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サッカー フットサル コラム 2022年8月26日

短絡的な変化には決して動じないリヴァプールだが・・・

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ファン・ダイク

ファンダイク

凄まじいスケジュールだった。

◆プレミアリーグ38試合
◆チャンピンズリーグ13試合
◆FAカップ6試合
◆リーグカップ6試合

計63試合をおよそ10か月で消化した。単純計算で4・76日に1試合のハイペースである。

イングランド国内のカップ戦をふたつとも制し、CLでは決勝に進出。さらにプレミアリーグでは、最終節までマンチェスター・シティと熾烈な優勝争いを演じている。心身ともにプレッシャーの連続だったに違いない。

昨シーズンの最終戦は現地時間5月28日のCL決勝だった。以降、今シーズンの開幕を告げるチャリティシールドまで、休息はわずか62日しかなかった。束の間、という表現は用いられない。たったの二か月で蓄積した疲れから解放されるはずがなく、今シーズンのリヴァプールは動きが鈍い。

2022/23シーズンはフラムとのアウェーゲームから始まった。強豪リヴァプールをホームに迎え撃つモチベーションに押され、なおかつ相手FWアレクサンダル・ペトロヴィッチにジョエル・マティプ、フィルジル・ファンダイクが苦戦。2-2のドローに持ち込むのが精いっぱいだった。

2節のクリスタルパレス戦はダルウィン・ヌニェスの一発レッドが響き、本拠アンフィールドで1-1の引分けに終わっている。

そして3節のマンチェスター・ユナイテッド戦(アウェー)では、1-2の敗北を喫した。スプリント回数が62回と106回。走行距離は110・6kmと113・78km。ユナイテッドの変化が著しかったとはいえ、リヴァプールは運動量で大幅に下まわっている。

ファンダイクが寄せを怠ったり、トレント=アレクサンダー・アーノルドがスプリントしなかったり、らしくないプレーも散見された。

リヴァプールは明らかに疲れている。アンディ・ロバートソンが「プレミアリーグは世界一過酷だ。同じような失態を繰り返してはいけない」と焦りを口にしたように、ユナイテッド戦の内容は今後に響きかねない。

また、負傷者も続出している。チアゴ・アルカンタラ、ディオゴ・ジョタ、カーティス・ジョーンズ、ナビ・ケイタ、アレックス・オクスレイド=チェンバレン、イブライマ・コナテ、カルヴィン・ラムゼイ、クイーヴィン・ケラハー、マティプと、8月25日時点で実に9選手がリハビリ中だ。

ユルゲン・クロップ監督はつねづね語っている。

「適切な選手がいれば適切な価格で」

短絡的な変化には決して動じず、長期的な展望に基づいて強化を図るという意味だ。しかし、チアゴをはじめとする中盤4選手が故障者リストに名を連ねたいま、即戦力を獲得したとしても不思議ではない。

アーセナルと合意済みとの噂もあるレスターのユリ・ティーレマンスか、あるいは地元紙『Liverpool Echo』が、なぜか執拗にピックアップするブライトンのモイセス・カイセドか。

予算を度外視し、ウェストハムのデクラン・ライス、ドルトムントのジュード・ベリンガムにアプローチすると、市場は一気に過熱する。

コンディションさえ整えば、リヴァプールは瞬く間に上昇機運をつかむだろう。ただ、疲労困憊を治癒する特効薬は見当たらず、補強に頼るしかない。

次節は攻撃のプランを持たないボーンマス戦だ。リヴァプールはシーズン初勝利を得る公算が大きい。しかし、5節からニューカッスル、ウォルヴァーハンプトン、チェルシー、アーセナルと厄介な相手が続き、9節には宿敵マンチェスター・シティ戦がやって来る。

現状に手をこまねいていると、さすがにヤバい。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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