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サッカー フットサル コラム 2023年6月16日

名より実を取るニューカッスルが世界を驚かせる日は近い

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ニューカッスル

チャンピオンズリーグ出場権を獲得したニューカッスル

開幕から厳しい相手が続く。

8月12日:アストンヴィラ(H)
8月19日:マンチェスター・シティ(A)
8月26日:リヴァプール(H)
9月2日:ブライトン(A)
9月16日:ブレントフォード(H)

2023/24シーズンのニューカッスルは、その実力をいきなり試される。アストンヴィラからブレントフォードまで、気が休まる暇はない。5連敗も考えられるような強豪との連戦だ。

もちろん、シティやリヴァプールを倒して5連勝すれば勢いに乗り、逆に出鼻をくじかれると、立ち直るまで時間がかかるかもしれない。ニューカッスルのエディ・ハウ監督には大胆、かつ繊細なマネジメントが求められる。

それにしても、22/23シーズンの彼らは見事だった。望外といって差し支えないチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、イングランドで最も熱狂的なサポーターをおおいに喜ばせている。

「シーズン前の予想をはるかに上まわった」

ハウ監督ですらCL出場権獲得は考えていなかった。しかし、ビッグネームには見向きもせず、適材適所の補強を進めたプランは多くのクラブが参考にすべきであり、今夏もポイントを絞って人選している。

プレッシングの効果を高めるMFとしてリーズのタイラー・アダムズ、サウサンプトンのロメオ・ラヴィア、中盤の創造力向上のためにインテル・ミラノのニコラ・バレッラと、CLに備えて補充すべきポジションの強化を図ろうとしている。

「クリスチャーノ・ロナウド、もしくはリオネル・メッシ獲りもありうる」

22/23シーズン終了後、煽りとおとぎ話に命を燃やす大衆紙『SUN』が飽きもせずにぶち上げていたが、現実主義のニューカッスルが盛りを過ぎた選手に手を出すはずがない。株主のひとりで、スポークスパーソン的な役割もこなすアマンダ・ステーブリーも、次のように語っていた。

「憶測の域を出ない情報とはいえ、度が過ぎている」

彼女の言葉を借りるまでもなく、ニューカッスルは『PIF』(パブリック・インベストメント・ファンド)が21年10月に買収した後、名より実を取った補強でチーム力を高めてきた。天文学的な巨額を市場にバラまき、チーム事情にそぐわない選手を次々に獲得したチェルシーとは、根本的に理念が違う。

資金的にはビッグネーム獲得も可能であるものの、ハウ監督と強化担当部門は必要とされるポジションの整備に努めてきた。この方針はクラブ全体で確認されており、今夏もタブロイド紙が喜ぶような乱獲は考えられない。

22/23シーズンを除く直近5シーズンの成績は、10位前後をフラフラしていた。したがって、CLのグループステージでは十中八九ポッド4であり、パリ・サンジェルマンやレアル・マドリー、ACミランなどと同じ組に入らざるをえない。

しかし、目の前にぶら下がる人参に食いつかず、長期的な展望で再構築に取りかかるニューカッスルなら、大仕事をやってのけるのではないだろうか。

北の名門がヨーロッパの大舞台に戻ってきた。失うものはなにもない。世界を驚かせてやれ!

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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