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サッカー フットサル コラム 2023年6月23日

ユナイテッドの強化にマイナス影響を及ぼすグレイザーの沈黙

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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メイソン・マウント

マンチェスター・ユナイテッドと合意に至ったメイソン・マウント

今夏の移籍市場は、いまのところサウジアラビアの独壇場だ。莫大な移籍金と年俸をちらつかせ、次々と大物をかっさらっている。

カリム・ベンゼマとエンゴロ・カンテがアル・イテハドに新天地を求め、カリド・クリバリ、エドゥアール・メンディ、ハキム・シエシュといったチェルシー勢も、中東に旅立つ公算が非常に大きい。

一方、リオネル・メッシが中東ではなくアメリカのインテル・マイアミを選び、ルカ・モドリッチがアル・ヒラルから届いた3年総額6億ユーロ(約930億円)もの条件に首を縦に振らなかったのは、選手個々の出自が色濃く影響を及ぼしているに違いない。

いずれにせよ、サウジアラビアの攻勢は今後も続いていく。マンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアも、出自に関係なく高額のオファーに心が揺らいでいるという。

予想された動きではある。ユナイテッドのエリク・テンハフ監督はデ・ヘアに最大限の敬意を払いつつ、チーム内の活性化をつねに促してきた。ポジションごとの競争意識を高めるため、ゴールキーパーはインテル・ミラノのアンドレ・オナナ獲得を目論んでいる。

12年にわたってユナイテッドのゴールを守りつづけ、2022/23シーズンで17のクリーンシート(プレミアリーグ最多)を記録したデ・ヘアにすると、面白くはない。第二GKは日陰の存在だ。定位置にこだわるのなら、中東は第一の選択肢になる。

さて、ユナイテッドはメイソン・マウントと週給20万ポンド(約3620万円)で合意に至り、彼が所属するチェルシーとも6000万ポンド(約102億6000万円)の移籍金で決着する見込みだ。4-3-3の中盤インサイド、4-2-3-1では二列目の右と中央をこなす “強気の技巧派” は、テンハフ監督の構想をおおいに刺激するはずだ。

当然、アントニー、ファクンド・ペリストリ、スコット・マクトミネイ、フレッジといったところの尻に火がつき、ジェイドン・サンチョもうかうかしていられない。

サマーキャンプでテンハフ監督にアピールするか、出場機会を求めて移籍するか。英国の『sky sports』によると、トッテナムがサンチョに興味津々。6000万ポンドの移籍金を提示する予定だという。

また、30歳のハリー・ケイン(トッテナム)に1億ポンド(約181億円)は高すぎると判断し、センターフォワードのターゲットをアタランタのラスムス・ホイルンドに切り替えたようだ。弱冠20歳のアタッカーは7000万ポンド(約126億7000万円)前後の移籍金が予想され、彼のエージェントはテンハフ監督同様、『SEG』(スポーツ・エンターインメント・グループ)である。

ただ、各選手との交渉がスムーズに運ぶか頓挫するかは、買収交渉の成り行きを見守るしかない。売却を明らかにしてから7か月、グレイザー・ファミリーはひたすら沈黙している。

新オーナーは英国の実業家であるジム・ラトクリフ卿なのか、『QIB』(カタール・イスラム銀行)なのか。はたまた、グレイザー・ファミリーが一転して売却を取り下げるのか。

この問題の決着が遅れれば遅れるほど、ユナイテッドの現場は混乱をきたす。気が付いたときには、めぼしい選手が市場に残っていない。

グレイザーに告ぐ……。

早くしやがれ!

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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