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サッカー フットサル コラム 2023年5月1日

充実の久保建英、攻守で貢献しMVP レアル・ソシエダはオサスナに勝利

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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久保建英

MVPに選ばれた久保建英

先週末のオサスナ戦、久保建英は7点目を挙げた。5位ビジャレアルとの差を縮めさせない、CL出場権獲得のための大きな勝利(0-2)を決定付ける1点だった。

今の彼は個として充実している。

とにかく良く走る。

[4-3-3]の右ウイングとなってから、相手左SBを追い掛けることが仕事になった。攻め込まれた局面ではインサイドMFよりも低い位置、ペナルティエリア付近まで下がる姿を目にするようになった。

前節のベティス戦では90分間、うち60分間はほぼボールをもらえない防戦一方の展開で、MVPに選ばれたミランダに何度も突破されながら、懸命にプレスと背走を繰り返した。あまりにも疲れていたので、終了間際にはCFカルロス・フェルナンデスとポジションチェンジをして彼にサイドを任せ、自分は前に残って息を整えないといけないほどだった。

「守備が苦手」とずい分言われたし、私もそう言ってきた。
オサスナ戦でもシュート後にアルグアシル監督に「早く戻れ!」と怒られていたが、こうした指導と、本人の意識の高さ、何より運動量の増加で、守備でも貢献できるようになり、レベルを一つ上げた感じだ。

チーム全体の意識も高い。
久保が怒られたシーンではセルロートがきちんと右サイドに入って守備をしていた。久保はウインガーなのだから、前に残ってしまうことはチームとして想定済み。なので、久保が戻れない時はセルロート→ミケル・メリーノ→スビメンディの順でカバーする仕組みができており、容易に穴を開けない。

攻撃時にもサポートを受けている。

特に重要なのがセルロートの存在。

ゴールシーンではセルロートが溜めを作って相手CBを引き付け、横パスを受けったメリーノがSBを引き付けて、対角侵入した久保には右足でトラップし利き足の左に持ち替える時間があった。シュートが股を抜けたのは、左足にボールを置いた久保と慌てて大股で戻るしかなかったSBマヌとの間に大きな余裕の差があったからだ。

久保のプレーには、彼にボールが渡る前に誰が触るかが決定的な影響を与える。
セルロートが触れば、彼がCBを引き付けてくれるので、久保はSBと1対1で勝負できる。これは逆も同じで、久保がドリブルでSBとCBを引き付けてくれることでセルロートへのマークが薄くなる。オサスナ戦では6度、セルロートと久保が絡むシーンがあったが、いずれもチャンスに繋がっていた。

ドリブラーは単独で打開する選手なのだが、実は単独では効果的なドリブルはできない。周りが1対1をお膳立てしてくれることで、久保の突破力と決定力は上がっていく。

MVPに選ばれた後のインタビューでも引き締まった表情を見せていた。CL出場権獲得を目前にしたチームに攻守で貢献できている手応えが見て取れた。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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