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サッカー フットサル コラム 2023年11月30日

カードの色がイエローからレッドに変わるかもしれない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ケガのために多くの主力を失ったブライトン。三笘のコンディションもベストにはほど遠い

ケガのために多くの主力を失ったブライトン。三笘のコンディションもベストにはほど遠い

12月の過密日程がやって来た。プレミアリーグの恒例行事である。

ヨーロッパのコンペティションに出場するクラブは8試合、クラブワールドカップにも参戦するマンチェスター・シティは9試合、そのほかは7試合。負傷者とともに、累積警告による出場停止も避けなくてはならない。レフェリーに対するクレームにも細心の注意が必要だ。

現時点でイエローカード四枚、いわゆる “リーチ” はマンチェスター・ユナイテッドのブルーノ・フェルナンデス(正しくはフェルナンヂと発音するらしい)、マンチェスター・シティのロドリ、エヴァートンのアブドゥライ・ドゥクレ、さらにチェルシーのラヒム・スターリング、ニューカッスルのキーラン・トリッピアなど計27名だ。

アストンヴィラはドゥーグラス・ルイスとマット・キャッシュ、ルカ・ディーニュの3選手が週末のボーンマス戦で警告されると、6日開催予定のシティ戦は大きな戦力ダウンを免れない。

また、過密日程で体力が損なわれた場合は動きが鈍り、届いていたはずのタックルでもボールを奪えない。相手の足を引っかけていた。VARの結果、カードの色がイエローからレッドに変わる。

13節終了時点で、リヴァプールのフィルジル・ファンダイク、アレクシス・マカリスター、トッテナムのディステニー・ウドジェ、アーセナルの冨安健洋など、実に27名が退場処分になっているが、疲労が蓄積する12月はより冷静な対応が望まれる。

もっとも、近年のプレミアリーグからは “荒くれ者” が消えた。その昔は喧嘩上等も少なくなく、闘う前から血生臭い雰囲気すら感じられた。

レッドカード七枚で歴代ランキング4位タイに入るヴィニー・ジョーンズ(元ウィンブルドン他)、ロイ・キーン(元ユナイテッド他)、リー・カタモール(元ミドルズブラ他)などは、VARが導入された現代であれば長期の出場停止処分を科されるだろう。とにかく荒かった。

シティやニューカッスルなどに在籍し、同じく4位タイのジョーイ・バートンは両足ストンピング、鋭角エルボー、背後からのタックルなど、悪意に満ちたプレーでヒンシュクを買っていた。

なお、現役最多はブライトンのルイス・ダンクで五枚。31歳という年齢、VARをふまえると、歴代最多八枚のリチャード・ダン(元エヴァートン他)に肩を並べかねない。

ただ、この両選手に荒くれ者のイメージはない。クラブを敗戦から救うやむをえないタックル、キャプテンとして同僚を守ったクレームなどが災いしたのだろうか。

ちなみにブライトンは、ペルビス・エストゥピニャン、タリク・ランプティ、アンス・ファティ、ダニー・ウェルベック、フリオ・エンシーソ、アダム・ウェブスター、ジェイムズ・ミルナー、イゴール、ソリー・マーチといった主力が負傷に倒れ、マフムード・ダフードとダンクは週末のチェルシー戦は出場停止だ。三笘薫の体調も思わしくない。

非常事態である。

プレミアリーグを闘うクラブにとって、12月は山場だ。負傷者がいち早く復帰し、累積警告・退場による戦力ダウンを回避したクラブだけが、目標に向かって走りつづける。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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