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サッカー フットサル コラム 2022年8月12日

ペップとシティはフットボールの未来を啓示してきた

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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開幕戦でハーランと握手をかわすグアルディオラ

開幕戦でハーランと握手をかわすグアルディオラ

マンチェスター・シティというクラブ名は知っていた。

マンチェスター・ユナイテッドのローカルライバルだが、しょせんはマイナー。マイク・サマビー、ロドニー・マーシュ、フランシス・リーをはじめとする主力のパフォーマンスが専門誌に掲載されても、筆者の琴線にはまったく触れなかった。いまから50年近く前の話である。

その後、ユナイテッドはゴードン・ヒル、スティーヴ・コッペル、ブライアン・ロブソンなどのスターを次々と輩出し、ポール・スコールズ、デイヴィッド・ベッカム、ギャリー・ネヴィル、フィル・ネヴィル、ライアン・ギグス(後にとんでもないクソ野郎であることが判明)といったアレックス・ファーガソン監督の愛弟子が、ユナイテッドの名を世界に広めた。

一方、シティはトップリーグにすら留まれず、1998/99シーズンにはリーグ1(実質3部)にまで降格している。ユナイテッドがチャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、FAカップのトレブルに輝いたシーズンだ。

しかし、2005年に買収したグレイザー・ファミリーが莫大な借金を返済するため、入場料収益やテレビ放映権料を悪用した。シティは2008年に『アブダビ・ユナイテッド・グループ』が買収したことにより、圧倒的な経済支援を得た。両チームの差は瞬く間に接近する。

そして2016年夏、シティはジョセップ・グアルディオラ監督の招聘とともに、ユナイテッドとの立場を完全に逆転した。

就任以降、6シーズンで4回のリーグ優勝。そのほかは2位と3位が1回ずつ。この間の勝利数は169、総得点565、勝率は74・12%。驚異的な数字がズラリと並ぶ。ユナイテッドは117勝、383得点、勝率51・31%。嗚呼、情けない。

直近6シーズンの数字だけでも、グアルディオラの凄さがうかがい知れる。まして彼とシティの場合、単に勝つだけではなく試合内容も追及する。大胆、かつ細心のパスワーク、大外と内側の有効活用、あらゆるポジションからのビルドアップなど、フットボールの未来をつねに啓示してきた。

また、守備力も非常に強固であり、クリーンシート107回、平均失点0・80も6シーズンのリーグ最高値だ。

今シーズンはラヒム・スターリングがチェルシーに、ガブリエウ・ジェズースとアレクサンドル・ジンチェンコがアーセナルに新天地を求めた。アーリング・ハーランとフリアン・アルバレスは即戦力かもしれないが、プレミアリーグ初年度という疑問も生じる。

とはいえ、シティの完成度はだれもが認めるところだ。ハーランとリヤド・マフレズを除く大半の主力が引き抜かれるカタール・ワールドカップでアクシデントに見舞われなければ、プレミアリーグの連覇はもちろん、悲願のチャンピオンズリーグ優勝の可能性だって十分にある。

17/18シーズンにシティみずからが樹立したプレミアリーグ新記録、106得点、得失点差79、勝点100の更新も十分に期待できる。

ベルナルド・シウバが噂どおりにバルセロナへ移籍したとしても、代案はすでに用意されているはずだ。シティの強化担当は勤勉・迅速。パニックバイに陥りはしない。

かつてサー・アレックスは、「うるさい隣人」とシティを表した。隣の芝生は青すぎる。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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