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サッカー フットサル コラム 2023年7月7日

ユナイテッドの背番号7はサポーターの期待に応えていない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベッカムとカントナ

崇高、かつ傲慢なイメージを漂わせ、7番が特殊能力者であることを証明したカントナ(右)とベッカム(左)

メイソン・マウントがマンチェスター・ユナイテッドの背番号7を担うことになった。背番号が固定された1993/94シーズンから数え、十一代目のエースナンバーである。

ラスト30メートルのパスワーク、オフ・ザ・ボールのクオリティ、前方からのプレス、強烈なミドルなど、マウントはユナイテッドに大きなプラスをもたらすに違いない。24歳という若さも魅力的だ。7番にふさわしいタレントである。

さて、初代7番はエリック・カントナだ。ユニフォームの襟を立てたたたずまいは “キング” の風格にあふれ、多くの選手が畏敬の念を持って接していた。

二代目のデイヴィッド・ベッカムは、いまも昔もフットボール界きってのイケメンであり、その右足から繰り出される正確無比のクロスは、無限のチャンスを創出した。

三代目はクリスチャーノ・ロナウドだ。その後の活躍に関しては、改めていうまでもない。

実はここまで、である。

四代目のマイケル・オーウェンはハムストリングの負傷に悩まされ、後継のアントニオ・バレンシアはプレッシャーに苛まれ、一年で7番から25番に戻している。

さらに、六代目のアンヘル・ディマリアはレアル・マドリーからの移籍に納得していなかったため、低調なパフォーマンスに終始した。しかも、彼と家族が留守中に泥棒に入られ、精神的に参ってしまった。

「痩せた人間ばかりで、食事もまずい。太陽も当たらない」

マンチェスターを後にして8年が過ぎたというのに、ディマリアの奥方は依然としてマンチェスター批判を繰り返している。

また、七代目のメンフィス・デパイは7番の器ではなく、アレクシス・サンチェスとエディンソン・カバーニはすでにピークを過ぎていた。とくに前者は気力すら失せていた。嗚呼、情けない。

十代目は12年ぶりにC・ロナウドである。「彼にふさわしい番号」と、カバーニが男気を示して譲ったのだ。いい話じゃないか。筆者はカバーニの7番と21番のレプリカを大切にしている。

ところがC・ロナウドはカバーニの気持ちを理解せず、跡を濁しまくってサウジアラビアに飛び立っていった。

オーウェンからC・ロナウドまでの11年間、ユナイテッドの背番号7はサポーターの期待を裏切っている。したがって、22年12月以降のように空き番号とするか、プレッシャーをエネルギーに代えるブルーノ・フェルナンデスに任せた方が、効果的だったのではないだろうか。

いずれはアレハンドロ・ガルナチョが背負うべき番号ではあるものの、現時点では時期尚早だ。フィル・ジョーンズの退団で空いた4番(ラファエル・ヴァランも欲しているが……)、あるいはマイケル・キャリックの背中で輝いた16番などは候補に挙がらなかったのだろうか。

ローン移籍が濃厚になったメイソン・グリーンウッドの11番も悪くないが、彼にしろライアン・ギグスにしろ、女性問題がつきまとう。

ユナイテッドの新戦力は好奇の視線にさらされる。マウントはプレッシャーに苛まれるだろう。たかが背番号かもしれない。ただし、されど背番号でもある。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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