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サッカー フットサル コラム 2023年10月6日

PGMOLが謝罪したケースは14件にも及んでいる

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ディオゴ・ジョタ(リヴァプール)にレッドカードを出すサイモン・フーパー主審

判定に関するヒューマンエラーが続出するプレミアリーグ。トッテナム対リヴァプール戦でも……

今シーズンのプレミアリーグは、いや、今シーズンのプレミアリーグ “も”、マッチオフィシャルが物議をかもしている。

トッテナムのクリスティアン・ロメロはペナルティボックス内で手を広げていたが、マンチェスター・ユナイテッド戦はノーハンド、ノースロンドン・ダービーはハンド。ジャッジが統一されていない。

また、ユナイテッドGKアンドレ・オナナのレイトチャージが見逃されたり、アーセナルの冨安健洋が不可解な判定で退場になったり、毎週のようにマッチオフィシャルがメディアの脚光を帯びている。

なかでも冨安に二枚目のイエローが提示された遅延行為に関しては、今シーズンからばかげたほど厳格化し、選手や監督の意見も聞かずに採用した新ルールに起因している。円滑な試合運営と主審のプレシャー軽減という観点から、クレームと必要以上の遅延は警告の対象になった。

だが、クレームをつけられただけでビクビクしながらイエローを提示する主審がいれば、監督、選手とのコミュニケーションを重視するアンディ・マドレーのように、丁寧に説明するタイプもいる。

遅延の設定も曖昧で、何秒までなら許されるのか。アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督の言葉を借りるなら、「ストップウォッチが必要だ」。

そしてVARは、またしてもヒューマンエラーが起きた。いま、第7節のトッテナム対リヴァプール戦が大問題になっている。サイモン・フーパー主審とVAR担当のダレン・イングランドが詳細な確認を怠った結果、リヴァプールはルイス・ディアスのゴールが取り消された。

「われわれのミスだ。申し訳ない」

後に『Professional Game Match Officials Limited』(PGMOL=プロ審判協会)のチーフを務めるハワード・ウェブが謝罪。誤審を招いたマッチオフィシャルの音声をプレミアリーグに提出するとともに、今シーズンいっぱいはイングランドをリヴァプール戦の担当から外すと発表したが、後味が悪すぎる。

さらに、マイク・ディーンの発言が混乱に拍車をかけている。

「アンソニー・テイラー主審に負担をかけたくなかったため、VARでの確認を意図的に進言しなかった」

昨シーズンかぎりでレフェリー業から退いた彼は、VARを担当した22年8月14日のトッテナム対チェルシー戦を振り返った。ロメロ(前出)がマルク・ククレジャの髪を引っ張ったにもかかわらず、イエローカードすら提示しなかったことをいまだに恥じているという。

なんのためのVARなのか!

2021/22シーズンの導入後、ヒューマンエラーによって『PGMOL』が謝罪したケースは14件にも及んでいる。プレミアリーグの各クラブと良好な関係を築くのは難しいデータであり、信頼性はあまりにも希薄だ。

「VARは万能ではないと考えるしかない」

トッテナムのアンジェ・ポステコグルー監督が語ったように、このテクノロジーに多くを期待するのはやめた方がいいのかもしれない。

今週末の大一番、アーセナル対マンチェスター・シティ戦はマイケル・オリヴァーが主審を務め、VARはジョン・ブルックスが担当する。判定でもめなければいいのだが……。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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