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サッカー フットサル コラム 2023年4月17日

サンマメスでのバスクダービーはアスレティックが完勝、この教訓を活かし停滞感を打ち破れ

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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バスクダービー

次節、久保建英が先発落ちするかもしれない......

バスクダービーは2-0でアスレティック・ビルバオの完勝。ただ、レアル・ソシエダも後半は持ち直し、少なくとも1点を返すチャンスはあった。

次節、久保建英が先発落ちするかもしれない、というのが、この試合を見ての結論だ。

ソシエダの敗因は、前半ボールを持てなかったことに尽きる。アスレティックのプレスに押し込まれて、久保とオヤルサバルは孤立していた。

ソシエダもプレスにはプレスで対抗した。

だが、アスレティックには押し込まれても大きなクリアでウィリアムス兄弟を走らせる、というオプションがあったが、ソシエダには無かった。ソシエダのクリアは敵に渡るかサイドを割ってプレゼントになった。

というのも、ロングボールをマイボールにできる選手(セルロートは先発せず)がおらず、いつもの[4-4-2]では、スペースが残っているサイドを有効に使えなかったからだ。

後半、アルグアシル監督はバレネチェアを入れシステムを変えた。[4-3-3](もしくは[4-1-4-1])にして左バレネチェア、右久保をサイドに開かせた。

そうするとボールを持てるようになった。バレネチェアと久保がスペースでパスを受けられるようになり、彼らが開いたせいで中にスペースができて、シルバやミケル・メリーノへのプレスも弱まったからだ。

これは何のことはない。前半、自分たちがやられたアスレティックの戦法のコピーだった。ウィリアムス兄弟がやっていたことを、バレネチェアと久保にやらせた、ということだ。

さらに60分、久保とオヤルサバルが下げられ前線が左バレネチェア、中央セルロート、右チョーの並びになると、ソシエダの攻勢はさらに強まった。久保が抜けなかった相手左SBユリもチョーは抜いていた。狭いスペースでの器用さは久保が上だが、爆発的なスピードが発揮できるスペースではチョーが上だ。

残念ながら、試合は快速イニャキ・ウィリアムがカウンターで自身2点目を挙げ決まってしまったが、システム変更と交代選手が機能した、という事実はアルグアシルの頭に残ったに違いない。

決定的なチャンスで決められない、というのは選手の覚醒を待つしかないが、決定的なチャンスを作らせる、というのは監督の仕事だ。停滞感を解消するためのカンフル剤として、このバスクダービーの教訓を活かすのではないか。

今週末の相手ラジョ・バジェカーノは激しいプレスと縦の意識の強い攻撃を持ち味にする点で、アスレティックに似ている(イラオラ監督はアスレティック出身である)。前へ前へのアスレティックに比べると柔軟で最終ラインを下げる駆け引きをしてくる点では異なるだが、ソシエダにボールを持たせたら致命傷になりかねないのは承知しているはず。

イラオラは古巣同様、前から積極的なプレスを掛けてくるとみる。

となると、[4-3-3]でスタートし3トップは左バレネチェア、中央セルロート、右チョーで対抗するというのもあるのでは?

CL出場権獲得も危うくなってきている。何かをするなら今しかない。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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