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サッカー フットサル コラム 2024年2月27日

ユナイテッドが恥の上塗り!ワースト記録更新の確率100%

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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低調なパフォーマンスに終始したフラム戦は1-2の敗北。例によって、攻守とも共通認識を欠いていた

低調なパフォーマンスに終始したフラム戦は1-2の敗北。例によって、攻守とも共通認識を欠いていた

マンチェスター・ユナイテッドが有能なレフトバックを失った。

ここ数シーズン、ハムストリングの不調を訴えつづけていたルーク・ショーが、またしても戦線を離脱した。復帰は早くても4月下旬。「無理はさせず、来シーズンに備えた方がいい」と、メディカルスタッフがエリク・テンハフ監督に進言したとの情報もある。

ショー不在の左サイドは攻守ともにパッとしない。ウイングが孤立し、後方からのビルドアップは精度を欠く。セルヒオ・レギロン(現ブレントフォード)を早く見切りすぎたようだ。

しかし、過ぎたことを愚痴っても仕方がない。ヴィクトル・リンデレフ、3月中旬には復帰するはずのタイレル・マラシアでカバーするか。

いや、フィジカル、スピード、ビルドアップなど、近代フットボールでは通用しないレヴェルのリンデレフでは心もとない。マラシアは人とボールに振りまわされ、ポジショニングが疎かになる。

現時点では3月初旬復帰予定のアーロン・ワン=ビサカをライトバックに据え、左にディエゴ・ダロトという人選が最善だろう。前者の攻撃センスには大きな疑問符が付くものの、守備時の対人はリーグ屈指の柔軟性と強度を誇る。後者は高い位置でのプレーを好むため、左ウイングの攻撃力が活かされる公算が大きい。

それにしても、今シーズンのユナイテッドは負傷者が多すぎる。全休のマラシアをはじめ、アマド・ディアロは27試合、メイソン・マウントが24試合の公式戦を欠場。二けたの欠勤はリサンドロ・マルティネス、コビー・メイヌー、アントニー・マルシャル、カゼミロ、ショー、ワン=ビサカ、リンデレフと、多くの主力が名を連ねている。まさに “野戦病院” だ。

好調ラスムス・ホイルンドまでもが筋肉系のトラブルで欠場(3月中旬復帰予定)したのは激痛だ。

ただ、多かれ少なかれ、全クラブが負傷者を抱えている。不測の事態に備え、次善策を整えるのが指揮官の務めだ。

いったい、テンハフは選手たちになにを伝えていたのか。26節のフラム戦は、見るも無残な内容で1-2の敗北を喫した。全体的に動きが重く、ノンプレッシャーでもポゼッションを失う。マーカス・ラシュフォードは奪われたボールを取り返す努力もせず、ブルーノ・フェルナンデスは無謀なパスでつかみかけたリズムを手放していた。

また、フラムの最終ラインが低かったにもかかわらず、裏狙いのロングボールを放り込んでいた。ボールが収まらないラシュフォードを最後まで引っ張った理由が分からない。先発起用のオマリ・フォーソン、53分に投入されたクリスティン・エリクセンとスコット・マクトミネイは、いずれも存在感が乏しかった。ゲームプランは存在しない。

「不用意だった。もっと上手にブロックできたはずだ」
「フラムのスローインの際、犯してはいけないミスを犯した」

試合後、テンハフは苦渋に満ちた表情で2失点を振り返ったが、責任転嫁にも聞こえてくる。具体名こそ伏せたが、選手批判を匂わせた。監督として不用意な発言であり、犯してはいけないミスだ。このままでは、選手の心が乖離する。

早くも10敗。2013/14、15/16、18/19、21/22シーズンに続く不名誉な数字であり、サー・アレックス・ファーガソン退任後は五度目の屈辱だ。しかも、残りが12試合もある。13/14と21/22シーズンに記録したクラブ史上ワースト(プレミアリーグ発足後)となる12敗に到達する日も遠くない。“恥の上塗り“ は100%決定か。

24年の公式戦6勝1分け無敗という好ムードは、テンハフの謎采配によって瞬く間に消え去った。

「チャンピオンズリーグ出場権確保は至上命題」

共同オーナーに就任したジム・ラトクリフ卿が公言している。テンハフの立場は一段と怪しくなってきた。強度が高すぎるトレーニングも選手間で不評を買っているという。

直近のプレミアリーグ5試合では100本ものシュートを許している。次節は、マンチェスター・ダービーだ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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