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サッカー フットサル コラム 2023年6月7日

ケインが戴冠を切に希望するならラストチャンスだが・・・

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ハリー・ケイン

最終節は2得点、ハリー・ケイン

サポーターの皆さんには申し訳ないが、“ビッグ”とは表現しづらい。

イングランドのトップリーグを二回制したとはいえ、ひとつは72年も前の話であり、もうひとつは1960-61シーズンだ。FAカップ制覇は32年前、リーグカップのトロフィーを頭上に掲げてから15年が過ぎた。チャンピンズリーグの美酒に酔った経験は一度もない。

マンチェスターを本拠地とする2チーム、アーセナル、リヴァプール、そして2022-23シーズンは不振を極めたチェルシーに比べると、トッテナムは実績でかなり劣っている。

ただひとり、ハリー・ケインだけはサポーターの期待に応えた。アーリング・ハーラン(シティ)によって得点王こそ阻止されたが、30ゴールはさすがと脱帽するしかない。

しかし、彼の活躍も実らず、トッテナムはカンファレスリーグにすら出場できない8位に沈んだ。

「現行の契約が来年の6月に満了を迎える前に……」
「愛するクラブとの別れをついに決意したのではないか」

こうした推測のもと、多くのメディアがケイン移籍を唱えている。

また、7月に三十路を迎えるため、戴冠を切に希望するのなら今夏がラストチャンスとの指摘もある。カリム・ベンゼマがアル・イティハド(サウジアラビア)に移籍するレアル・マドリーが興味津々との噂があり、ラ・リーガの覇王ならつねにタイトルをうかがえる。その一方で、手のかかる年齢の娘さんが3人いらっしゃるため、言葉が通じない外国への移籍はリスクが大きすぎるとの情報も流れはじめた。

また、同じロンドン内のトッテナム→チェルシーは、道義上よろしくない。ノースロンドンの怨敵アーセナルはなおさらだ。シティとリヴァプールは9番を欲していない。

こうして、ユナイテッドが浮上した。

たしかにストライカーは人材不足だ。アントニー・マルシャルはケガが多すぎて稼働率が絶望的に低く、ヴォウト・ヴェフホーストはガッカリするほど点が取れない。マーカス・ラシュフォードは二列目の左がベストと考えられる。

高級紙『Telegraph』は、「トッテナムとケインが満足する条件を完璧に取りそろえた」と報じていた。

ケインはだれもが認める好人物だ。他人に迷惑をかけることをよしとしないため、すでに意向を上層部に伝えているかもしれない。

トッテナムのダニエル・レヴィー会長は、自他ともに認めるタフ・ネゴシエーターだ。何度も何度も条件の細部を見直し、成立間近の案件を先延ばししながらクラブに最も有利な内容で契約する。

マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長、ユナイテッドの監督を務めていた当時のサー・アレックス・ファーガソンといったらつ腕を相手に一歩も引かなかった交渉術は、もはや神業である。

したがって、ユナイテッドがケインを欲しているのなら、レヴィーとの交渉は長期戦を覚悟しなくてはならない。アドヴァンテージを握りながら、焦らしに焦らす作戦に耐えられるだろうか。

仮にケインがトランスファー・リクエストを提出したしても、ちょっとやそっとじゃレヴィーは首を縦に振らない。繰り返すが、この男との交渉にはペレスもファーガソンも音をあげた。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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