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サッカー フットサル コラム 2023年4月28日

ブライトンはプレッシャーとの付き合い方をまだ知らない

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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三笘薫

三笘薫

ブライトンの5月がとんでもないスケジュールになった。

4日:マンチェスター・ユナイテッド(H)
8日:エヴァートン(H)
14日:アーセナル(A)
18日:ニューカッスル(A)
21日:サウサンプトン(H)
24日:マンチェスター・シティ(H)
28日:アストンヴィラ(A)

マンチェスターの2チームとアーセナル、ニューカッスルは総合力でブライトンを上まわり、アストンヴィラはウナイ・エメリ監督就任後、プレミアリーグは14勝3分3敗。4-4-2のコンパクトな陣形と、ボール奪取後の素早く、分厚い攻撃が奏功し、16位からチャンピオンズリーグ出場権獲得が現実味を帯びるほどまでに復調してきた。試合消化数がふたつ多いものの、4月27日現在で4位ユナイテッドとは6ポイント差だ。

ニューカッスルとアーセナルも強敵だ。

セントジェームズ・パークは異様なムードに包まれる。愛するニューカッスルのために捧げるサポーターの情熱は、プレミアリーグ屈指だ。強烈な圧がブライトンに襲いかかる。ましてチャンピオンズリーグの出場権獲得の公算が大きいのだから、セントジェームズ・パークのノイズは3〜4倍増しだ。

アーセナルとの一戦は壮絶な殴り合いになるのではないだろうか。ともにアタッキングフットボールを旗印に掲げ、ボールロスト後の即時奪回も連動性にあふれている。

直近4試合は1敗3分と不振のアーセナルだが、ミケル・アルテタ監督が4年かけて組織力を磨いてきた。対するブライトンのブライアン・デゼルビ監督は、就任後まだ8か月だ。完成度の違いが結果に直結したとしても不思議ではない。

しかも、三〜四日に一度のペースで試合をこなす経験が不足している。現地時間4月26日のノッティンガム・フォレスト戦に1-3で敗れた後、「選手たちは週に2試合のペースに慣れていない」と、デゼルビ監督もこぼしていた。

もちろん、三笘薫には期待している。ユナイテッド戦でアーロン・ワン=ビサカ、アーセナル戦ではベン・ホワイト、ニューカッスル戦はキーラン・トリッピアといった一流のライトバックと一対一を演じ、シティ戦はカイル・ウォーカー、あるいはマヌエル・アカンジが相手だ。

日本が世界に誇る左ウィングは、リーグ屈指のDFと見どころ満載の攻防を繰り広げるに違いない。

だが、ブライトンはただでさえ選手層が薄く、けが人も増えてきた。足首を負傷しているジェレミー・サルミエントは今シーズン中の復帰が難しくなり、スネに違和感を訴えたエヴァン・ファーガソンは5月初旬まで、太ももの痛みが慢性化しているアダム・ララーナは5月中旬まで欠場するという。

また、“権利がかかった“ 最終盤のプレッシャーも未体験だ。通常の試合とは異なる状況を知るのは、ララーナとダニー・ウェルベックだけだ。前者はリヴァプール、後者はユナイテッドで、より凄まじいプレッシャーを味わっている。

この、未知の感覚に、三笘やモハメド・カイセドをはじめとする主力は、デゼルビ監督は、どれだけ耐えられるだろうか。アレクシス・マカリステルはアルゼンチン代表でワールドカップを手にしたものの、ブライトンにリオネル・メッシはいない。

最終盤までヨーロッパリーグ出場権獲得の可能性を残すという、望外な成績を収めるブライトンだが、プレッシャーとの付き合い方はまだ知らない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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