳やや優勢で、40分間は終了しました。
後半は開始早々、東久留米にビッグチャンス。43分、米倉翼(2年・FC東京U-15むさし)の右FKはファーの森田にピタリ。枠もしっかり捉えたヘディングは、高橋が足でスーパーセーブ。46分、西田が左へ展開すると、米倉のクロスはファーで久保祐貴(1年)が何とかクリア。54分、橋詰晃(3年・FC東京U-15むさし)、鈴木と繋いで、佐々木が左へ振ると、春山美優士(3年・三菱養和巣鴨JY)のクロスは森竜哉(3年・志村第四中)が何とかクリア。東久留米が一気に攻勢。修徳はいわゆる3列目のアウトサイドに位置した、久保と森も守備に回る時間が長く、苦しい時間を強いられます。
66分、多田和明(3年・FCクレセル)のパスから、菅谷翼(2年・FC東京U-15むさし)が狙った25mミドルはわずかにゴール左へ。71分、橋詰、米倉と回ったボールを途中出場の片岡瞭星(3年・志村第四中)がドリブルで切れ込むも、修徳の3バックセンターを務める清水麦(2年・第二砂町中)が懸命にクリア。73分、76分と続けて米倉のFK。攻める東久留米。耐える修徳。
77分、一瞬だけこの構図が逆転。カウンターは修徳。フリーで受けた西野は確実に繋ぐと、本橋のスルーパス。DFラインとの駆け引きから抜け出した間島。フラッグは上がらず。迫るGK。走る間島。1対1の帰結は、ガムシャラなプレースタイルとは相反するような美しいループで勝負アリ。沸騰の白。狂喜の白。1-2。修徳が土壇場で再び1点をリードしました。
追い込まれた東久留米。しかし、1分後にさらなるドラマ。東久留米は左サイドで米倉が縦へ付けると、橋詰が深く侵入してクロス。中央でシュートは打てず、チャンスが潰えたかに見えましたが、主審はホイッスルを鳴らすとPKを指示。修徳にしてみれば厳しい判定も当然覆らず。しかもファウルに関与したDFは2枚目のイエローカードで退場となってしまいます。重圧の掛かるシーン。キッカーは米倉。高橋が飛んだのは成立の13人目をストップしたのと同じ右。ボールも右。沸騰は水色。狂喜は水色。80分間のスコアは2-2。白熱の好バウトは10分ハーフの延長戦に、その舞台を移すことになりました。
わずかな休息を経て、再びピッチに戻ってきた両チーム。ここからは11人のチームが、10人のチームを攻め立てる時間に。82分には東久留米が右から蹴った米倉のCKを森田が頭で合わせるも、ボールはわずかにバーの上へ外れるシーンを創りましたが、以降は修徳が最終ラインを4枚にして4-1-3-1気味の布陣で集中力高く凌ぎ続ける流れ。経過する時間。耐える修徳。焦れる東久留米。延長後半も残り5分。最後の攻防。
96分、メインスタンド側に流れたボール。ドリブルで運んだ片岡が長いクロスを送ると、ファーサイドから飛び込んできたのは、79分に投入されていた田村勇気(3年・羽村一中)。気持ちで頭とも背中ともつかない場所に当てたボールは、フワリと誰もいない空間を選び、ゴールネットに吸い込まれます。この日初めて奪ったリードは、ファイナルへの切符を大きく手繰り寄せるリード。東久留米がとうとう勝ち越しました。
そして100分、米倉が左へ流れて放ったシュートは、高橋もよく弾きましたが、田村がプッシュして4-2。タイムアップ。100分間の激闘は、凱歌をあげた東久留米が夏冬連覇に向けて王手を懸ける結果となりました。
敗れた修徳は、本当によく戦ったと思います。インターハイは1次トーナメント敗退。T1でも1勝4敗と下位に沈むなど、苦しいシーズンとなりましたが、最後の選手権で修徳らしい粘り強さを見せてくれました。スタメン中、8人が1、2年生と非常に若いチーム。来年以降にも大いに期待したいと思います。
勝った東久留米は、PK2本で辛くも追い付く展開になりましたが、やはり総合力は東京でもおそらくナンバーワン。ここを苦しみながら抜けたのは、来週に向けて大きなプラス材料になりそうです。2年ぶりの全国へ。必要な勝利はあと1つです。    土屋

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