ラ・リーガ、ジローナが単独首位かつプレー内容でも際立つという事態

それを裏付けるのが、プレーの美しさ。

10本以上のパスを連続して繋いでの得点数4は、レバークーゼンとパリ・サンジェルマンの6、バイエルンとブライトンの5に次ぐもの。アルメリア戦では22本連続パスの後に得点を挙げている。

パスを繋ぎ相手を引き付けてから、大きなサイドチェンジや緩から急のスピードアップで崩す、というポゼッションサッカーのお手本のような姿を見るならば、今は3強でもソシエダでもなくジローナなのだ。

3強以外のチームが優勝したのは01-02のバレンシアが最後で、11-12を最後に3強以外がトップ3入りしたこともない。カレンダーを見るとバルセロナとアトレティコ・マドリーとの対戦はこれからで、レアル・マドリーには敗れている。

優勝なんて誰も夢見ていないが、欧州カップ戦出場権獲得は現実的な目標だと言える。暗いニュースばかりの世の中で、格差社会のラ・リーガだから、こういう夢のあるサプライズがあると、サッカーもまだ捨てたものじゃないな、とうれしくなる。

文：木村浩嗣