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サッカー フットサル コラム 2023年5月19日

GKの変更は改革の旗印か!?この夏デヘアは転機を迎える

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ダビド・デ・ヘア

ダビド・デヘア

プレミアリーグの大勢が決まりつつある。

現地時間5月14日、2位アーセナルが本拠エミレーツでブライトンに0-3の完敗。首位を走るマンチェスター・シティとの差は4に広がり、しかもジョゼップ・グアルディオラ監督のチームは試合消化数がひとつ少ない。早ければ今週末にもシティは3連覇を達成する。

また、チャンピオンズリーグ出場権もシティとアーセナルに続き、ニューカッスルとマンチェスター・ユナイテッドが獲得する公算が大きくなってきた。リヴァプールとブライトンにも可能性はあるものの、残り試合数をふまえると大逆転は考えづらい。

英国のデータサイト『opta』も、ニューカッスルが4位以内でシーズンを終える確率を78%と予想し、ユナイテッドは92.3%。現在7連勝中のリヴァプールは36.9%、5月18日のニューカッスル戦に敗れたブライトンはわずか0.9%だった。

さらに得点王はアーリング・ハーラン、アシスト王はケヴィン・デブライネとシティ勢の受賞が確定的となり、最多クリーンシートはユナイテッドのダビド・デヘアが最有力だ。

本稿執筆時点で16試合。14試合のアリソン(リヴァプール)が並んでも不思議ではないが、ユナイテッドはすでに11試合ものクリーンシートを記録している本拠オールド・トラッフォードで、チェルシー戦とフラム戦を残している。デヘアが1試合でも更新すると、アリソンは届かない。

なお、デヘアは失点に直結したエラー、いうなれば “ダーティーシート" もリーグ最多の4を数えている。批判の多さがうなずけるデータだ。

さて、筆者は当コラムで何度かデヘアを擁護してきた。その感覚はいまでも変わらない。サー・アレックス・ファーガソンによる薫陶は貴重な財産であり、なによりユナイテッドに12シーズンも所属し、栄光と屈辱を経験した “生き証人" だからだ。

しかし、近ごろはたださえ狭い守備範囲に留まり、キックの精度も相変わらず首を傾げるレヴェルだ。エリク・テンハフ監督は「できるものなら残ってほしい」と語り、デヘア本人も年俸減の条件を呑んだ。契約更新はまもなく公になる。

こうした状況をふまえ、なおかつ来シーズンの補強ポイントが(1)センターフォワード(2)機動力豊かなセンターバック(3)局面を変えられる中盤センターである事実から、デヘアは安泰とも考えられるのだが……。

ここ数年、プレミアリーグの強豪はポゼッションを意識してGKを変えてきた。シティはジョー・ハートからクラウディオ・ブラーボを経てエデルソンへ、リヴァプールはロリス・カリウスからアリソン、アーセナルもベルント・レノからアーロン・ラムズデイルに舵を切っている。

その結果、シティはイングランドの覇王となり、リヴァプールはCLを制した。アーセナルも今シーズンは最終盤まで優勝争いを演じ、来シーズンはCLに参戦する。最後尾からのビルドアップがスムーズになっていることに疑いの余地はない。GKの変更は改革の旗印にも映る。

残念ながらデヘアはオールドファッションだ。奇跡的なセーブで失点を防いでも、攻撃の起点にはなりえない。ペナルティアボックスを飛び出し、ピンチの芽を未然摘み取りもしない。

テンハフ監督もデヘアをリスペクトしつつ、レギュラーとして扱わないかもしれない。二番手のGKは日陰の身だ。この夏、ユナイテッドの功労者は転機を迎えるのだろうか。

いまさら、プレースタイルは変えられない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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