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久保建英
レアル・ソシエダがバレンシアに敗れた(1-0)。久保建英はいつものレベルではなく、73分に途中交代した。とはいえ、チーム全体が低調で特に彼が悪い、というわけではなかった。
唯一の失点は久保のボールロストからだった。この失点シーンを分析することで、久保の特性と今のチームの問題点が見えてくる。
この日の久保は[4-3-3]の1列目右でスタート。15分過ぎにはポジションチェンジして久保が左、オヤルサバルが右になるものの、[4-3-3]は維持したままだった。
で、問題の39分がやってくる。
この時、久保はオヤルサバルと同じ左サイドで2度のボールロストをする。2度目のロストでボールを奪ったのは相手右SBフルキエ。フルキエが前進するとボールをもらいに来たのは相手1トップ、ウーゴ・ドゥーロ。クサビを受けたウーゴが間髪置かず逆サイドの左SBラトへ展開(このプレーがうまかった!)。ラトが左ウイングのリノに渡してセンタリング。それがカットしようと飛び込んだ右CBスベルディアに当たってオウンゴールとなった。
不運の失点のように見えるがそうではない。
右サイドの久保が左に行けば右サイドが空く。そこをカバーするはずのブライスはトップ下の位置にいて間に合わない。この時点でソシエダの右サイドは久保とブライスが不在で右SBバレネチェア1枚のみになっていた。
守備の頭数が2枚も欠けて失点しないわけがない。スベルディアは相手シューターに囲まれていた。オウンゴールにならなくても失点は間違いなかったろう。
問題はなぜ久保が左にいたのか、ということだ。
先週のこのコラムで、久保が左に流れる可変システムには「メリットよりもデメリットが大きい」と書いた。そのデメリット──久保が放棄した右サイドに穴が開く──が現実になったシーンだった。
ただ、失点後も久保は左に流れ続けた。「可変」と呼ぶにはあまりに長い時間、こだわり続けた。
そのうち、“久保が[4-3-3]の右トップではなく、[4-4-2]中盤ダイヤモンド型の頂点、つまりトップ下としてプレーしているのかも”と思うようになった。
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