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サッカー フットサル コラム 2024年3月8日

ACL準々決勝で山東泰山に先勝。中国遠征を立ち直りのきっかけにしたい横浜

後藤健生コラム by 後藤 健生
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リーグ戦で不調に陥っているクラブがカップ戦では快進撃を見せることがある。たとえば、昨シーズン残留争いに巻き込まれていた柏レイソルは天皇杯では決勝進出に成功した。また、国内リーグで苦しんでいるクラブがチャンピオンズリーグで躍進することも珍しいことではない。「異なったコンペティション」とは、そうした現象を言い表す言葉だ。

異なった大会では試合の雰囲気も変わるし、対戦相手も変わる。それが気分転換につながるわけだ。

チームの好不調にはさまざまな原因がある。チーム力が不足している場合もあれば、負傷者が続出するなど不運が重なることもある。いずれにしても結果が出ない状態が続くと選手たちは精神的にネガティブになって、プレーが消極的になったり、勝点差を気にしすぎて慎重になりすぎたりする。

しかし、カップ戦であれば勝点差など気にしないですむし、いつもとは違った対戦相手だと大きな気分転換になる。

リーグ戦の合間の海外遠征はもちろん選手たちにとっては負担になっただろうが、気分転換になることは間違いない。中国なら移動距離も極端に長くないし、アウェー感満載の中国のスタジアムは気分展開にはもってこいだ。

また、Jリーグのチームの場合、海外チームとの対戦では中盤のパス回しがうまくいくという効果もある。

ピッチ・コンディションが悪くてパス回しが難しくなる場合もあるが(ピッチ・コンディションは山東戦でいくつかの決定機を逃がした原因の一つだ)、しかし、日本のチームが得意とするテクニカルなパス回しに慣れていない相手が多いので、Jリーグの試合よりもパスがうまく回せることが多いのだ。

Jリーグでは互いのことが研究されつくされている。そして、Jリーグでは相手チームを分析して相手の良さを消するための対策が講じられることが多い。そのため、どのチームも得意のプレーを発揮できずに苦しむことになる。

だが、韓国や中国の強豪でも、Jリーグのチームに比べると戦術的な緻密さには欠けることが多い。そのため、狙ったようなパス回しができるのだ。

もちろん、パスが回っただけでは勝利にはつながらない。中国のチームには強力な「個の力」を持つ外国人助っ人が存在するので、一発のチャンスで失点してしまうことも多い。

だが、ACLの試合でパス回しがうまくできれば、リズムを取り戻すきっかけにはなる。

開幕早々の中国遠征は横浜FMにとって大きな負担だったろうが、これを立ち直りのきっかけとしたい。いずれにしても、3月13日のホームゲームもきちんと勝利して準決勝進出を決めてほしいものだ。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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