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サッカー フットサル コラム 2022年8月30日

エース移籍でピンチのソシエダ。今週末は強敵アトレティコ・マドリー戦・・・監督は大変だ

木村浩嗣コラム by 木村浩嗣
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レアル・ソシエダ、エルチェ戦の先発メンバー

レアル・ソシエダ、エルチェ戦の先発メンバー

やはり、開幕して3戦も終わったのにまだ移籍市場が開いている、というのは異常な事態だ。ソシエダからエースのイサックがいきなりいなくなってしまった。

移籍金の推定7000万ユーロというのはとんでもない額である。おそらく実際の価値、3000万ユーロ程度なら売らなかったのだろうが、7000万なら売るしかない。クラブとしては。このお金で施設も育成組織も間違いなく充実する。だが、チームとしてはもの凄く痛い。アルグアシル監督は生え抜きなのでクラブの成功を第一に考えるだろうが、成績が悪くてクビを切られるのは彼なのだ。

それでも、イサック不在の最初の試合、エルチェ戦はソシエダの今季ベストマッチだったと思う。

これまで中盤の下支え役に徹し目立たなかったブライスが、久保、シルバ、チョー、メリーノとコンビをし前線にも顔を出して、持ち前の攻撃力を発揮した。スビメンディを除く前の5人が速いパス交換とドリブルを交えて流動的に動くと、エルチェの組織はズタズタになった。前も書いたけど、エルチェは決して悪いチームではない。だが、マーク関係が混乱し、最終ラインがジグザグになって穴だらけになった。

人とボールが動くチームとしての流動性に、チョー、シルバ、久保、ブライスの個としての打開力がミックスされた強さを目の当たりにしながら、“ここにイサックがいれば……”としょうがないことを考えていた。

今日(29日)、代わりにセルロートの加入が発表された。昨季もレンタルでプレーしたFWである。だが、名前はアレクサンデルと共通でもイサックとセルロートは全然違う。正反対と言っていい。

セルロートは典型的な巨漢CFで最前線真ん中に張ってほとんど動かない。役目的にはエリア内でのシュート専門で「前進」や「崩し」にはほとんど参加しない。むしろ仲間がボールを持ち上がって来ると、彼はボールから離れていく。逆サイドでセンタリングを来るのを待つためだ。エリア外ボールを触るの、はロングボールを収めてボール出しを助ける時くらい。

スピードもなくドリブルもなく足技ももう一つ。ただ、相手CBとバトルして最終ラインを下げてくれるので、できたスペースを周りは使うことができる。昨季は今と同じ[4−4−2]の中盤ダイヤモンド型の2トップで、セルロートとイサックは併用されていた。
つまり、イサックと一緒に使えば生きるタイプであって、イサックの代役にはならない。セルロート用のメカニズムを新たに作り直さなければならない。昨季はイサック不在時にはセルロート1トップの[4−2−3−1]が使われていたが、今季も彼用のシステムを用意するのだろうか?

今週末のアトレティコ・マドリー戦はチョー先発でセルロートの出番は顔見世程度だろう。新戦力を少しでも見せて心配顔のファンに夢を持たせた方がいい。だが、相手は強敵。そんな余裕のある展開になるだろうか? いずれにせよ、監督は大変だ。

木村浩嗣

木村浩嗣

編集者、コピーライターを経て94年からスペインへ。2006年に帰国し『footballista フットボリスタ』編集長に就任。08年からスペインに拠点を移し特派員兼編集長に。15年編集長を辞し指導を再開。スペインサッカーを追いつつセビージャ市王者となった少年チームを率いた。現在はグラナダ在住で映画評の執筆も。

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