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サッカー フットサル コラム 2022年12月27日

来年6月末で契約終了する大物選手たち

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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カリム・ベンゼマの契約も2023年6月まで

カリム・ベンゼマの契約も2023年6月まで

今日、12月26日付けの『マルカ』紙に「あと6日で“タダ”になる選手たちでスーパーチームができる」と題する記事が出ていた。

23年6月末で契約が終わる大物たちがこんなにいる!という話である。

ははは、笑える。

あと6日で年が変わるのは事実だが、だからといってタダにはならない。

FIFAの規定によれば契約最終年の半年前に可能になるのは、自由な移籍交渉である。1月1日から正式に「6月末に契約が終わったらうちに来ませんか?」と声を掛けることができる。タダ(=自由契約)になるのは契約が終了する6月末である。

つまり、このマルカ紙のタイトルには嘘がある。びっくりさせてクリック数を稼がせる魂胆だろう。タダではなく“タダ”とカッコ付きで表記していることで、逃げているのである。

来年6月末で契約が終了する大物たちがいるのは事実だ。リーガ所属の選手たちの名前を挙げてみよう。

ベンゼマ、クロース、モドリッチ、ダビド・シルバ、ブスケッツ、イニゴ・マルティネス、セルジ・ロベルト、アセンシオ、レマル、メンフィス、アランバッリ……。確かにそうそうたる顔ぶれなのだが、これにはわけがある。

彼らのうちセルジ・ロベルトまでは30歳以上で、アセンシオ以下は30歳未満。30歳以上の選手については、クラブの規定としてほとんどが「原則1年契約」と定めている。よって、来年の今頃も、さ来年の今頃も「来年で契約終了する大物たち」という記事を作り続けることが可能なのだ。

もっとも、この規定には例外もあって例えばベンゼマは21年夏に2年契約を結んでいるのだが、今季はケガがちなので次のオファーは万人並みの1年更新になる可能性が高い。

ご存知の通り、ベンゼマは今年のバロンドールなのだが、彼にしても30歳台になればピークは過ぎたとか、疲労の回復が遅れるとか、ケガをしやすいとか、というふうに考えてクラブは複数契約を結びたがらない。数億円、数十億円単位の年俸を戦力にならなくても払い続けるリスクを避けるためには当然、と言える。

30歳以上で複数契約を結ぼうと思ったらクラブを変えるしかない。

セルヒオ・ラモスが出て行ったのも、1年契約が不満だったからだ。彼はパリ・サンジェルマンに2年契約で迎えられた。レバンドフスキがバイエルンを出て行ったのも同じ理由で、バルセロナでは4年契約を手に入れている。現在34歳のレバンドフスキに4年というのはリスクだが、バルセロナにはそれに見合う価値を見出した、ということだろう。

あと、契約更新と代表の引退には密接な関係がある。

ベンゼマが代表からの引退を発表した。逆にモドリッチは代表でのプレー継続を表明した。代表とクラブの両立は体力の負担が大きい。ベテランなら特にそうだ。雇う側からすれば代表引退のニュースは良いニュースだし、継続のニュースはその逆だ。ベンゼマには契約更新のオファーが出しやすく、モドリッチには出しにくくなる。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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