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サッカー フットサル コラム 2022年8月24日

ピッチに立ちたいのならC・ロナウドは妥協すべきだ

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ベンチから試合を見つめるロナウド

ベンチから試合を見つめるロナウド

マンチェスター・ユナイテッドはレアル・マドリーからカゼミーロを獲得した。

「30歳の選手に6000万ポンド(約98億円)もの移籍金!? 長期的な展望に基づく人選とは思えない」
「4000万ポンド(約65億円)上乗せし、ウェストハムのデクラン・ライスと交渉すべきだった」

各方面から否定的な意見も聞こえてくる。だが、カゼミーロは勝者のメンタリティを持つ頼りになる男だ。栄光をつかむためならイエローカード、乱闘も辞さない。腹の座ったアンカーは、是が非でも手に入れたいタイプだった。

カゼミーロをアンカーに起用したり、クリスチャン・エリクセンと並べて中盤センターを二枚にしたり、戦術的な人選も幅が広がる。リードして残り10分を迎えた場合、カゼミーロ、フレッジ、スコット・マクトミネイの中盤三枚で、ガッチガチに守り倒すプランも悪くない。

個人的な希望は、ジェームズ・ガーナーを一人前にしてくれ、だ。若手の才能に気づけない愚かな上層部は、マイケル・キャリックの再来となりうる逸材を1500万ポンド(約24億円)で売却しようとしている。思いとどまりやがれ!

さて、ユナイテッドは前線の強化にも着手している。

第一ターゲットはアントニーだ。エリク・テンハフ監督、L・マルティネス(前出)、コーチのミッチェル・ファン・デルガアフに続き、アヤックスから4名も奪うのだろうか。移籍を希望するアントニーは全体練習に参加せず、ジムでひとり黙々と鍛えている。

仮にアントニーを獲得すると、クリスチャーノ・ロナウドの周辺はさらに慌ただしくなる。チャンピオンズリーグ出場権の獲得が怪しくなった昨シーズン終盤に移籍を志願。エージェントのジョルジュ・メンデスが多くのクラブにアプロ―チしていることは、紛れもない事実だ。

「メディアは嘘つきばかりだ」

C・ロナウドの否定が空しく聞こえる。

数年前までなら移籍を匂わせればうまくいった。メンデスの尽力により、受け入れ先が見つかっていたからだ。

しかし、今回ばかりは事情が異なる。敏腕エージェントはバイエルン・ミュンヘンやパリ・サンジェルマン、ACミラン、ドルトムントなどに接触したが、各クラブとも「C・ロナウドのキャリアには敬意を表する」と前置きしつつ、交渉には応じなかった。

また、チェルシーの新オーナーに就任したトッド・ベイリーが興味を示したものの、トーマス・トゥヘル監督が「必要ない」と完全否定。アトレティコ・マドリーはラ・リーガが定める年俸総額に余裕がなく、怨敵レアルに所属したC・ロナウドに大半のサポーターが不快感を露わにしている。

モダンフットボールにおいて守備意識の低さは致命的だ。スタメン・フル出場を希望してスーパーサブを受け入れず、年俸ダウンに応じる気配もまったくない。

結局、C・ロナウド側が妥協点を見いださないかぎり、ピッチにすら立てなくなる。裸の王様にも見えてきた。少しだけ、おとなになってくれないか。

会心の内容で勝利を収めた3節のリヴァプール戦でも、出番が訪れたのは86分のことだった。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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