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サッカー フットサル コラム 2023年10月18日

分厚い選手層を誇るイングラドはEURO2024の優勝候補だ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ジュード・ベリンガム

ベリンガムはケインとともにイングランドの屋台骨を支える。スケールの大きなMFだ

それにしても強くなった。

10月17日のイタリア戦に勝利を収めたイングランドは、EURO2024の出場権を手にしている。

“フットボールの母国” にもかかわらず、メジャー大会の優勝は1966年に地元開催したワールドカップだけだ。しかも、決勝の西ドイツ(現ドイツ)戦は極めて微妙。ジェフ・ハーストのシュートは、VARで審議すればゴールラインを割っていない公算が大きい。

その後のワールドカップも精彩を欠き、74年、78、94年大会は予選で敗れている。「愚直が過ぎるロングボール」「ガリー・リネカーに頼りすぎ」「“天才” ポール・ガスコインのセンスが活かしきれていない」などなど、各方面から手厳しい批判が殺到した。

また、デイヴィッド・ベッカム、ポール・スコールズ、リオ・ファーディナンド、スティーヴン・ジェラード、フランク・ランパードなどの絢爛豪華なスターを擁したチームも、所属クラブ間のライバル意識から統一感を欠き、国民の期待を大きく裏切っている。

度重なる失態に業を煮やしたFA(イングランド・フットボール協会)が、長期的なプランで強化に乗り出したのは1997年のことだ。各地から才能豊かな少年を集め、あしたのイングランド代表をじっくりと育成することになった。

その甲斐あって、若手のビッグトーナメントでは次々と好結果がついてきた。アンダー17は14年ヨーロッパ選手権と17年のワールドカップを、U19は17年と22年のヨーロッ選手権を勝ち取った、さらにU20は14年に世界を制し、U21は今夏のヨーロッパ選手権でテッペンに立っている。

さて、現チームの長所は分厚い選手層だ。

ライトバックはリース・ジェイムズ、カイル・ウォーカー、キーラン・トリッピア、トレント・アレクサンダー=アーノルド多士済々だ。

負傷のために今回は招集が見送られたルーク・ショーとベン・チルウェルは世界でもトップランクのレフトバックであり、成長著しいリーヴァイ・コルウィルはレベルの高い定位置争いに割って入る勢いだ。

中盤のデクラン・ライス、右ウイングのブカヨ・サカもワールドクラスの名手で、今シーズンは不振にあえいでいるマーカス・ラシュフォードも、イタリア戦(前出)のゴールで復調のきっかけをつかめるかもしれない。

そして、ハリー・ケインとジュード・ベリンガムである。

30試合で33ゴールに関与するなど、ケインはベテランの域に入っても衰え知らずだ。チャンス創出だけでなく、プレスバックやパスコースの限定など、守備面の貢献も非常に大きい。頼りになるキャプテンだ。

ベリンガムはラ・リーガで五回、チャンピオンズリーグで二回、さらに17日のイタリア戦でもマン・オブ・ザ・マッチに輝いた。スコットランド戦(EURO2024予選)も含めると計九回。今シーズンは開幕して二か月強。凄まじいハイペースだ。

トップ下で、インサイドハーフで、なおかつ中盤センターでも異彩を放てるのだから、ベリンガムは “特殊能力者” なのかもしれない。

「ケインとベリンガムのバックアッパーが見当たらない」との指摘もある。だが、各国とも絶対的な選手の代役は見当たらず、そのあたりはチーム力でカバーしている。いま、イングランド代表は各ポジションにすぐれたタレントを擁している。GKの層に若干の不安はあるものの、大きな欠点とも表現できない。

66年ワールドカップ以来、58年ぶりの栄冠に向けてイングランドの視界が開けてきた。EURO2024は優勝候補の一角……いやいや、最右翼といいて差し支えない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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