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サッカー フットサル コラム 2023年11月10日

昇格3チームが相変わらず苦しみ、古強者は持ち直してきた

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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11節のブライトン戦ではほぼ掌中にした勝利を手放したものの、エヴァートンは復調傾向にある

11節のブライトン戦ではほぼ掌中にした勝利を手放したものの、エヴァートンは復調傾向にある

11試合消化時点のリーグワーストである。

今シーズン、プレミアリーグに昇格したシェフィールド・ユナイテッド、バーンリー、ルートンが挙げた勝点は、3チーム合わせてもわずか14だ。2014-15シーズンにレスター、バーンリー、クィーンズパーク・レンジャーズが記録した24ポイントを大きく下まわる恥ずかしい現実……。

11節、シェフィールド・Uがウォルヴァーハンプトンから3ポイントを奪い、ルートンもリヴァプールに引分けたとはいえ、明るい兆しが見えたと断言できるような試合内容ではなかった。

さて、昇格3チームとともに下馬評が低かったノッティンガム・フォレスト、エヴァートンといった “古強者”(ふるつわもの)が健闘している。

「監督をリスペクトしないオーナーのもとで闘うのだから、本当に気の毒だよ」

フォレストのスティーヴ・クーパー監督を心配するメディア、サポーターは少なくない。なにしろオーナーのエバンジェロス・マリナキスは、現場の声には耳を傾けずに選手を乱獲する。「カネを使っているのだからすぐに結果を出せ」タイプの典型だ。始末に負えない。

しかし、クーパーは不平不満を表に出さず、昨シーズンは残留に導いた。また、今シーズンの11節はホームで難敵アストンヴィラを2-0で下し、降格圏(まだまだ先は長いが)とは7ポイント差の12位につけている。

そう、フォレストの強さは本拠シティ・グラウンドにある。このアストンヴィラ戦も含め、今シーズンは2勝3分け無敗。昨シーズン33節のブライトン戦から数えると5勝5分け無敗。ホームの10戦は一度も負けていない。

アウェーのウェストハム戦とインターナショナル・ウィークを挟み、13節はホームでブライトン戦だ。無敗記録を更新するには、厳重な三笘薫対策が必要だ。

エヴァートンも直近5試合は2勝1分け2敗。持ち直してきた。ポゼッションというトレンドとは一線を画すカウンターが基本プランだが、ドミニク・カルバート=ルーイン、アブドゥライ・ドゥクレ、アマドゥ・オナナの高さ、強さを存分に発揮できるシステムだ。

ボール奪取後は素早く、分厚く攻め、ハイプレスも怠らない。ミドルゾーンと低めのラインを使い分けるDFにはリーグ屈指のシュートブロッカーであるジェイムズ・タルコフスキを擁し、GKジョーダン・ピックフォードのロングパントは正確だ。しかも、この男は “ゾーン” に入るとビッグセーブを連発する。

11節のブライトン戦は最終盤の失点で1-1の痛み分けに終わったものの、エヴァートンの魅力は存分に発揮されていた。

このところポゼッションがもてはやされている。猫も杓子も後ろからつなぎたがる。だが、選手の個性を無視してトレンドを追えば失敗する。つなげないタイプにポゼッションを強要するのは拷問だ。

「カウンターのなにが悪いというのか」

エヴァートンのショーン・ダイシ監督は、みずからのプランを変えるつもりはない。

ピックフォードのロングパントにカルバート=ルーウィンが競り勝ち、こぼれ球にオナナが、ドゥクレが、さらにジェイムズ・ガーナー、ジャック・ハリソンとドワイト・マクニールが殺到する。

シンプル・イズ・ベスト──。これがエヴァートンの信条だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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