【4月5日開幕】サッカー高円宮杯プレミアリーグ2025展望 注目チーム・選手を一挙紹介！

大津高校・福島京次

高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2025が、いよいよ4月5日に開幕を迎える。全24チームがEAST、WESTそれぞれ12チームずつに振り分けられ、全国各地で約8か月間にわたって熱戦を繰り広げる、高校年代最高峰のリーグ戦。今回は昨シーズンの戦いぶりを思い起こしながら、今季のプレミアリーグを展望していきたい。

昨季は大混戦となったEASTの優勝争いを制し、プレミア昇格4シーズン目にして初の栄冠に輝いた横浜FCユース。大津高校と対峙したプレミアリーグファイナルのピッチに立った選手が多数残っており、今季のリーグも牽引する存在であることは間違いない。「警戒される立場ではあると思うけど、それに打ち勝ってこそ自分たちが本当のチャンピオンになれると思う」と話すキャプテンのDF佃颯太やMF岩崎亮佑、GK大亀司など好タレントを擁し、連覇を堂々と目指す。

その横浜FCユースと勝点で並びながら、得失点差に泣いて2位となった鹿島アントラーズユースも前評判が高い。中野洋司監督を新指揮官に迎え、昨年から主力を務めるDF大川佑梧、FW吉田湊海、MF大貫琉偉、MF福岡勇和と年代別代表選手もズラリ。「去年は得失点差で優勝できなくて、みんな悔しい想いをしたので、1点に対する強いこだわりがある」（大川）。7年ぶりのリーグ制覇を全員で掴みに行く。

昨年度の高校選手権でファイナリストとなった2チームも見逃せない。前半戦の不調から立ち直って日本一の座に就いた前橋育英高校は、主力の大半が今年も健在。キャプテンのMF竹ノ谷優駕、MF柴野快仁、DF瀧口眞大、MF白井誠也といった特徴のある才能を揃え、プレミア王者の称号を見据える。また、決勝ではPK戦で惜敗したものの、全国準優勝を味わった流通経済大柏高校もモチベーションは十分。MF島谷義進、MF安藤晃希、FW大藤颯太などニュースター候補たちが、自慢のハイプレスと『スモールピッチ』での連動性を武器に躍進を誓っている。

高体連勢では復権を期す青森山田高校も要注目だ。正木昌宣監督も「ある程度プレミア相手でも前でサッカーができそうな気はする」と攻撃力への自信を口に。GK松田駿やDF月舘汰壱アブーバクルなど守備陣にも好選手が並ぶ。昨年度のインターハイ王者の昌平高校は芦田徹監督が新指揮官に就任。MF山口豪太、MF長璃喜の二枚看板を中心に、上位進出の可能性も低くない。未勝利だった前半戦から一転、終盤にかけての驚異的な巻き返しで残留を引き寄せた市立船橋高校も、MF森露羽安やDF篠崎健人を含めた昨季の空気感を知る選手たちに期待が懸かる。

久々のプレミアに燃える“昇格組”も語り落とせない。実に11年ぶりの復帰となる東京ヴェルディユースは、アカデミーでの指導経験も長い小笠原資暁監督の元、MF仲山獅恩、MF今井健人、MF今井宏亮といった年代別代表の常連選手を筆頭に、個性豊かな攻撃陣を生かしたアタッキングサッカーを志向。一方、4年ぶりに帰還した浦和レッズユースは阿部勇樹監督が今季から指揮を執り、DF田中一信、やDF薄井翼、MF和田直哉などプレーオフ経験者がチームをリード。明るい雰囲気と一体感をベースに、旋風を巻き起こす準備を整えている。

クラブOBの森勇介監督がチームを率いる川崎フロンターレU-18も、攻撃的なスタイルに磨きが掛かっている。DF林駿佑、MF楠田遥希、FW恩田裕太郎とセンターラインには確かな軸が通っており、3年ぶりのEAST王者は現実的な目標。昨季は最終節で残留を決めたFC東京U-18は、MF北原槙やFW尾谷ディヴァインチネドゥなどトップチームの公式戦を経験した素材も顔を連ね、タイトル争いに高い意欲を。あと一歩で2024年のEAST優勝を逃した柏レイソルU-18も、年代別代表でも中核を担うMF長南開史やMF加茂結斗に加え、熱血系キャプテンのDF上原伶央も最終ラインで存在感を。昨年の悔しさをエネルギーに、覇権奪取の準備へ余念がない。

WESTではディフェンディングチャンピオンの大津高校が、今シーズンも高い組織力を誇り、優勝候補の一角を占めそうだ。昨季のリーグタイトルを主力で味わったDF村上慶、GK村上葵が守備の中心を託され、前線でもサニックス杯得点王のFW山下虎太郎が急成長中。MF福島悠士とドイスボランチの位置で“福島コンビ”を組む、キャプテンのMF福島京次も「三冠を目指してやっていきたい」と意気込んでいる。

3年連続でWEST2位に甘んじているヴィッセル神戸U-18は、GK亀田大河やMF濱崎健斗、MF瀬口大翔、FW渡辺隼斗など、U-15時代に日本一を経験した世代が最高学年となり、勝負の年を迎えている。サイドからも中央からも崩せる攻撃力は、間違いなくプレミア有数のレベル。悲願達成に向けて、クリムゾンレッドの若武者たちが牙を研ぐ。

高体連勢にも明確な“色”を持った主役候補が勢揃いしている。昨夏のインターハイでベスト4へと食い込んだ帝京長岡高校は、MF和食陽向やMF水澤那月といった攻守に戦える選手を軸に、今季も独特のスタイルを堅持。唯一無二の“ガクエンらしさ”を貫く静岡学園もMF篠塚怜音、FW佐々木雄基などテクニックとサッカーIQを兼ね備えたタレントを有し、相手陣内をアグレッシブに攻略していく。

昨年度の高校選手権でベスト4まで駆け上がった東福岡高校は、伝統のサイドアタックのみならず、前線のFW山口倫生やFW齊藤琉稀空を筆頭に中央からの崩しにも自信を持ち、プレミアを席巻する準備は万端。昨シーズンはインターハイファイナリストながら、選手権での県代表を逃した神村学園高校もDF中野陽斗、MF福島和毅をはじめとした中等部出身の好選手を揃え、今季の上位候補に名を連ねている。

WESTの“昇格組”はEAST同様にプレミア復帰を果たした2チーム。3年ぶりにこのリーグを戦うガンバ大阪ユースは、夏のクラブユース選手権を連覇しており、その実力は折り紙付き。新キャプテンのMF山本天翔にGK荒木琉偉、FW中積爲、FW久永虎次郎など、逸材の共演に注目が集まる。6年ぶりにプレミアへと戻ってきたアビスパ福岡U-18もDF藤川虎三、MF武本匠平と2年生の年代別代表経験者に、DF樺島勇波やDF小浦拓実といった3年生の実力者も加わり、久々となるトップディビジョンへ果敢にチャレンジする。

初昇格のシーズンで残留を果たしたファジアーノ岡山U-18は、既にDF千田遼とMF末宗寛士郎のトップチーム昇格が決定。クラブ史上初のJ1を戦う2025年に、さらなる飛躍の雰囲気も漂う。九州の雄・サガン鳥栖U-18は新指揮官に日高拓磨監督が就任し、DF黒木雄也、MF東口藍太郎の“ダブルキャプテン”がチームを束ね、3シーズンぶりの覇権奪還にトライする1年を戦う。

毎年高強度なチームを創り上げてくる名古屋グランパスU-18も、昨季を主力として過ごしたGK萩裕陽、DF森壮一朗、FW大西利都と各ポジションに注目選手が並び、虎視眈々とタイトルを窺う構え。一昨シーズンのWEST王者・サンフレッチェ広島ユースもGK小川煌、MF野口蓮斗、MF小林志紋など好プレイヤーが要所を支え、プレミア王座をはっきりとその視野へ捉えている。

12月21日のファイナルまで、約8か月に渡って激闘が繰り広げられるプレミアリーグ。今シーズンも高校生のいまが輝く最高のステージから、目が離せない。

文：土屋雅史