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かつては柴崎岳も所属した古豪デポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ
アンチェロッティがサングラスで葉巻を吸ってラリーガの優勝を祝っていた頃、マドリッドから600kmの西のラ・コルーニャでも市民が踊り上がって優勝を祝っていた。オールドファンには懐かしいデポルティーボ・デ・ラ・コルーニャ、愛称スーペル・デポールが連盟1部リーグ(3部相当)で優勝、2部リーグに戻ってきた。柴崎岳が所属していたことで馴染みのある人もいるだろう。
優勝決定が1週間前でCL決勝を控えたレアル・マドリーのセレモニーが多分にショー的なものでだったのに対し、熱狂度ではデポルティーボのファンの喜びぶりがはるかに上回っていた。なにせ、4年ぶりのアマチュアリーグ脱出である。
スペインでは「ラリーガは黄金のカテゴリー、2部は銀のカテゴリー、3部は銅のカテゴリー」と長く呼ばれてきたが、これは正しくない。2部へ降格すると経済規模は10分の1に萎む。すでに2部降格を決めたアルメリアとグラナダは売上高が10分に1になることを想定して来季のチーム作りをせねばならない。「1部は天国、2部は地獄」という形容がより実態に近いわけだ。で、デポルティーボのいた3部というのは「地獄の下」、プロリーグですらなかった。
1部リーグで優勝経験のあるチームは9つしかない。その1つであるデポルティーボはアマチュアリーグにまで落ちていた。ベベット、マウロ・シルバ、ドナート、ジャルミーニャ、リバウド、ロイ・マカーイら世界的なスターとフラン、ファン・カルロス・バレロン、アルベルト・ルーケら国産スターを擁して90年代から2000年代初めまでは2強に次ぐ強豪であり、日本にもファンが多かった。ミラン相手にCL史上に残る大逆転劇(アウェイでの4-1をホームの4-0で引っくり返す)を演じ、ミュンヘンでバイエルンを、オールドトラッフォードでマンチェスターUを破ったこともあるクラブが、17-18には2部に降格、19-20には3部に降格をしていた。
転落の原因は財政破たんだった。あの黄金時代を築いたレンドイロ会長が実は二重帳簿を作り、借金をして大型補強して債務を踏む倒す、とんでもない経営者だった。200億円超の負債を抱えて会社更生法の適用を受けたのが、2013年のこと。再建が終わって同法から脱したのは、わずか1カ月前のことだ。
昇格を決めるゴールを挙げたのは、ルーカス・ペレス。熱心なリーガファンなら覚えているかもしれないが、22年冬に古巣の窮地を救うため、自ら契約解除金を払って1部リーグのカディスを捨てて3部リーグへ降格移籍した美談で話題になった。敗れたバルセロナ・アスレティック(バルセロナB)を率いていたのはマルケスで、数日前までシャビの後継者の有力候補だった。
とはいえ、1部復帰は簡単ではない。デポルティーボの予算は3部では飛び抜けて多かったが、2部では下から数えた方が早い。来季の現実的な目標は残留だ。やはり古豪でアマチュアを脱したラシンが2年目の今季、やっと昇格争いに加われているように。
ラコルーニャには市民の10人に1人がソシオ(人口25万人、ソシオ2万9000人)というスペインで1、2を争う熱心なファンがいる。ソシオの数で言えば、今季のラリーガに入っても上から9番目だ。古豪の復帰がラリーガに熱い風をもたらしてくれることを望みたい。
文:木村浩嗣
木村浩嗣
編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。
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