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ところが、ポーランドは事前合宿中に選手4人が飲酒したことが発覚。4人がチームを離れ、U-17ワールドカップでは登録が21人なので、控え選手がわずか6人しかいない状態だった(しかも、そのうち2人はGK)。
また、湿度の高い気候の中での戦いも、スコールによる中断もポーランドの選手たちはあまり経験がなかっただろう。
その点、日本の選手たちはつい1か月前ほど前まで日本の猛暑の中でプレーしていたし、アジアカップは同じ東南アジアの蒸し暑い気象条件にも慣れている。やはり、“インドネシア開催”は間違いなく日本有利に働いたようだ。
こうして、次第に疲労の色が濃くなるものの選手交代もままならず、予想通りポーランド選手の足は少しずつ止まっていった。
「相手のプレッシャーが緩むとテクニックが発揮できる」とは森山佳郎監督の弁である。
後半に入ると組み立ての上手い山本丈偉を入れてゲームを立て直し、さらに高岡や道脇豊などFWを投入して攻撃力を上げていった。
そして、76分の歓喜の瞬間を迎えたのだ。ゲーム運びがうまくはまったのは間違いない。
だが、前半の、相手が元気な時間帯にも日本代表は数多くのチャンスを作っていた。
ワントップに抜擢された井上愛簾(サンフレッチェ広島ユース)はいきなり左サイドの吉永夢希(神村学園高校)からのクロスをディングで狙ったのを皮切りにポストをかすめるシュートを何度も放っていた。井上より少し下がった位置でプレーした徳田誉(鹿島アントラーズユース)もスケールの大きさを垣間見せた。
だが、彼らのシュートがわずかにはずれる場面が続いたことによって、次第にポーランドがチャンスをつかみ始め、以後、前半は日本が守りに回る時間が多くなったのだ。
試合内容から言えば、前半のうちに2対2くらいのスコアになっていてもおかしくない展開だった。
「チャンスを作れないのではなく、チャンスを決めきれない」。
両チームともに、そんな流れを引きずって前半の45分を終えた。
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