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サッカー フットサル コラム 2022年6月29日

バルサ残留を希望していたデヨングが来てくれたとしても

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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フランキー・デヨング

フランキー・デヨング

なかなかどうして前に進まない。

マンチェスター・シティはアーリング・ハーランを獲得し、カルバン・フィリップス、マルク・ククレジャとの交渉も順調に進んでいる。アーセナルはガブリエル・ジェズスとファビオ・ペレイラ、マルキーニョスを手に入れ、今週中にはハフィーニャとも合意に至るという。

また、リヴァプールにはダルウィン・ヌニェスがやって来て、チェルシーは2億ポンド(約320億円)、トッテナムは1億5000万ポンド(約240億円)の増資を、各クラブの上層部が約束している。

「頼むからだれか買ってくれ」

オールド・トラッフォードの前でプラカードを掲げるサポーターの姿があった。

マンチェスター・ユナイテッドは動けないのか、動かないのか。ポール・ポグバ、エディンソン・カバーニ、ファン・マタ、ジェシー・リンガード、ディーン・ヘンダーソン、ネマニャ・マティッチが退団するというのに、どういうわけだかノンビリしているように映る。

6月25日時点で、補強はほぼ手つかずだ。バルセロナのフランキー・デヨングとは合意間近と伝えられるものの、市場におけるユナイテッドの動きはかなり鈍い。リオ・ファーディナンドやギャリー・ネヴィルといったOBも、「エリク・テンハフ新監督をサポートする気があるのか」と怒っていた。

今年の夏は再建の第一歩である。リヴァプールやシティに大きく引き離され、チャンピオンズリーグの出場権も持っていないのだから、サポーターがキュンとなる大物を獲得できる公算は極めて小さい。

デヨングが来てくれるのなら、「よくもまぁ、こんなところへ」と感謝するしかない。ただ、彼の場合はバルセロナに残留したくても、切迫した経済事情がそれを許さなかった。

望まぬ移籍がうまくいかないことは、8年前にレアル・マドリーから移籍してきた当時のアンヘル・ディ・マリアが如実に示している。彼と彼の家族はスペインの生活が気に入っていた。当然、マンチェスターではストレスに苛まれる。寒い、食事が口に合わない、スペイン語が通じない。

それにしても、ユナイテッドの強化担当が市場でどのように動いているのか、ほとんど伝わってこない。好意的に考えれば水面下で交渉中となるが、ユナイテッドは一挙手一投足がつねに注目されるクラブだ。したがって、具体的なアクションは起こしていないと考えられる。

サー・アレックス・ファーガソン体制の晩年からデイヴィッド・モイーズ、ルイ・ファンハール、ジョゼ・モウリーニョ、オーレ・グンナー・スールシャールに至るまで、ユナイテッドの現場は適切なサポートを得られなかった。

強化を担当していたエドワード・ウッドワードは市場で顔が利かず、エージェントに足もとを見られて莫大な移籍金を吹っかけられもした。

昨シーズン限りで退任したウッドワードに変わる強化担当は、取締役のマット・ジャッジである。ジェイドン・サンチョの獲得にもひと役買っているとはいえ、市場でネットワークを築いているのだろうか。

いや、築いていたとしたら、今夏はより積極的に動いていたに違いない。この先、ビッグネームがユナイテッドに新天地を求めるとは考えにくい。

ブルーノ・フェルナンデスとデヨングの中盤が実現すれば胸は躍る。アレハンドロ・ガルナチョやジェームズ・ガーナー、ハンニバル・メジブリといった若者の台頭も楽しみだ。マーカス・ラシュフォードは復活に向け、鋼のような肉体を創りあげている。

しかし、長年の課題である強化担当のレベルが相変わらず低い。今年2月、CEOに就任したリチャード・アーノルドも「近ごろは無駄遣いが多すぎる」と、失敗続きの補強を嘆いていた。

近ごろ、ちっとも楽しくない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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