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サッカー フットサル コラム 2024年1月10日

遠藤とサラー不在のリヴァプールは一か月で7試合を

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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自力でレギュラーポジションを勝ち取った遠藤。いまやプレミアリーグ屈指のアンカーだ

自力でレギュラーポジションを勝ち取った遠藤。いまやプレミアリーグ屈指のアンカーだ

あの男がピッチに立っているときは──。
11勝3分1敗
34得点・13失点
勝率73・3%

あの男の姿がピッチに見えないときは──。
2勝3分
9得点・5失点
勝率40・0%

あの男とはリヴァプールの遠藤航だ。1月2日現在のデータ(OPTA)は誇らしい。How Wataru Endo Became One of Liverpool’s Most Important Players (theanalyst.com)

加入直後は酷評された。モイセス・カイセドやロメオ・ラヴィアをチェルシーに奪われた悔しさも手伝って、地元紙『LIVERPOOL ECHO』でさえ「ワタル・エンドウに疑問」と報じていた。わずか1~2試合で見放すかのような内容だ。

なぜ、ユルゲン・クロップ監督を信じなかったのだろうか。ドイツ人の情熱的な名将は、これまでも選手がフィットするまで待ちつづけた。ハルからやって来た当時のアンディ・ロバートソンには半年近い試用期間を設け、ファビーニョはライトバックで起用したり、アンカーをふたりにしたり、試行錯誤を繰り返した。

クロップの辛抱強さによりロバートソンはワールドクラスのレフトバックに成長した。ファビーニョも名うてのアンカーとして一世を風靡した。こうした事実をふまえれば、短期間で判断することがどれだけ愚かかよく分かる。

近ごろの『LIVERPOOL ECHO』は遠藤を絶賛し、否定的な見方をしていたOBも次々と手のひらを返している。日本代表のキャプテンはみずからの力でチームの信頼を勝ち取り、昨年12月にはクラブの月間最優秀選手にも選ばれた。

思いっ切りふんぞり返ってやれっ!

さて、いまやリヴァプールに不可欠となった遠藤はアジアカップのために、不動のエースであるモハメド・サラーはアフリカ選手権のため、最長2月12日まで留守にする。

また、右肩を脱臼したロバートソンが復帰まで一か月、鎖骨骨折のコスタス・ツィミカスは二か月ほどかかるレフトバックは悩ましい。センターバック、もしくはライトバックが適性とされるジョー・ゴメス、19歳のルーク・チェンバーズ、ローン先のダンディFC(スコットランド)から急きょ呼び戻したオーウェン・ベックでしのぐしかない。

さらに、1月7日のアーセナル戦でトレント・アレクサンダー=アーノルドが右ヒザを負傷。「2~3週間は戦列を離れる」と、アシスタントコーチのペパイン・ラインデルスが実情を明かした。

「予算に見合う選手がいるのなら、補強もやぶさかではない」

クロップの決まり文句ではある。

しかし、リヴァプールは今夏にセンターバックとライトバックの補強を目論んでいる。ことし7月に33歳を迎えるフィルジル・ファンダイクの後継者(板倉滉をモニタリング中)は、一刻も早く探し当てなくてはならない。いよいよ本格化してきたTAアーノルドのインサイドハーフ転向に伴い、守備強度の高い一流DFも必要だ。

したがって今冬の補強に巨費は捻出できず、現有勢力のまま現地時間10日から一か月で7試合の過密日程に突入する。

◆1月10日/リーグカップ準決勝第一戦
VSフラム(H)
◆1月21日/プレミアリーグ第21節
VSボーンマス(A)
◆1月24日/リーグカップ準決勝第二戦
VSフラム(A)
◆1月27日/FAカップ4回戦
ノリッジ対ブリストル・ローヴァーズ戦の勝者(H)
◆1月30日/プレミアリーグ第22節
VSチェルシー(H)
◆2月4日/プレミアリーグ第23節
VSアーセナル(A)
◆2月10日/プレミアリーグ第24節
VSバーンリー(H)

息をつく暇もない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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