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サッカー フットサル コラム 2022年8月3日

レスターは2000年代初頭のリーズと同じ道をたどるのか

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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ジェイムズ・マディソ

ジェイムズ・マディソ(写真右)

英国の有力紙『Telegraph』が報じたのだから、信ぴょう性は高い。

レスターが財政難に陥ったという。売上高と給与のバランスが崩れ、2021/22シーズンの損失額は9000万ポンド(約149億円)にも達した。今夏の市場で5~6選手の放出を余儀なくされそうだ。

ユーリ・ティーレマンスはアーセナルと、カスパー・シュマイケルはニースと合意間近と伝えられ、ニューカッスルからジェイムズ・マディソンに届いた5000万ポンド(約83億円)のオファーは拒否したが、トッテナムが急接近してきた。

ティモシー・カスターニュの汎用性は各方面で高く評価され、ケレチ・イヘアナチョの得点力はプレミアリーグを愛する皆さんならご承知だろう。昨シーズンは期待を裏切ったブバカリ・ズマレも、球際の強さと俊敏性はだれもが認めるところだ。

また、チャーラル・ソユンジュ、ライアン・バートランド、ジョニー・エヴァンズ、リカルド・ペレイラ、アジョゼ・ペレス、ジェイムズ・ヴァーディーが、揃って来年6月に現行の契約が満了する。全員と契約を延長するのは不可能だ。

ハービー・バーンズはメガクラブも注目する逸材であり、ウェズレイ・フォファナを獲得するために、チェルシーは5000万ポンド+ルベン・ロフタスチークという条件を提示した、と伝えられている。

ただ、仮にバーンズやフォファナが高額で売れたとしても、事態が好転するわけではない。若かりし頃のリオ・ファーディナンド、アラン・スミス、ハリー・キューウェルなどを揃えた2000年代初頭のリーズも、経営のバランスが崩れて大半の主力失った。レスターも同じ道をたどるのだろうか。

たしかにプレミアリーグは莫大なテレビ放映権に支援され、好景気が続いている。今夏の市場にアーセナルが1億ポンド(約165億円)以上を注ぎ、昨シーズンは降格が現実味を帯びたリーズが9500万ポンド(約155億円)、24シーズンぶりに昇格したノッティンガム・フォレストが7400万ポンド(約122億円)を市場に投下している。

さらに、カンファレンスリーグの出場資格すら有していないアストン・ヴィラが、チャンピオンズリーグに参戦するセビージャから2600万ポンド(約43億円)でブラジル代表DFジエゴ・カルロスを獲得した。

しかしレスターだけではなく、3億6500万ポンド(約602億円)を超える負債が明らかになったエヴァートン、今夏を含めた直近4年でおよそ4億7000万ポンド(約776億円)を市場に投下しているアーセナルも、資金の回収を誤った場合は一気にどん底まで突き落とされるリスクがある。

好景気の間に、プレミアリーグの各クラブは足もとを見つめ直すべきだ。バブルが永遠に続くはずがなく、営業利益や大型スポンサー契約だけは絶好調のマンチェスター・ユナイテッドも、リチャード・アーノルドCEOが警鐘を鳴らした。

「使い続ければカネはなくなる」

ヨーロッパ全体をみても、利益をあげているのはベンフィカ、アヤックス、アトレティコ・マドリー、アイントラハト・フランクフルトなど、ごくわずかだ。この4チームは、いずれも若手育成に定評がある。

テレビ放映権や大型スポンサー契約は強大な武器になるとはいえ、やはり基本は選手の売買ではなく、才能のある少年を辛抱強く見守ることだ。

フットボールの原点に立ち戻ろう。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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