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来シーズン(2024/25シーズン)から、AFCは従来の“拡大路線”から“エリート化路線”に転換する。従来のAFCカップと統合して参加クラブは76に拡大し、それを3つの階層に分けてトップの「ACLエリート」に参加するのは24クラブだけとなるのだ(詳細は未定)。
まさに「朝令暮改」。あまりにもレギュレーションの変更が多すぎるのではないか?毎年のように大きく大会方式が変わるのでは、参加クラブも対応が難しくなってしまう。
“エリート化”の目的は、強豪クラブ同士の試合を増やすことなのだろう。たしかに、浦和対理文のような試合が多くなっては、大会に対する興味すらも失われる。“エリート化”は必然の流れなのだろう。
ACLを3つのカテゴリーに分けるというのは、欧州サッカー連盟(UEFA)がチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグ、カンファレンス・リーグの3大会を主催していることを真似たものだ。
UEFAがカップ戦(クラブの大会)でビジネス的に大成功したのを見て、AFCもそれに倣ってテレビ放映権料でひと儲けしようと、AFCの理事たちはUEFAの真似をしているのだ。
だが、クラブの大会のレベルが非常に高く、世界のどこに行っても有料テレビ局のキラーコンテンツとなりうる欧州のカップ戦と、アジアのカップ戦とでは競技レベルも、またファンの関心度も雲泥の差だ。
はっきり言って、ACLでは自国のクラブ以外の試合を見る人はそれほど多くないはず。そんな中で大会方式だけ欧州を真似しっとしても、あまり意味があるとは思えない。大会方式をコロコロと変えて大儲けを狙うのではなく、「いかにしてアジア全体の競技レベルを上げるか」を地道に考えてほしいものだ。
いずれにしても、現行方式最後となる今シーズンのACLで日本を代表して戦う4チームの検討に期待したい。
この数年、J1リーグでは川崎フロンターレと横浜F・マリノスの両クラブがパスをつなぐ超攻撃的スタイルで圧倒的な成績を収めてきた。
だが、今年は川崎が中位に低迷しており、一方、横浜は首位に立っているが、昨年までのような相手を圧倒する内容で勝っているわけではない。
ヴィッセル神戸や名古屋グランパスのように、激しいアグレッシブな守備を仕掛け、カウンターを狙ってくるチームが増えたからでもある。「守備力の強化」。それは、Jリーグにとって進歩なのか、それとも攻撃サッカーの低迷期と見るべきなのか、判断が難しいところだ。そういう意味で、ACLでの“他流試合”をぜひ見てみたい。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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