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サッカー フットサル コラム 2022年12月20日

つわものどもが夢の跡、ストーブリーグの主役たち

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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世界一に輝いた アルゼンチン代表

世界一に輝いたアルゼンチン代表

W杯というお祭りが終わった。ラ・リーガは来週29日から再開され、W杯戦士たちも厳しい現実と向き合うことになる。

例えばストーブリーグの主役と見込まれているセビージャだ。

アルゼンチンに3度目の優勝をもたらす最後のPKを決めたモンティエル。途中出場で延長戦を戦い終えたアクーニャ。ケガをしたものの初戦は先発を張ったパプ・ゴメス。彼ら3人は今頃、国民的ヒーローとして故国に凱旋しているはずだが、所属のセビージャではそろってこの冬の放出リスト入りしている。

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モンティエルは決勝でもフランス3点目のPKを犯したように集中力を欠くミスが多く、守りに穴を開ける。アクーニャは持病の恥骨炎の手術を命じられるも、W杯を優先して拒否。パプはケガを理由に休みがちだった上に、試合途中で観戦を切り上げて帰宅する規律違反を犯したことで首脳陣の信頼を失った。

カタールW杯開幕前の最後の試合、セビージャはソシエダと対戦したのだが、アクーニャとパプはケガでプレーせず、モンティエルはその前の試合の退場処分で出場停止中だった。3人の不出場がW杯前にケガをしないための予防措置だったのかは本人のみぞ知るところだが、クラブの腹は決まっている。

ちなみに、セビージャの監督はアルゼンチン人のサンパオリ。4年前のロシア大会ベスト16止まりでメッシを大いに失望させた人物である。

セビージャはモロッコの快進撃にあやかった売却話も進めている。まずポルトガル戦でのゴールでアフリカ勢として初のベスト4入りの原動力となったエン=ネシリ。W杯ではフル出場して2ゴールを挙げたが、クラブでは今季2ゴールで昨季は5ゴールとレギュラーとしては恥ずかしい数字で、一昨季の24ゴールが嘘のような長期低迷ぶり。気分を一新すれば活躍できることがわかったこのタイミングで、高値売却を狙う。

一方、GKボノは昨季のラ・リーガ最少失点GKとして期待通りの守護神ぶり。戦力として貴重だが、それ以上にケガで長期欠場のノイアーの代役としてバイエルンから届いているはずのオファーが魅力的過ぎる。CL脱落、降格圏の18位で中断期間に入ったセビージャは、補強のための現金は喉から手が出るほどほしい。

この他、W杯組からはチーム同様期待外れのパフォーマンスを見せたセルビア代表のグデリ、デンマーク代表のデラネイ、ドルベアもオファー待ちの状態。さらに、ロシア大会で1000本以上のパスを繋いで1得点止まりで敗退し、低迷スペインの象徴となったイスコも、首脳陣との激しい口論が目撃され放出確実となっている。

サッカー選手の日常はW杯よりもはるかに地味でシビアなクラブにある。優勝や上位進出が何にも代えがたい栄誉であることは間違いないが、彼らに給料を払って生活を支えているのはクラブなのだ。来週からは再びラ・リーガやコパ・デル・レイ、欧州カップ戦の話題をお伝えしたい。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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