人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2022年10月18日

伝統の一戦はレアルに軍配!シャビは選手に信頼されてない?バルサ敗因分析

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
  • Line
ゴール後に歓喜するレアルのベンゼマとバルベルデ

ゴール後に歓喜するレアルのベンゼマとバルベルデ

クラシコは3−1でレアル・マドリー勝利。サプライズはなかった。これは両チームの現状を正直に反映した結果だと思う。

1週間前にプレビューした時よりもバルセロナの下り坂はさらに明確になっていた。週中のCLインテル戦、絶対に負けられない試合で3−3。終盤2度リードされ、グループステージ敗退を免れるのがやっとだった。

クラシコでもバルセロナ優勢の時間帯は20分から30分、45分から55分、73分から90分間の計37分間、残り60分間ほどはレアル・マドリーが優勢だったわけで、前半に2−0になり反撃のゴールがやっと83分という展開と併せて、バルセロナの地元メディアでも「完敗」という表現が目立っている。

J SPORTS オンデマンド番組情報

個に帰する敗因では4人の名前が挙げられる。

何度か指摘してきた、個としてのエリック・ガルシアの弱さーーこれはW杯で日本がつけ込むべきポイントの1つーー。守備が組織として機能せず、仲間のサポートが得られず裸になると、体格的劣勢が露呈する。逆境時には消えてしまうデンベレ。昨日は左サイドで起用されて可哀想ではあったが……。レバンドフスキにはベンゼマのようなコンビネーションは期待できず、唯一下がって来てボールをキープする動きにはミリトンのマークがきっちり付いていた。

そして4人目は最大の敗因、監督シャビである。

先週もちらっと書いたが、クラシコ大勝後に下り坂になったチームを立て直せないまま、昨季を終えている。今季も明らかに下り坂なっているのに有効な手が打てていない。

何が有効なのか? 誰の目にも明らかなのは、守備時のアグレッシブさの不足である。

1失点目は、ブスケッツがクロースを引きずり倒すべきだった。2失点目は、エリックのミスの後にビニシウスがこぼれ球を拾った瞬間、クンデ、セルジ・ロベルトとの2対1になった。2人の判断はウェイティングだったが、数的有利なのだから1人(セルジ・ロベルト)がボールに行くべきだった。たとえファウルになっても。

撃たれ弱さは「ガラスのあご」とか「陶器製のバルサ」と地元メディアに形容されている。1点取られると意気消沈する点、下り坂を立て直せない点も、すべてひっくるめてアグレッシブさの欠如であって、シャビはここを修正できていない。

闘志をむき出しにする選手がいないこと、キャプテンマークを巻くブスケッツがその代表であること、クラブ愛を感じろと要求するのに無理がある新加入の選手だらけであること、リーダーであるべきキャプテン、ピケ、ジョルディ・アルバがベンチを温め、かつ処遇に不満を抱き協力的に見えないこと、という条件下で、クラブの魂とプライドを訴え、「根性を見せろ!」と怒鳴れるのはシャビしかいない。

リアクションしないチームを見ていると、選手たちはあまりシャビのことを信頼していないのではないか、という疑問さえ浮かぶ。

敗戦は最悪ではない。下り坂を転がりっ放しの方こそが最悪なのだ。

文:木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ