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J SPORTSのサッカー担当がお送りするブログです。
放送予定やマッチプレビュー、マッチレポートなどをお送りします。

Jリーグレポート 2011年08月21日

J2第25節 草津×湘南@正田スタ

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syouda1.jpg全10試合開催となった、今日のJ2。訪れたのは群馬で行われる主要なスポーツ大会の大半がここで行われる敷島公園内に聳える、正田醤油スタジアム群馬です。6試合勝ちなしから、3試合負けなしを経て、前節はFC東京に「1-0だったけど大きな教訓を戴いた」と副島博志監督も言及するような敗戦を喫した草津。黒星が2つ先行する現状を考えれば、ホームで勝ち点3が欲しい所です。一方、序盤戦は昇格圏内に付けていたものの、16節から19節まで悪夢の5連敗を記録するなど、順位も下降気味の湘南。8月の2試合は大分、愛媛と共にドロー。勝ち点5の中に7チームがひしめく中位争いから頭一つ抜け出すには、アウェイとはいえ勝ち星を挙げたい一戦です。
20.3度と秋の訪れさえ思わせるような涼しさの中でキックオフを迎えたゲームは、まず草津が狙いを体現。2分、細かいパスワークからリンコンの落としを、松下裕樹が枠内ミドル。チームの持ち味をフィニッシュまで繋げます。ただ、序盤こそ押し込まれたものの、少しずつ持ち直した湘南が徐々に攻勢。5分には菊池大介が枠を越えるミドル。7分、ハン・グギョンが右へ展開したボールを、収めた佐々木竜太はドリブルから枠内シュート。10分、菊池の左CKから、こぼれを拾ったハン・グギョンのミドルはDFに当たって枠外へ。11分、高山薫のパスを受けた佐々木は、懐の深いキープからシュートを放つもDFがブロック。5分間に4度のチャンスを集めます。
ところが、チャンスの数と決定力は比例せず。21分、左サイドの熊林親吾から出されたボール。中央にできたエアポケットで受けたのは、まったくのフリーになった松下。「雨だったし、シュートの意識は持っていた」というキャプテンが、ゴールまで35m近い距離から「思いっきり」振り抜いたロングは、いやらしい位置でワンバウンド。スリッピーなピッチに軌道も変化すると、名手・西部洋平も弾き切れず、ボールはゆっくりとゴールネットへ到達。いわゆる"何もない"所から、ホームチームが先制ゴールを奪いました。
さてリードを許した湘南は、あまり見たことのない4-1-4-1がスタートの布陣。ハン・グギョンを1枚アンカーに、右から菊池大介、永木亮太、石神直哉、高山と4枚が並び、1トップには佐々木を配置しましたが、「前回の対戦は永木とハン・グギョンにかなりやられたが、今日はハン・グギョンも後ろで回していることが多かった」と櫻田和樹が話したように、中盤と1トップの連携が薄く、縦へとスピードアップするシーンを創れず。その中でも石神は2列目から飛び出す意識を見せていたものの、一向にボールが出てこない現状を受けて、縦へ走らなくなってしまいます。
加えて、「臼井さんや石神のクロスは怖かった」と松下が言及し、29分に32分と実際に右サイドから臼井幸平がチャンスに結び付くクロスを供給するなど、サイドを崩す形は創出していましたが、中央の枚数が常に足りず、シュートにまでは繋がらない場面が頻発。「前回の2トップの方が出入りも含めて怖かった」とは櫻田。45+1分には永木が右サイドを崩し、中央でフリーの味方へドンピシャで届きそうなボールを、戻った松下がスライディングでクリア。守備陣の集中も途切れなかった草津が1点をリードして、前半は終了しました。
ハーフタイムを挟み、迎えた後半も先に決定機を掴んだのは草津。50分に熊林のラストパスに反応した櫻田が、至近距離から放ったシュートは西部がファインセーブ。リンコンが拾い、古巣復帰後はホーム初スタメンとなる小林竜樹のシュートも西部がファインセーブ。さらに60分にも絶好機。右サイドを抜け出したアレックスが中へ。フリーの小林はダイレクトで狙うも、ボールは枠のわずかに右へ。追加点とはいきませんが、「いつもより意識的にボールを回せた」(櫻田)「テンポ良くボールを動かせた」(松下)とドイスボランチが口を揃えたように、熊林、松下、櫻田、小林と実力者の並ぶ中盤に、「ポストプレーとキープの面でストロングポイントを生かしたかった。起用は良かったと思う」と指揮官も及第点を与えたリンコンのポストワークがマッチし、中盤の構成力で上回った草津が、やや主導権を握る形で推移していきます。
とはいえ、「アタッキングサードまでは、いい形でボールを運べる」と反町監督も話す湘南は、攻撃の回数で考えればおそらく草津と互角かそれ以上。ただ、ゴールへの迫力という意味では、パス精度も含めて物足りなさが残り、決定的なシーンにまでは至りません。61分には、左サイドで持ち味を出し切れなかった高山に替えてアジエルを投入。菊池が左サイドへ移り、右のアジエルと共に少し高い位置を取ることで、4-3-3に近い布陣で同点、そして逆転を狙います。
66分に熊林とアレックスのコンビネーションでGKも外されるピンチを何とか凌ぐと、68分は菊池が左サイドを単騎で突破。やや減速がかかり、シュートは弱くGKにキャッチされたものの、チャンス創出。さらに70分には石神を下げて、Jリーグデビューとなるファン・スンミンを中盤センターへ送り込み、前への意識を強めます。
すると、75分過ぎから湘南がゲームの波をキャッチ。78分、アジエル、菊池、ファン・スンミンと繋いで、アジエルのシュート気味クロスは、なんとか草津GK北一真がキャッチ。79分、ハン・グギョンの鋭いスルーパスから、佐々木は打ち切れず、アジエルのフィニッシュは田中淳が体でブロック。直後に田原豊が最後のカードとして切られ、82分にはアジエル、菊池、山口と回り、菊池のシュートはDFに当たって枠の上へ。84分、アジエルはCKをマイナスに転がし、走り込んだ臼井のシュートはバーの上へ。追い付けません。
最終盤、草津が熊林を起点に90分はアレックス、90+2分は途中出場の萬代宏樹が揃って決定機を逃し、点差は1点のまま。そして90+3分の湘南ラストチャンス。ファン・スンミンがノールック気味にグラウンダーでスルーパス。受けた菊池は右に持ち出し、枠へとキッチリ飛ばしましたが、北が正面で弾き出して万事休す。草津が実に6月4日の千葉戦以来、1ヵ月半ぶりとなるホーム勝利を、雨の中で声を出し続けたサポーターへ届ける結果となりました。
湘南は必ずしも4-1-4-1がハマらなかったとは言い切れない印象です。数字で見ればシュート数は草津より5本多く、両サイドもえぐって上げるクロスが目立つなど、特に攻撃面ではある程度の狙いが具現化されていたと思います。それ故に、フィニッシュ自体とその一歩前の精度不足は気になる所。今日に関しては、ゴールの香りを漂わせることは最後までできませんでした。
草津は「ウチの特徴でもある中盤の構成力が復活した」と副島監督も認めたように、中盤での優位性がそのまま勝ち点3奪取に結び付いた印象です。とりわけ、ドイスボランチの2人は前述しましたが、前回対戦の負けがかなり悔しかったようで「絶対借りを返したいと思っていたら、マツさんも同じことを言ってた。少しは借りが返せたかなと思う」と櫻田。今日くらい攻守の一体感が出てくれば、中位を抜け出す可能性も十分あることを感じさせるような90分間だったと思います。   土屋

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