mas o menos

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

最近のエントリー

カテゴリー

アーカイブ

2011/10

S M T W T F S
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

このブログについて

J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

その他の試合レポート 2011年10月09日

高円宮杯プレミアリーグイースト第15節 FC東京U-18×静岡学園@深川

mas o menos
  • Line

201110091450000[1]fukagawa.jpg高円宮杯プレミアリーグイーストも全18節中14節まで消化。そろそろ上位と下位がハッキリ分かれてくる時期です。今日深川で行われるのは、2勝6分け6敗の勝ち点12で9位と降格の危機に喘ぐFC東京U-18と、4勝6分け4敗の勝ち点18で7位と上にも下にも行く可能性のある静岡学園の激突。5月16日に対戦した第6節では、東京が村松知稀(3年・FC東京U-15深川)の先制弾でリードするも、終盤に静学の望月瞬(3年・静岡学園中)がゴールを決めて結局ドロー。今年のカレンダーで考えると、両者が公式戦で対戦するのはこれが最後。お互いに決着を付けたい一戦です。
静学のキックオフで幕を開けたゲームは、いきなり動いたスコア。6分、静学はJクラブ注目の長谷川竜也(3年・静岡学園中)が左サイドへ展開すると、レフティの渡辺隼(2年・静岡学園中)はGKとDFラインの間に絶妙の低空クロス。中で2人潰れ、ファーサイドで待っていたのは野田侑成(3年・静岡学園中)。東京GK谷俊勲(3年・FC東京U-15むさし)も手には当てましたが弾き出せず、まずはアウェイチームが先手を奪いました。
早々にビハインドを負った東京も、すぐさま反撃。10分、野沢英之(2年・FC東京U-15深川)が右へサイドチェンジすると、受けた福森健太(2年・FC東京U-15深川)の左足ミドルがゴールを強襲。静学GK福島春樹(3年・カワムラFC)がかろうじて触ったボールは左ポストを直撃。13分にも二瓶翼(2年・FC東京U-15深川)が得意のカットインミドルを枠に飛ばすなど、お互いに攻撃的な姿勢を打ち出します。
ただ、少しずつゲームの流れは静学に。「ウチは前から取りに行っていたが、向こうは流動的だった」と東京の倉又寿雄監督が話したように、静学の中盤4枚は柴田則幸(2年・静岡学園中)をアンカーに置いて、長谷川、渡辺、秋山一輝(3年・静岡学園中)の3人は比較的自由なポジショニング。見ようによってはダイヤモンドにもボックスにも見えるような形から、攻撃のチャンスを窺います。これに対して、「FWと中盤の間が空いちゃって、そこを使われた」と倉又監督。18分には長谷川のパスを望月遥伊(3年・SALFUS oRs)が縦に送り、渡辺の左クロスは東京DFが何とかクリア。24分には左サイドで渡辺が縦に送り、サイドに流れたFWの山本真也(3年・ボアソルテ美都FC)がえぐって中へ。空いたスペースに走り込んだ秋山のミドルは大きく枠の右へ外れたものの、バイタルを使いながらチャンスを創出していきます。
静学が面白いのは、個々が非常に高い技術を持ち、ボールもよく回りますが、あまりポゼッションスタイルのチームという印象ではないこと。その要因は縦へのメリハリがはっきりしているからではないでしょうか。ボールが動いている間でも、縦にスイッチを入れられる時はミドルパスやロングパスを選択。また、最前線に入った野田のポストワークが安定していたことと、鹿島入団が内定している右SBの伊東幸敏(3年・静岡学園中)がかなり裏へ飛び出していたことも、縦方向のパスに効果を持たせた一因だったと思います。
さて、長いボールを放り込み、セカンドを橋本拳人(3年・FC東京U-15深川)と冷岡幸輝(3年・つくばFC)に拾わせる以外には、なかなか攻撃のアイデアを繰り出せなかった東京でしたが、「全体のラインをコンパクトにした」(倉又監督)ことで、少しずつ相手の攻撃を抑え始めると、39分に二瓶が左サイドから3人の間をすり抜け、フィニッシュは枠の左へ。同じく39分、小林聖弥(3年・FC東京U-15むさし)のクリアに橋本が競り勝ち、こぼれを拾った二瓶のシュートはGKキャッチ。43分、鋭い出足でインターセプトした二瓶は、そのままドリブルからミドルを放つもGKキャッチ。「あそこまで行って、肝心なシュートの所で力んじゃう」(倉又監督)側面はあったものの、二瓶の積極性が目立つ展開に。そして45+1分、二瓶が右サイドから蹴ったCKはファーの橋本へピタリ。ここも福島のファインセーブに阻まれたとはいえ、終盤は東京にも勢いが出てきて、45分間は終了しました。
後半はスタートから左足首を痛めた小林に替わって、五勝出竣仁(1年・FC東京U-15むさし)がCBに入った東京でしたが、前半からのリズムは継続。49分、村松が二瓶との大きなワンツーで左サイドを抜け出し、上げたクロスは冷岡に通るもシュートには至らず。50分、左サイドで野沢からパスを受けた福森のミドルはゴール右へ。54分、村松を起点に二瓶がドリブルからショートパスを送り、山口泰志(3年・FC東京U-15深川)のミドルはバーの上へ。 55分、二瓶が左サイド深くへ鋭く切れ込み、折り返したボールは混戦もなんとか渡辺がクリア。多数のサポーターが詰め掛けたバックスタンド側に当たる、左サイドをホットエリアに東京がラッシュを仕掛けます。
これに呼応して、指揮官もいつもより早めの交替策。64分、冷岡と二瓶に替えて、共に五勝出同様、国体帰りの岸寛太(1年・FC東京U-15深川)と川上翔平(1年・FC東京U-15深川)を投入。川上は登場して最初のボールタッチでFKを直接狙うと、スムーズにゲームへ順応。さらに68分には福森と斎藤涼汰(2年・FC東京U-15深川)をスイッチ。何とか1点を奪いに行きます。
ところが、個々の能力は間違いなく高いのですが、東京は勝負所で確実に繰り出せるような攻撃の形がなく、サイドに回す意識こそあるものの、イージーなパスミスでスムーズな流れを創り出せません。77分には山口のクサビを川上が落とし、橋本のシュートがDFに当たってこぼれたボールを、岸が拾ってフィニッシュまで持ち込みますが、ボールは枠の左へ逸れ、千載一遇の同点機をモノにできず。以降は焦りからかミスも増え、長いボールに頼らざるを得なくなった東京は「シュートまでなかなか行けなかった」と倉又監督が認めたように、最後の10分とアディショナルタイムで1本のシュートも打つことなく、迎えたタイムアップ。静学は5位浮上でほぼ残留は決定。逆に東京は最下位に転落と、明暗分かれる結果となりました。
今シーズン初めて見た静学は、去年のほぼ同時期に見たチームと比べると、少し攻撃に迫力が感じられなかったものの、CBの望月大知(2年・静岡学園中)を中心に守備陣は安定していた印象。中盤の構成力も高く、総合的に見れば今シーズンの方がバランスのいいチームかもしれません。
敗れた東京は、途中出場した五勝出もかなり落ち着いたプレーを見せ、右SBの青木啓輔(1年・FC東京U-15むさし)もだいぶ逞しさが出てくるなど、1年生が奮闘している守備陣はリーグでも2番目に少ない失点が物語るように、高い安定感を誇っています。ただ、「失点も少ないけど、得点も少ない」と指揮官も話す得点力不足は、リーグ最少のゴール数が示す通り深刻。前線の顔触れも、なかなか軸が決まってきません。トップに帯同していた橋本が「どうしてもやりたい」という本人の意志もあり、ここ2試合は出場していますが、長いボールを蹴って彼に拾わせるのと、サイドアタッカーのドリブルだけでは限界があるでしょう。残すは3試合。攻撃陣がどこまで奮起できるかに、東京の残留は懸かっています。    土屋

  • Line