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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2011年10月22日

J1第30節 山形×G大阪@NDスタ

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201110221211000[1]tendo.jpg残り5試合で15位の甲府までは9ポイント差と、J1残留へ向けて非常に苦しい状況に立たされている山形。現実的には限りなく全勝が求められる中で、リーグ最多得点を誇る2位のG大阪をホームへ迎えます。そのG大阪は前節、名古屋との優勝争い直接対決に4-1と完敗。首位陥落を受けて、「あまりいいゲームができなかった次のゲーム」(西野朗監督)だけに、何としても勝ち点3獲得は譲れない所。お互いに立場は違えど負けられない一戦は、わずかに秋の装いを纏った山々に囲まれるNDソフトスタジアム山形です。
「入りは決して悪くなかった」(小林伸二監督)「気持ちが入っていて、いい立ち上がりだった」(山田拓巳)と2人が声を揃えた通り、先にリズムを掴んだのは山形。2分、フィードを引き出した山崎が巧みなラインブレイクから抜け出し、折り返しは長谷川に届くも力んだシュートは枠の左へ。4分、ルーズボールを拾った伊東が、藤ケ谷にセーブを強いる枠内ミドル。7分、船山が左サイド、ゴールまで25m強の距離から直接ニアを狙ったシュートはわずかにサイドネットの外側。9分、長谷川のポストから伊東がキックフェイントでマーカーを外して、丁寧なラストパス。船山のコースを狙ったシュートは藤ケ谷がファインセーブ。「展開も広くできて、いくつかのチャンスもできた」(小林監督)山形が"県民応援デー"と銘打たれ、みちのくダービーに次ぐ今季2番目の入りとなった、青く染まるスタンドを続けて沸かせます。
まずは劣勢となったG大阪も11分に反撃。右サイドで高木が縦へ入れたボールに、ラフィーニャは反転からクロス。受けたイ・グノも反転から枠へ飛ばすと、ここは山形GK清水がファインセーブ。12分には右サイドで奪ったCKから、こぼれを拾った二川のクロスに、山口がフリーで飛び込むもボールはクロスバーの上へ。「2トップはサイドに流れて仕掛けてくることが多かった」と山形の左SBを務める山田が話したように、イ・グノとラフィーニャがサイドで基点を創る速攻の形から、2つのチャンスを生み出します。
ただ、それでも全体の流れはホームチーム。特にボランチの船山が受けて捌いてを繰り返して中盤でリズムを創り、周囲も呼応することでポゼッションでも優位に。20分には左サイドで山崎のリターンを受けた山田が、オーバーラップからクロス。長谷川のヘディングは枠の右へ外れましたが、前節の柏戦同様に、序盤のピッチを支配していたのは山形でした。
ところが、そんな好リズムが暗転したのは30分。自陣で伊東がキム・スンヨンにドリブルを引っ掛けられると、キムはそのままスルーパス。抜け出した二川は清水との1対1も冷静に右スミへグサリ。「外に開いてボールを持つということは、相手の選手の方が単純にゴールへ近い」と小林監督も言及したシーンは、あまりに痛いイージーミス。柏戦同様に、今日も先に失点したのは山形でした。
さらに畳み掛けたG大阪。35分、「攻撃に入るスイッチ」(西野監督)が2トップ間で起動。イ・グノ、ラフィーニャ、イ・グノと電光石火でパスが回ると、韓国代表FWはGKも巧みに外して難なく追加点。「2失点目が早過ぎた」とは小林監督。数少ないシュートシーンを確実にゴールへ結び付けたアウェイチームがリードを広げて、ハーフタイムに入りました。
後半はスタートから両チームに交替が。山形は負傷の太田を下げて、秋葉をそのまま右SHへ投入。G大阪は下平に替えて、藤春廣輝をそのまま左SBへ送り込みますが、同時にリードしていることもあって「中央をコンパクトにして、ディフェンスを強調した部分もある」と西野監督が明かしたように、ラフィーニャを1トップに据えて、その下に右からイ・グノ、二川、キムを並べ、4-2-3-1でバランスを整えます。
すると、52分には武井が中盤から長い距離をドリブルで運び、左スミを狙ったシュートはGKセーブ。54分、ラフィーニャが裏へ入れたパスからイ・グノが抜け出すも、シュートを選択せずにクロスがミスで終わると、指揮官も思わずガッカリポーズ。55分、二川の展開からオーバーラップしてきた藤春のクロスを、ラフィーニャが叩いたボレーはGKキャッチ。「相手のアタッキングサードを攻略していく準備の中盤に重心を置いた」(西野監督)ことが奏功し、攻め立てるG大阪。
一方、替わった秋葉もなかなか流れに絡めず、攻撃の手を繰り出せない山形。58分に船山が蹴ったFKは長谷川の眼前でDFがクリア。さらに船山の左CK、秋葉の右CKと立て続けにチャンス。そして2分間で4本目となるセットプレー。60分、船山のショートコーナーから、伊東がリターンしたボールを船山がクロスに持ち込むも、ラフィーニャがクリア。一転、G大阪は「いいディフェンスからショートカウンターという狙い」(西野監督)が一瞬で発動。右サイドで山田をイ・グノがぶっちぎって中へ折り返すと、全力で走り込んだ藤春がダイレクトボレーでJリーグ初ゴールとなる華麗な一刺し。「ポゼッションだけでなく、攻撃をダイレクトに考えていく所が表れた」と指揮官も評価した3点目。実質、ゲームは決まりました。
こうなると、「目一杯やってるんだけど繋がっていない」(小林監督)山形を尻目に、G大阪はチャンスを連発。64分にはラフィーニャ、二川と繋いで、キムのシュートはGKキャッチ。68分の同時交替も、長谷川OUTで古橋INの山形と、キムOUTで佐々木INのG大阪だと、推進力が増したのは後者。
70分、武井のスルーパスからラフィーニャのシュートは強烈にサイドネット外側を捕獲。同じく70分、ラフィーニャの柔らかいラストパスを、枠へ飛ばしたイ・グノのシュートは清水がファインセーブ。そして76分、佐々木が左サイドから蹴ったCKは、ニアへ飛び込んだラフィーニャの頭にヒットすると、ボールはニアポストを掻い潜り4点目。
なおも78分には武井の左クロスから佐々木のヘディング、84分には武井のパスから佐々木のミドルと、「最後の最後まで得点を貪欲に取り続けようとする自分たちのスタイル」(西野監督)を強烈に誇示すると、その姿勢が呼んだトドメの一撃は89分。ラフィーニャの絶妙フィードは、前田をわずかに越えて川西翔太へ。7分前に投入されたルーキーは、冷静に左足で右スミに流し込む5点目。「悪い所を探すのが難しいぐらい、久しぶりにスカッとしたゲーム」と西野監督も評価したG大阪が、山形を0-5と粉砕して勝ち点3を積み上げる結果となりました。
「ガンバのスタイルというのを追求した中で戦うことができた」と指揮官が話したように、ゲームの入りこそよくなかったものの、1点目を奪って以降はアグレッシブなスタイルが前面に押し出されたG大阪。遠藤不在の中でも「全員でベクトルを合わせてやれた」(西野監督)結果が、多彩なパターンでの5ゴールを生み出したと言えそうです。連敗回避や得失点差の上積みも含め、今後に向けて大きな収穫を得たゲームだったのではないでしょうか。
敗れた山形は「前の選手も守備に追われて、攻撃までのパワーがなかったかもしれない」と山田が話したように、個人個人は間違いなく100%でファイトしているのですが、「全体が繋がって機能しない限りはなかなか勝ちにくいチーム」(小林監督)だけに、勝利しか許されないような状況下で、少しずつの焦りやズレが全体の焦りやズレに直結してしまい、先制されると途端に機能性を失ってしまう印象です。早ければ次節にも降格が決定。「どんな時も 俺たちは歌うのさ 山形の歌を ラララララ~ ララララ~ラ 今 この気持ち 誰にも止められない 俺らの誇り 俺らの全て モンテディオ山形」。選手がロッカールームへ消えた後もゴール裏で繰り返されたチャント。残された4試合には勝敗以上に、J1で戦ってきたこの3年間の真価が問われます。    土屋

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