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まだ暑さも残る中(しかも、全北の試合は2試合ともキックオフ時間がまだ暑さも残る16時だった)、2試合連続の延長戦から中2日では体力的に相当にきつかったはずだ。
そして、準決勝でも早々に浦和が先制して有利な立場に立った。
キックオフ直後から激しくプレスをかけて相手ゴールに迫った浦和。11分には右サイドのダビド・モーベルグのスローインから伊藤敦樹、モーベルグ、酒井とワンタッチでつないで、最後は酒井の速いクロスに松尾佑介が合わせた美しい先制ゴールだった。こうした、ワンタッチパスやサイドバックのインナーラップというのは、最近のJリーグのトレンドで、韓国のチームはなかなか対処できない形だ。
これで、浦和の優位性はさらに高まった。早めに2点目が奪えれば、勝負の行方は大きく浦和に傾くはずだった。
ところが、1点を先制した直後から浦和は戦い方を変えてしまった。
点を取るまでは前に前にとアグレッシブに戦っていたのに、ゴールが決まった後はボールを大事にする意識が強くなって、最終ラインの岩波拓也とアレクサンダー・ショルツ、それにボランチの岩尾憲、それにGKの西川を加えて後方でボールを回しながら、相手陣内に穴を見つけようとする戦い方に変わったのだ。
もちろん、こういう一発勝負の試合だから慎重に戦うという選択はありうる。
だが、その前提としてはボールを大事にするのだから「ミスを生まないこと」があるはずだ。ところが、浦和はせっかくボールを大事にする戦い方に切り替えたのにイージーなパスミスでボールを失う回数が多すぎた。そして、引き気味でプレーしたことによって全北が全体としてゾーンを上げて浦和ゴール前でのプレーも増えていった。
さらに、コンタクトの場面で疲労をためている全北の選手が倒れる場面が多く、それをアリレザ・ファガニ主審にファウルと判定されてしまった。
こうして、自ら首を絞めるような形で浦和は防戦に追い込まれてしまい、後半にPKによって同点とされてしまった。
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