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サッカー フットサル コラム 2022年9月21日

ベルギーは最終ラインに少なからぬ不安を抱えている

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベルギー代表

ベルギー代表

いまだ無冠であるーー。

FIFAランクの1位になったり、ビッグトーナメントで幾度となく優勝候補筆頭に挙げられたりするものの、ベルギー代表は一度も優勝経験がない。1980年代中期から90年代後期にかけ、ヴィンチェンツォ・シーフォ、ヤン・クーレマンス、ジャンマリー・プファフといった名手を擁しながら、86年メキシコ・ワールドカップでは4位に終わった。

ロベルト・マルティネス監督が率いる現チームも、メンバーは充実している。ロメル・ルカク、ケヴィン・デブライネ、ヤン・ティーレマンス、ヤニク・カラスコ、ティボ・クルトワ……。いずれ劣らぬ一騎当千の強者を揃え、8月に発表されたFIFAランキングでも、ブラジルに次いで2位につけている。

エデン・アザールのコンディションが上がらなかった場合は、レアンドロ・トロサールが攻撃の軸になる。相手DFが限定したコースに好んで進入し、破壊的かつテクニカルなドリブルでチャンスを創出する姿は、カタール・ワールドカップでも世界中の関心を集めるに違いない。

しかし、最終ラインに不安を抱えている。トビー・アルデルヴァイレルトとヤン・ヴェルトンゲンはすでにピークを過ぎ、ジェイソン・デナイエルは現地時間9月18日で無所属だ。試合勘が養えていない。

アルトゥール・テアテ、ワウト・ファース、セバスティアン・ボルナウなど有望な若手が腕を撫しているとはいえ、マルティネス監督は世代交代に消極的だ。

前述したように、トロサールは期待できる。現在の調子を維持できれば、一気にブレイクしたとしても不思議ではない逸材だ。ミランで脚光を浴びるシャルル・デ・ケテラーレも、「セカンドトップ、ウイングとしてチャンスはある」とマルティネス監督は強調した。

この、あるべき姿を、なぜDFラインに用いないのだろうか。ある程度、経験を要するポジションとはいえ、アルデルヴァイレルトは33歳、ヴェルトンゲンは35歳。疲労回復に手間どる年齢になった。

大会開幕まで二か月を切った現段階で、メンバーを大幅に入れ替えることはリスキーだが、デナイエルの試合勘、アルデルヴァイレルトとヴェルトンゲンの衰えは少なからぬ不安だ。

ツボにはまった際のルカクは、相手DFが無力を疑いたくなるほどの驚異的な破壊力を発揮する。デブライネはハードワークができるファンタジスタだ。ティーレマンスとアクセル・ビツェルの中盤センターはだれもが認める実力者で、GKクルトワは世界でもトップランクの名手だ。

ただし、繰り返すが最終ラインの非力は否めない。チーム全体としても、3位になったロシア・ワールドカップからヴァンサン・コンパニ、ムサ・デンベレ、マルワヌ・フェライニが抜けた程度で、新陳代謝はほとんど図られていない。熟成という表現は当てはまらず、むしろ後退した印象もある。

クロアチア、モロッコ、カナダと闘うグループステージを突破したとしても、ラウンド16以降は厳しいかもしれない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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