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サッカー フットサル コラム 2024年2月13日

名実ともにチームの顔!チームと契約更新の久保建英がパリ・サンジェルマンに挑む

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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レアル・ソシエダの名実共に顔となった久保建英

レアル・ソシエダの名実共に顔となった久保建英

久保建英の契約更新のニュースが飛び込んできた。22年の5年契約という長さは期待の大きさの表れだったが、2年経って2年延長して29年までの計5年契約となったことも、重要性の表れである。このタイミングでの発表は、大一番のパリ・サンジェルマン戦に向けて盛り上げていく、ということで間違いない。

それは久保がソシエダの看板であることを意味する。キャプテンで生え抜きのオヤルサバルは欠場が濃厚。例えばPSG対ソシエダのPR用サムネイルを作るとすれば、エムバペと久保が肩を並べるということだ。

契約解除金は6000万ユーロが維持されている。次のステップアップを期待する日本のファンもいるだろうが、CL優勝候補クラスのクラブは欲しければ6000万ユーロでも持っていく。なので、この契約延長はステップアップの障害にはならない。6000万あるいはそれに近い値段で持っていかれるなら、久保もソシエダも万々歳だ。

アジアカップ終了後、カタールから直接スペインへ飛んだ久保は、コパ・デルレイのマジョルカ戦、先週末のオサスナ戦と2試合連続で先発フル出場している。オサスナ戦ではPSG戦で先発が見込まれるル・ノルマン、ブライス・メンデス、トラオレ、バレネチェアが先発から外れたが、久保は先発した。62分の最初の交代時にベンチを見た久保は下りかけたが、バレネチェアに制された。先発していたミケル・メリーノはこのタイミングで下がったが、久保は残った。なぜなら、彼が崩しのすべてだからだ。

右サイドで開いて待ち、1対1はもちろん1対2でも仕掛けてセンタリングやシュートに持ち込めるほど、ドリブルは切れている。アジアカップではトップ下で追い越した仲間の足下への絶妙のスルーパスを見せていたが、ソシエダではそれは最優先ではない。右サイドに開かせスペースを与えて単独で勝負させる、が最も求められるプレーで、中へ入ってのコンビは流れの中で生まれる、サブの選択肢に過ぎない。

ソシエダは久保の不在時も含めて384分間ゴールがないままパリへ向かう。これはマジョルカ戦で久保のセンタリングを空のゴールで外したサディクに代表されるCFの責任である。久保は崩せている。アジアカップの疲れをまったく感じさせない。だから、休養予定を返上して連続フル出場した。

PSG戦ではオヤルサバルを除くベストメンバーがそろう。看板の久保はもちろん先発。唯一、アルグアシル監督の迷いどころはCFだが、先発は動けてコンビができるアンドレ・シウバ、交代でロングボールを落とせるサディクが入る、という順番になるのではないか。これはつまり、敵地なので堅実な戦い方で入って、終盤にロングカウンターを狙うというプランである。

ソシエダはポゼッションを諦めないだろうが、得意の戦術的なファウルを連発しての肉弾戦も買って出るだろう。0-0、1-1なら成功、負けても1-0なら悪くない。第2レグに勝負を持ち込むのが現実的な狙いとなる。

日本のファンにとっては、エムバペ対久保、という見方で構わない。サッカーは個対個では決してないのだが、お祭りだし、同じ芝生の上で比べられる幸運を思う存分、楽しみたい。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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