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サッカー フットサル コラム 2023年10月13日

サンチョにもマグワイアにもテンハフにも言い分はある

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ジェイドン・サンチョ、ハリー・マグワイア

サンチョ(左)、マグワイア(中央)ともに現状には満足していない。来年1月、揃って退団も考えられる

マンチェスター・ユナイテッドの内紛は、いまに始まったことではない。

サー・アレックス・ファーガソンはロイ・キーン、ヤープ・スタム、ルート・ファン・ニステルローイ、デイヴィッド・ベッカムと意見がかみ合わず、キャプテン、鉄壁のディフェンダー、攻撃の要、唯一無二のスーパースターを、惜しげもなく放出している。

ロッカールームのリーダーだったリオ・ファーディナンドを掌握できなかったデイヴィッド・モイーズは九か月で監督の座を追われ、ジョゼ・モウリーニョとポール・ポグバは罵りあっている。

また、オーレ・グンナー・スールシャールは言葉に出さなかったものの、練習態度が悪かったアレクシス・サンチェスを干し、公の席で批判されたヴィクトル・リンデレフとハリー・マグワイアは、ラルフ・ラングニックの指示には耳を貸さなかった。

そしてエリク・テンハフも、選手との軋轢が報じられている。昨シーズンはクリスチャーノ・ロナウドだ。

「リスペクトが感じられない」

先発から外れたC・ロナウドは旧知のジャーナリストに不満をぶちまけ、ユナイテッド批判までまくしたてた。テンハフはみずからの戦略・戦術に適さなかったための選手起用だったが、C・ロナウドのプライドはそれを許さなかった。

さらに、今シーズンはジェイドン・サンチョともめている。両者の対立は練習態度の良し悪しがきっかけとなり、双方の言い分は180度違う。

「クラブハウス内の食事を含め、トップチームとの接触を全面的に禁止したテンハフの行為はハラスメントにあたる」との指摘があれば、「サンチョは遅刻癖が治らない。厳しい処分が下されたのは当然だ」という声も聞こえてきた。

現時点で、どちらも歩み寄ろうとはしていない。

さて、サンチョほどではないにせよ、マグワイアも現状に不満を抱くひとりだ。

「ユナイテッドで定位置を奪回するまで全力を尽くす。この考え方に変わりはない。ただ、来年1月になっても控えが続くのなら、移籍も検討しなくてはならない」

イングランド代表でレギュラーポジションを守る最善策は、所属クラブでの常時出場だ。マグワイアは正論を吐いたに過ぎない。テンハフも「マグワイアなら定位置を取り戻せる」と語ったばかりであり、前キャプテンは争いごとが大嫌いな常識人だ。C・ロナウドのような騒動に発展する恐れはまったくない。

ただ、マグワイアは序列が落ちている。一昨シーズンまでは鉄板のレギュラーだったにもかかわらず、昨シーズンはリサンドロ・マルティネス、ラファエル・ヴァラン、リンデレフに次ぐ……いや、本来はレフトバックであるルーク・ショーの後塵まで拝してしまった。

しかも、今シーズンはジョニー・エヴァンズを獲得し、来年1月の移籍市場ではアントニオ・シウバ(ベンフィカ)、ジェン=クレール・トティボ(ニース)、エドモンド・タプソバ(レヴァークーゼン)と、いずれも右利きのCBにターゲットを定めた。マグワイアにすれば「冗談じゃねーぞ!」である。

テンハフが最終ラインの設定を低くしないかぎり、マグワイアは定位置を奪回できない。ユナイテッドが新CBの物色を始めたのは周知の事実だ。ヨーロッパ選手権は2024年6月に開幕する。決断は、早い方がいい。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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