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サッカー フットサル コラム 2023年2月22日

三笘の価値はわずか一年半で20倍にも膨らもうとしている

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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三笘薫

プレミアリーグ屈指の注目株となった三笘薫

いやはや凄いのなんのって、三笘薫である。

プレミアリーグ21節のレスター戦(プレミアリーグ)では左サイドからカットインし、ファーポストを巻くような鮮やかな1点。23節のクリスタルパレス戦ではヘディングで巧みに合わせた。そしてリヴァプールとのFAカップ4回戦は、後半追加タイムにウットリするような2タッチから決勝ボレー。

いまやプレミアリーグ屈指の注目株となった三笘に、イングランド・フットボールのレジェンドからも称賛の声が相次いでいる。

「間合いの測り方が絶妙だ。一対一の場面ではつねに主導権を握っている」(オーウェン・ハーグリーヴズ)

「毎週、ミトマのパフォーマンスを見るのが楽しみだ。プレー強度が低いとか批判するヤツもいるけれど、なにいってんだか。笑わせるぜ」(イアン・ライト)

この活躍が続くかぎり、夏の移籍市場では価値が爆上がりするに違いない。現在の推定市場価格は、4500~5000万ポンド(約72~80億円)だ。ちなみに2021年夏、ブライトンが川崎フロンターレに支払った移籍金は250万ポンド(約4億円)。わずか一年半で、三笘の価値は20倍にも膨らもうとしている。

さて、メガクラブであれば、5000万ポンドはいとも簡単に支払える額だ。今シーズンのパフォーマンスを踏まえ、割安と判断する強化担当もいるに違いない。

ただ、満足しうる額が提示されたとしても、三笘は熟考に熟考を重ねなくてはならない。

たとえばチェルシー。現時点でありとあらゆるポジションが飽和状態だ。しかも、オーナーのトッド・ボーリーが現場の意見に耳を貸さず、独断で無闇な補強を繰り返す。お勧めできないクラブである。

また、マンチェスター・ユナイテッドはマーカス・ラシュフォードとアレハンドロ・ガルナチョ、アーセナルはカブリエウ・マルチネッリ、レアンドロ・トロサールと左ウイングは満ちたりており、100件以上にも及ぶ不正経理が指摘されているマンチェスター・シティには、補強禁止というペナルティが浮上した。

こうして、プレミアリーグ内の選択肢はトッテナムとリヴァプールに限られた。

アントニオ・コンテ監督が留任した場合、トッテナムは重心が低めのプランも気がかりで、イヴァン・ペリシッチは左ウイングが進入するスペースを消す悪癖がある。三笘が新天地を求めた次の瞬間、ハリー・ケインがバイエルンに移籍、なんてことも起きかねない。スタジアムではアジア人差別が常態化している

リヴァプール復活の担い手として、ユルゲン・クロップ監督が三笘に白羽の矢を向けないだろうか。ドルトムントで香川真司に、リヴァプールで南野拓実に目をかけていたように、情熱あふれるドイツ人の指揮官は日本人の特性を理解している。左サイドバックの活かし方を心得るアンディ・ロバートソンの存在も心強い。

だが、チャンピンズリーグ・ラウンド16でレアル・マドリーに2-5の惨敗(しかもホームで!)し、クロップ解任論がまたしても湧きあがった。リヴァプールがワールドスタンダードだとしても、クロップが辞する場合は選択肢から外した方がいい。

三笘の実力をもってすればメガクラブでも通用するが、無理は禁物だ。ブライトンでプレミアリーグを席巻、という考え方も悪くはない。来るべき2023-24シーズン、彼らのような小規模のクラブが今シーズン以上に話題をさらうのなら、それはそれで痛快だ。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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